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seiji_arita
2023年12月31日 19:30
「プラトニックの雨」独りの時を愛してるとか海の底にあったはずの情熱が消え去り本当の愛しさだけが残った不揃いな価値観と不器用な言葉と指先で数えた自惚れの数泣きたい時には泣けばいい傷付けた想い出を抱きしめたまま下手くそな嘘 閉じた唇と 待ち合わせた夜響き合い強く想う 刹那に揺れる小さな花七色の星を描いて作った星座何もかもが美しく見える その時まで
2023年12月19日 16:55
「細くて白い月」カーテンの僅かな隙間から骨の様な細くて白い月が見えたカフェオレとポテトサラダ スクランブルエッグとトーストバターは付ける? それとも苺ジャム?僕は煙草を咥えたまま バター そう答えた彼女の部屋のテラスからは川が見えた 水面に映る歓楽街のネオンが見えた朝は苦手だって そう彼女は言ったユニットバスのトイレには膣内を洗浄する見た事も
2023年12月18日 15:47
「リファレンス」記憶の残像 その断片を独り辿る 複雑に絡み合う混沌の記録を選分け様ともがいていた限定された時の中 何ひとつ選択出来ない僕が居た虚空を睨む沈黙が昆虫標本の様な世界を包む書庫に並んだ本は全て必要で全て必要無いものと一緒だ1ステップ 2ステップ 3ステップ とマニュアルに書いてある通りにボタンを押して来たが結局 最後は GA
2023年12月14日 13:53
「灰色の雲」僕等に吹き付ける冬の風は強い力と価値基準を持っていたそれは僕等の記憶の裏側に隠した混乱を巧妙に曝け出させる価値基準を満たした人の波が押し寄せて来る僕等は溺れる様に彷徨っていた曇り空に浮かぶ灰色の雲を外部からの強い力が引きちぎる奴等が求める完璧を否定した僕等は奴等の言う完璧に何の意味も見出せなかったからだ勝ち負けに拘って来たのは負ける事
2023年12月13日 14:45
「長い夜」秘めた聖なる山は幾度となく燃え上がり消えるいつか見た長い夜あの時もそうだった 僕は星や月を探していた窓の外を風が通り過ぎて行った僕はその風の温度も匂いも感じる事が出来なかったただ 触れたいそう思っていた目に見えているものは 己が仮説の上に創りあげた世界である事一種の概念の上に成立した架空の物語恐怖を掻き消す為に僕は彼女の身体に
2023年12月9日 23:11
「後遺症」僕の限定された思考が人生を造り出し見えない壁を構築していく周囲の景色は ハッキリと認識出来るのに僕の近くだけは不鮮明でぼやけていて細部まで見る事 読み取る事が出来ない束の間の妄想と安上がりな夢破滅的な危機に直面した創造力の後遺症僕はまた本を開いた 誰も幸せに出来ない僕が 幸せになれるはずは無いそう文字で記されていた組織に司ら
2023年12月7日 03:48
「星空のウインク」星空のウインク 夜が明ける少し前道の正しさは君の心で決めればいい新しい痛みがまた傷跡を残す どんな歩き方だって構わない信じてる 虹を見たから信じなよ 震える命で独り占めしたくて伸ばした腕僕の我儘 わかってる小さな胸にしまった想い 迷子の足音涙を数えた独りぼっちの夜迷い彷徨い眠れないなら僕を選ばない理由 君を選べない理由
2023年12月6日 02:21
「チバユウスケ」ねぇ聞かせてよ 其処の世界の音ねぇ教えてよ 空で花を見たか 僕は読みかけの小説を閉じて煙草に火を付けるまた空が落ちてくる憧れの森の中歩いてるけど目は閉じたまま現実と言うその深い海に似た無限の森が僕を包み込む赤みのかかった 月が昇る時それで最後だと僕は聞かされる真実は突然 空から降って来るロックンロールみたいに嘘ばかりをつき続け
2023年12月3日 19:36
「コピー ロボット」君には特別な何かがあり そして何かが欠けていた曖昧と言う言葉は無く イエスとノーで出来たある種の進化の過程にあるロボットの様に機械仕掛けでありながら 混乱した心を有していた君の前では異論を唱える時計の針は止まり何もかもが消えて行った僕の記憶を読み取る様な目で僕を見ていたそれは明らかに女の瞳だった生きる事は決して容易な事では無