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マーケティング 人と社会の幸福を実現する

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#ブランディング

マーケティング マーケティングの位置づけと分類

今年に入って何度か、マーケティングに興味があるという話を聞きます。話をお聞きしていると、人によってマーケティングの意味も様々、、、たまに疲れてしまいます。
そうしたことから、今回のテーマで、あらためて説明しようと思います。

・マーケティングの位置づけ
マネジメント全体を考えたとき、マーケティングはどんな役割を果たしているのでしょうか。まずはマーケティングの位置づけについて考えます。

■マネジメ

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色々な意味のマーケティング マーケティングの本質とは

僕が担当するマーケティングなの講義で、特にこの5年ほど、最初に必ずする質問があります。
それは「マーケティングとは何でしょう?」という質問です。

特に今の、スマホネイティブの学生さんたちは、インターネットを通じて様々な言葉に接していますから、マーケティングという言葉を知らないという学生さんはいません。
僕の質問に対して、学生さんからは「調査すること」とか「たくさん売れるようにする」といった答えが

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2022秋 ブランディングを考える

「正しい日本語はない」
これは以前、僕が短歌の師匠から言われた言葉です。

言葉の使われ方、意味や概念は、時間とともに変わっていくもの。当然その時代ことの正しさがあります。それ以来僕は、例えば講義などで「適切な日本語」と表現するようになりました。

そこで考えると、実はマーケティングの代表的な定義、AMA(全米マーケティング協会)の定義も、これまで何度も変わっています。時代の変化や社会での役割に合

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マネジメント 「価値」の再確認:顧客満足を‘実現するためには

広告デザイン専門学校、マーケティングの講義は僕が作成したテキストを使用しています。書き込み式のワークブック形式で約70ページほどですら、半期、160分×17回の講義にしてはなかなかのボリュームです。

内容はコトラーの『マーケティング原理』などを元に、基礎をしっかり理解するためのものになっています。
学校の教材ですから、売り物ではありませんが、出典や参考文献は全て書籍の基準に合わせて作成(というか

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マーケティング ユーザー、顧客、クライアント、パートナー

企業の支援などをしながら、お客様をはじめ色々な方とお話をさせて頂いていると、「顧客満足」について違和感を感じることがあります。それは誰を「顧客」とし、誰の「顧客満足」を実現しようとしているのかということです。

以前に関わった仕事で、とても嫌な思いをしたことがありました。
単に「面白い」とか、立場のある人に阿り、お金を出してもらおうとするばかりで、誰かに何も価値を提供していないことに関わったからで

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ブランドは「定義」が形作る

前回、「企業理念がブランドを確立する」という記事を記しました。そこでは主にマーケティングの視点とマーケティング4.0について述べ、企業理念については、触れませんでした。
そのため今回は、企業理念とブランドの関係について考えたいと思います。

マーケティング4.0とは、端的に言えば、企業と顧客が‘共に’新たな価値を創造する行為です。
出来上がったものについて、顧客(その企業を愛顧する消費者)にその価

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企業理念がブランドを確立する

広告デザイン専門学校で教壇にたつようになり、次年度で4年目になります。そろそろ「デザイン教育は新人」とは言えなくなってきました。毎年、講義のシラバスを書くのは慣れた作業ですが、この3年ほどは、経営学部時代とは違った意味で悩みながら講義を組み立てています。

マーケティングについては、基礎的な理論は変わらないのですが、特に21世紀に入ってからの、世の中の変化はとても大きいものです。

20世紀、工業

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ブランディング、CI 内と外から企業を形作る

広告デザイン専門学校の講義を行うために内容を拡充させたものがいくつかあります。ブランディングやCIがそれに当たります。
ブランディングやCIはデザイン会社の業務の中でも比較的規模の大きな仕事になります。講義ではそれぞれ1回ずつ、多くの事例を挙げながら説明しますが、今回は敢えてこの2つを一緒に考えたいと思います。

1.ブランディングとは
ブランディングとは企業や製品・サービスをブランドとして定着さ

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CI(コーポレートアイデンティティ)その3 皆が誇れるアイデンティティ

CI(コーポレートアイデンティティ)その2では、CIの開発計画について記しました。CIというと「デザイン」について思い浮かべる方も多いと思います。しかしここまでで、CIのデザインについては全く触れてきませんでしたが、それには理由があります。
多くの人が名前を知っている大企業ならともかく、中小・零細企業では、デザインの部分のCIだけを行っても全く効果はありません。経営理念や経営学の成り立ちでも記しま

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CI(コーポレートアイデンティティ)その2 CIの本当の役割:利益を得て人に喜ばれるためには

前回はCIの構成要素について記しました。これはCIを行ううえで、最初から考えなければならない、基本的な視点であり、絶対に守らなければならない基本です。これについては、前回の記事でご理解頂けたと思います。
今回はもう少し進んで、CIの開発について記したいと思います。

・CIの開発計画
CIの開発計画は、①企業の理念開発と②デザイン開発の2段階に別れます。僕がCI開発を行う時は、①の理念開発を担当し

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CI(コーポレートアイデンティティ) 指針を示し品格を与える

前回は経営理念(企業理念)がどのように機能するかについて、企業のお手伝いで取り扱った事例を挙げて説明しました。今回は経営理念を企業に浸透させ、利益をもたらす考え方、CI(Corporate Identity:コーポレートアイデンティティ)について記したいと思います。

CIとは自らがどのような存在なのかを理解・認識する作業です。これは単にどのような製品やサービスを提供するのかではなく、それぞれの理

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