中島凌太郎

オフィスキートン株式会社代表取締役です。 1992年群馬県太田市生まれ。太田市在住。

中島凌太郎

オフィスキートン株式会社代表取締役です。 1992年群馬県太田市生まれ。太田市在住。

マガジン

記事一覧

アドバイスは誰のため?

アドバイスって、する側が自分の立場を正当化できる角度から言いがちで、純粋に相手を思って論を展開することが多くない気がしている。 多分、相談をされた時点で少なくと…

中島凌太郎
1か月前
6

フェリーに乗ってみた

フェリー「はまゆう」に乗った。 片道丸一日をかけて横須賀と門司を往来するこの船は、郊外のイオンモールくらい大きな姿で夜の港にそびえ立つ。 埠頭で夜の出航を待つこ…

中島凌太郎
1か月前
13

【本の感想】働き方全史 

なぜ、人は働かなくてはならいのか。 生きていれば何度となくこの問いが頭をよぎるほど、私たちの生活は仕事と不可分の関係にある。問うときはたいてい、あまりいい状態で…

中島凌太郎
2か月前
11

最初の四半期を終えてみての雑感

法人設立から最初の四半期が終了。 未解決問題は山積みだ。 ちゃんと振り返ってみると、予想だにしないほどの幸運な出来事や、お陰様です…としか言いようのないことがあっ…

中島凌太郎
3か月前
5

「関係ない」とはどこまで「関係ない」のか

A 「やっぱり大谷選手みたいに身長が高くないとメジャーで活躍するのは難しいよなぁ」 B「そうかもしれへんけど、アルトゥーベ※は168cmやのにMVP2回取ってるわけやから…

中島凌太郎
3か月前
2

[達人のサイエンスを読んでみて(聴いてみて)]

今日は運転が長い一日だったので、Audibleで「達人のサイエンス」を聴いていたら、読み継がれるだけあってビシッと響くところがあったので書きながら考えてみようと思いま…

中島凌太郎
3か月前
2

花粉症明けの気づき

しばらく九州にいたせいか、関東の花粉症がこれほどまでに長いことをすっかり忘れていた。2か月にわたって部屋の窓を開け閉めすることはおろか、ふらっと外を歩くことを極…

中島凌太郎
3か月前
9

業務量は筋肉で制圧。

独立して3ヶ月、法人設立から1ヶ月余りが経ちました。 有難いことに、予想だにしないほどお仕事の依頼を頂けており、業務量に圧倒されそうになっています。 元々突出した…

中島凌太郎
5か月前
6

「実学」に学ぶ会計のキホン

ビジネス書はトレンドを追うよりも、読み返すとそのたびに身が清められるような名著を手元に置いておきたいタチです。 今回はそんな中の一冊から、スモールビジネスの経営…

中島凌太郎
5か月前
4

【書評】戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 (著)芹澤連 日経BP

本書は序盤からマーケティングの定説めいたものに疑問符を投げかけており、エビデンスを照らし合わせるとどうやら何の根拠もないデタラメマーケターがはびこっていることを…

中島凌太郎
6か月前
8

「ロジカル」は大概、バッタもんである

ウィトゲンシュタイン入門を読んでいる中で、彼の代表作の一つである「論考」からの引用でグッとくるものがありました。 「配列が世界の事物の配列を写すことができないの…

中島凌太郎
9か月前
7

中小企業診断士の勉強を進めてみて

来年に受験をしようと、今月に入ってからテキストを買い揃えて中小企業診断士の勉強を始めてみました。 これが中々面白い。これまで取得した他の資格の設問とは随分と異な…

中島凌太郎
9か月前
15

自分にとっての習慣センターピン

以前の記事で習慣にはセンターピンがある、と持論を述べさせていただきましたが、自分にとってはどういう序列なのかについて、改めて考えてみようと思います。 自分の場合…

中島凌太郎
9か月前
1

「なぜ車輪動物はいないのか」から考えるドローンの未来

「なぜ車輪動物はいないのか」 この問いは「ゾウの時間、ネズミの時間」という名著の3章で表題として使われています。 ASIMOくんをはじめ、ロボットは生き物を模した形を…

中島凌太郎
9か月前
2

習慣化には向き不向きがあるのか

偏執的な性質を持つアスペルガー症候群のような方は、「これをしないと気が済まない」というような何らかの強いこだわりを持つわけですが、それが本人の利益に貢献している…

中島凌太郎
9か月前
3

「これまでの分が損した気になりポイントカードを作らない」のは何故か

2018年のM-1グランプリでかまいたちが披露したポイントカードのネタは「店員さんにポイントカードを作るか尋ねられるが、これまで同じ機会を何度も断っているから今更作り…

中島凌太郎
10か月前
4

アドバイスは誰のため?

アドバイスって、する側が自分の立場を正当化できる角度から言いがちで、純粋に相手を思って論を展開することが多くない気がしている。

多分、相談をされた時点で少なくとも相談者からは持ちかけるに相応しい相手として認識されており、先達としての意見を求められていると自惚れた前提に立ってしまいがちだ。そもそもそこから間違えている。
それは相談ではなく説教の入り口だ。

自分にも過去に覚えがあるので深く反省しな

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フェリーに乗ってみた

フェリーに乗ってみた

フェリー「はまゆう」に乗った。
片道丸一日をかけて横須賀と門司を往来するこの船は、郊外のイオンモールくらい大きな姿で夜の港にそびえ立つ。

埠頭で夜の出航を待つこと3時間。
案内が始まると、まるで小魚がクジラに吸い込まれていくかのように客の車たちが船に収まっていく。

エントランスなどはもはや一流ホテルのような絢爛ぶりであり、そうかと思えば所々の内装はファミレスのようでもあるこの客船は、レストラン

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【本の感想】働き方全史 

【本の感想】働き方全史 

なぜ、人は働かなくてはならいのか。

生きていれば何度となくこの問いが頭をよぎるほど、私たちの生活は仕事と不可分の関係にある。問うときはたいてい、あまりいい状態ではないが。
すぐに思いつく「働かないと食っていけないから」というお誂え向きな回答は、一部の大金持ちのご子息には該当しないであろう。
しかも、彼らだって働く。
したがって不十分だ。

さらには、「AIが発展することで私たちは労働から解放され

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最初の四半期を終えてみての雑感

法人設立から最初の四半期が終了。
未解決問題は山積みだ。
ちゃんと振り返ってみると、予想だにしないほどの幸運な出来事や、お陰様です…としか言いようのないことがあったおかげでまずまずの幸先でした。

そうはいっても先行きの漠然とした不安は消えないし、きっとそれが連続するのだろうと思う。

外から見れば再現性が完全にデザインされていて、先行きの不安など微塵も感じさせないような企業や社長もきっと、そんな

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「関係ない」とはどこまで「関係ない」のか


A 「やっぱり大谷選手みたいに身長が高くないとメジャーで活躍するのは難しいよなぁ」
B「そうかもしれへんけど、アルトゥーベ※は168cmやのにMVP2回取ってるわけやから、あんまり関係ないやろ」
日常会話の中で、このように「関係ない」と表現することがあります。
たしかに、つい「関係ない」と言いたくなる場面もあるのですが、この「関係」が指す厳密さは人によって恐ろしく異なっていることに最近ようやく

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[達人のサイエンスを読んでみて(聴いてみて)]

[達人のサイエンスを読んでみて(聴いてみて)]

今日は運転が長い一日だったので、Audibleで「達人のサイエンス」を聴いていたら、読み継がれるだけあってビシッと響くところがあったので書きながら考えてみようと思います。 昨今では「不確実性の時代」であることを論拠に、1つの物事を突き詰めることが称賛されにくい雰囲気があるように感じます。
ひとつのことに腰を据えて取り組むことよりも、時代の変化に柔軟に対応できるよう、たくさんのスキルや知識を身に着け

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花粉症明けの気づき

しばらく九州にいたせいか、関東の花粉症がこれほどまでに長いことをすっかり忘れていた。2か月にわたって部屋の窓を開け閉めすることはおろか、ふらっと外を歩くことを極端に避けたDoor To Door生活を続けていた。
特に3月中旬以降こじらせてしまった花粉症由来の頭痛がもとで、なんだか落ち込み気味の精神状態が2週間ほど続いてしまい、仕事の面でも随分と生産性を落としてしまった。
ようやく復調してきて1週

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業務量は筋肉で制圧。

独立して3ヶ月、法人設立から1ヶ月余りが経ちました。

有難いことに、予想だにしないほどお仕事の依頼を頂けており、業務量に圧倒されそうになっています。

元々突出した能力のあるわけでもない体育会系の私は、こうなると筋肉の力を借りて押し返そうという発想になってしまいます。

忙しい仕事の合間を縫って日課のトレーニングは、更に拍車をかけて追い込む日々でございます。

実際、運動生理学の書籍を貪り読んで

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「実学」に学ぶ会計のキホン

ビジネス書はトレンドを追うよりも、読み返すとそのたびに身が清められるような名著を手元に置いておきたいタチです。
今回はそんな中の一冊から、スモールビジネスの経営者様にもご参考頂けるものをご紹介してみようと思います。

稲盛和夫の実学―経営と会計 https://amzn.asia/d/5NUHL43

著者は言わずと知れたかつての大物経営者ですが、著作に関して言えば晩年に書かれた「生き方」や「心。

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【書評】戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 (著)芹澤連 日経BP

【書評】戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 (著)芹澤連 日経BP

本書は序盤からマーケティングの定説めいたものに疑問符を投げかけており、エビデンスを照らし合わせるとどうやら何の根拠もないデタラメマーケターがはびこっていることを歯切れよく指摘してくれているため、痛快で学びの深い一冊でした。

基本姿勢を懐疑的とする自分のような拗ね者にとって、こういうバッタもんを炙り出す類の本は垂涎ものです。

じっさい、「それホンマ?」とか「自分だけちゃうの?」とうっすら思ってい

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「ロジカル」は大概、バッタもんである

ウィトゲンシュタイン入門を読んでいる中で、彼の代表作の一つである「論考」からの引用でグッとくるものがありました。

「配列が世界の事物の配列を写すことができないのであれば、それは”無意味”となる。」

難解極まりないとされる「論考」を直接読んだわけでもなく、また自分が理解できる頭脳を持ち合わせているとは到底思えないのですが、荘厳な論理で築かれる哲学は、辻褄の合わないことを過剰なまでに排除しようとす

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中小企業診断士の勉強を進めてみて

来年に受験をしようと、今月に入ってからテキストを買い揃えて中小企業診断士の勉強を始めてみました。
これが中々面白い。これまで取得した他の資格の設問とは随分と異なる趣を感じるため、そのあたりについて書いてみようと思います。

ちなみに、「他の資格」を指しているのは私が直近で取っている無人航空機操縦士と宅建士であるため、比較対象としてはこの2つです。

まず、ビジネスシーンでの実用性が極めて高く、普段

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自分にとっての習慣センターピン

以前の記事で習慣にはセンターピンがある、と持論を述べさせていただきましたが、自分にとってはどういう序列なのかについて、改めて考えてみようと思います。

自分の場合は「早起き」がセンターピン、ついで「瞑想」と「運動」が2、3番ピンであるような気がします。

今月に入ってから、とある分野で一般的に1000時間が必要とされる勉強に取り組み始めたのですが、今のところは何の苦もなく朝晩に分けて3時間ほど取り

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「なぜ車輪動物はいないのか」から考えるドローンの未来

「なぜ車輪動物はいないのか」

この問いは「ゾウの時間、ネズミの時間」という名著の3章で表題として使われています。

ASIMOくんをはじめ、ロボットは生き物を模した形をしていることが多いのですが、物理的に効率よくエネルギーを発揮しようとすればむしろ、生き物に“似てしまう“という必然性を孕んでいるようです。

そう考えると生き物からヒントを得ることなく、ピュアに発明された車輪が私たちの移動手段のス

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習慣化には向き不向きがあるのか

偏執的な性質を持つアスペルガー症候群のような方は、「これをしないと気が済まない」というような何らかの強いこだわりを持つわけですが、それが本人の利益に貢献しているかどうかはさておき、これもれっきとした習慣なわけです。

となると、習慣を身につけることができるかどうかはかなりの割合、先天性の問題になるのではないかと踏みたくもなります。
実際、几帳面さの度合いは多少の波はあれど、人生を通じておおむね一貫

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「これまでの分が損した気になりポイントカードを作らない」のは何故か

2018年のM-1グランプリでかまいたちが披露したポイントカードのネタは「店員さんにポイントカードを作るか尋ねられるが、これまで同じ機会を何度も断っているから今更作りにくい」ことを起点とし、展開していく素晴らしいものでした。
面白さは言うまでもないことですが実際、この気持ちは非常に共感できるものです。

行動心理学が好きな人であれば、「あぁ、これは典型的な一貫性の原理ね。」と合点がいくわけですが、

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