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#とは
置き手紙(死と孤独)
「長く『死』は恐れられ、忌み嫌われてきた。そうでなければ生きられない。それは必要なことだろう。(一般的に当然のことだ)だが、私たちは学問に携わる者。死とも向き合い、見つめる者だ。『孤独』も然り。恐れる先へ進まねばならない。君はどうだ? 果たして覚悟はあるのかね?」
「答えが出ました」
教授?
顔を上げた時、既に教授の姿はなかった。
夢か……。結論は夢の中で導かれたものだった。
テーブルの
ソーシャルディスタンス定食
「いらっしゃいませ」
客は私一人だった。
「はい、お待たせしました」
目の前にご飯の入った茶碗が置かれた。
味噌汁は隣のテーブル、魚の皿はあちらのテーブル、酢の物は向こう、サラダは前のテーブル、煮物はあちらの方……。それぞれの物が別のテーブルに置かれている。
久しぶりに訪れたお店は、徹底したソーシャルディスタンス・ランチになっていた。私が食べる間は、みんな私だけのテーブルだ。
味噌汁
2000年問題(永遠)
「みなさんに言わなければならないことがあります」
そういう始まりはだいたいよくない話だ。
「2000年先の未来、今ここにいる人たちは誰もいません」
やっぱりそれはあまりに恐ろしい話だった。
「どこにいないの?」
「どこへ行くの?」
質問している方にも明らかな動揺がみえた。
「わかりません。でも……
私たち以外の何かがここにいるでしょう」
「本当ですか?」
「わかりません」
わからない