ロボモフ

短歌や詩や小説を書いている現代人です。悪気はありません。 作品に含まれる宇宙人及び人間等は架空の存在です。はじめまして。

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    • 【小小説】ナノノベル

      短いお話はいかがでしょうか

    • 【夢のミッション】

      みた夢の小説。他に、夢にまつわる話を少し。

    • 【歌集】揚げ豆腐

      クジラうえ リクエストした 水族館 マダイが歌う スローバラード

    • 短い話、短い歌

    • 【詩集】忘れ物がかり

      忘れた頃に詩を書いています

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    【創作note】ショートカット「(物書き的)傷ついた時マニュアル」

     深く傷ついた時、酷く傷つけられた時、落ち込むあまりに何も手につかなくなるということがある。何をするにもすっかりモチベーションが下がってしまい、何もできない時間が続くことがある。コンビニに行ったり、洗濯をしたり、ご飯を食べたり、歌を歌ったり、noteをつけたり、何かを創作したり、そんなささやかな行動にも蓋がされて、苦しい時間を過ごさなければならない。そんな経験は普通に生きていれば誰にでもあるだろう。多くの場合、時が解決してくれる。長い時間がかかることもある。できることなら、そ

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      • 帽子の男

        「帽子のツバが好きでね」  シャッターの下りた店先で男は言った。 「ツバのない帽子ってのもあるんですかね?」 「ツバは影を作り出す。俯いて見れば子猫をお菓子を恐竜を昆虫を復讐を昨日を夏を……。光の加減と自分の立ち位置次第で作り出せない影はない」  それはイマジンだと男は言った。 「ツバはサインを作り出す。触れたり離したり。また、その触れ方。触れる回数。他に触れる場所との組み合わせによって、高度なサインを作り出すことができる」  それは送信だと男は言った。 「ツバは涙や感

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        • 普通の味

           部屋にいると先生が何をしているのかとたずねてきた。僕はタオルの用意やお菓子の整理をしているのだと答えた。切符はまだ買っていなかった。切符などいつでも買えるからだ。 「今行け!」  先生は今すぐ切符を買いに行くように言った。窓口に行くと半分明かりが消えて閉まりかけていた。自販機はまだ大丈夫だ。切符を買おうとしたがどれを買えばいいかわからなかった。 「みんなは何を?」 「博多でしたよ」  窓の向こうの女は答えた。券売機に戻って博多を押すと43000円だった。 (うそだ

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          • レインボー・ゴール

             胸についたバッジ(俺の主治医)が黄色から激しい点滅に変わり、そのペースは徐々に速さを増していた。ついにこの日がきたか……。色が赤になった瞬間、俺の引退が確定する。ピッチ袖では交代の準備が進められていた。あの番号は。(やっぱり俺か……)  遠のいていく意識の中で、俺はバイタリティ・エリアに入っていく。新しいサイドバックから最後の贈り物。トラップはできない。精一杯に伸ばした足の先が微かにボールに触れて押し出した。その瞬間、ちょうど飛び出して来たキーパーの股を抜けた。(間に合う

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          • 将棋の時間
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            魔法の壷

            「ぶん殴ってやりたい」  私はT氏への不満を漏らさずぶちまけました。 「ことある毎に嫌みばかり言ってくるのです。しかも私にだけ目の敵のように言ってきます。他の人に対しては善人顔でどうやらいい人で通っていうようです。それが余計に腹立たしい。顔を見るのも嫌になってきて何かの拍子にかーっとなって殺してしまうかもしれません」 「それはよくないですね。そういう不可解な人というのは、どこに行ってもいるものです。遅かれ早かれそういう人は消えていきます。あなたが直接手を下せば、新たな悲し

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            ありがとう

            あたたたた 理路整然と 肩を突く 父ちゃんこれぞ 敬いのツボ (折句「ありがとう」短歌) ・ 雨の強がり 竜の壁画 学者のコント 当落線上の角砂糖 うそつきの標語 ゴマフアザラシの前座 ザーザー降りの語らい 鰯のメロドラマ 魔術師のクリスマス 雀の時間

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            成り上がり(アピール・トレイン)

             目立ちたい。突き進みたい。掲げたい。酔いしれたい。魅せたい。教えたい。考えながら走りたい。飢えを秘めてピッチサイドを駆けた。俺はアピール列車だ。発車時間はまだ知らされていない。仲間は劣勢だと風が歌うのを聞いた。きっと必要とされる時がくる。  読解力、走力、俯瞰力、突破力、シュート力、奪取力、推進力、応用力、語学力、包容力、馬力。種々のスペックを身につけて往来する俺の光を、どうか目にとめてくれ。 「ナンバー14!」  65分。俺はピッチに送り込まれた。  ついに本領を発揮す

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            ゲリラ役員会の分解

            「急に1000万カットなんて生活が成り立たんよ」 「そうだ!そうだ!」 「ビール1杯いくらすると思ってんだ!」 「ビールなんて飲まなくていい」 「そうだ。ワインにしなさい!」  役員会は荒れに荒れた。 「ワインの方が高いだろうが」 「それはものによるんじゃないの?」 「そうだ!そうだ!」 「パチスロ1日いくらになると思ってんだ?」 「ギャンブルじゃないか。いくらでも足りませんよ」 「1000万も突然すぎるでしょう!」 「そうだ!そうだ!」  役員会は

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            ワン・オペレーター

             女たちが煙草に火をつけて、煙を吐き出すのが見えたが、僕は全く煙たくはなかった。パーテーションは肘に接触してキーボードを打つ時の妨げになりそうだったが、むしろ身を預ける拠り所のような存在でもあった。盾でもあり拠り所でもある仕切りは2つの意味を持って、その場所の価値を高めていたのだ。(煙が)すぐ近くに見えていながら自分にまるで及ぶことがないというあり様は、テレビでホラー映画を見ている時のようだった。  番号を呼ばれてカウンターに戻ると既に次の客が注文を通すところだった。トレイの

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            夏はまだ終わっていない

            夏が終わったなんてうそだ フェスはまで弦を弾いてもいない 花火はまだ打ち上がってもいない かき氷はまだ固まってもいない お化けはまだ顔もみせていない 盆踊りはまだ振り付けてもいない 海はまだ満ちてもいない 証拠はいっぱいそろってる だから夏はまだ終わっていないんだ! 「終わりましたよ。あなたが詩を書いている間に」 「うそだ! 詩なんて一日で書ける」 「いいえ。あなたは躊躇っていた」 「すぐにでも書けるんだ」 「いいえ。あなたは夢ばかりみてた」 「こ

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            豆腐と国際スパイ

             ファミレスのテーブルはみんなつながっていて、どこかの宴会場のようだった。単品の注文センスについて姉がやたらとダメ出ししてくるのが疎ましい。理屈で抵抗することをあきらめて感情を露わにすると、気まずい空気が周囲にまで感染してしまった。姉は消えて、路上に母と二人になっていた。 「何食べたい?」 「豆腐」  豆腐か……。僕は新幹線の時間が気になっていた。母や今日家に帰らなければならないのだ。ネットで豆腐を検索すると、出てくるのは不思議とポン酢の製造業ばかりだった。  こうなったら

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            空回りチェーン

            「最大で半額!」 (ただで美味しい思いはできないものだ)  まずは規約に目を通して申し込み用紙に記入。会員カードを作成する。それから厨房に入ると皿洗いを手伝った。社訓を暗記してマネージャーに納得してもらう。厨房の清掃が終わるとバックヤードに入って投資ビジネスについて学んだ。猫店長に挨拶を済ませてようやく本題の寿司と向き合うことができた。客になるのも楽ではない。少しつまんだくらいでは話にならない。 「一定の条件を満たしていただく必要はございます」  100貫を食べて注文

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            ドラキュラの果て

             昔は噛みついて自身の分身を増やすことができた。私はドラキュラ時代を振り返って鳴いた。今では吹けば飛ばされるようなちっぽけな存在に成り下がってしまった。もはや骨も筋肉も唇さえも失った。愛を叫ぶこともできないけれど、人恋しさが消えない。私は忘れた頃に現れることを習性とした。  風に乗って道を渡り、微かな人の温もりを関知して侵入を試みた。部屋の壁にしがみついて、甘美な一瞬を夢に見た。それは遙かなる過去の風景か、あるいは次の瞬間のことかもしれない。明かりのない家の中に、人の息づかい

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            思いきやカレー屋さん

             思いきやカレー屋にメニューは1つかしない。 「カレーください」 「あいよー!」  威勢のいい店主の声が返ってくる。  出てきたのは本だった。 (読みなさい)  不本意ながら運命を受け入れて読み進める。フィクションか。お気楽で気まぐれな荒唐無稽。読んでいる内にあくびが出て筋書きを見失い、気づくと真っ暗になっていた。   チャカチャンチャンチャン♪  看板にメニューは1つだけ。ワンコインのカレーだ。 「カレーください」 「あいよー!」  威勢のいい店は気持ちがいい。  出てき

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            魔女の配送手配

             昔々、あるところにお腹を空かせて動けない少女がいました。いざという時のために備えた缶詰もレトルト食品もなく、冷蔵庫の中はすっかり空っぽでした。あまりにお腹が空きすぎていたために、自分で外に出かけて食料を手にすることもできません。顔を洗うほどの元気もなければ、靴下を履く力さえ出ないのでした。 (私の人生はここでおしまいか……)  少女が絶望しかけた時、天井から魔女が降ってきました。魔女は少女のスマートフォーンを手にすると、不思議なアプリをインストールして、まもなくごちそうが届

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            純粋なものたち

             アリクイがオオアリクイに道を譲るのをアリクイさがしはじっと見届けていた。戻りライオンがくるにしてはゆとりキツネが涼しい顔でいるのはうそつきザルの言うことだからに違いない。雨まち虫の子を哀れみ交じりの目でみていた犬待たせのお腹は少し大きかった。笑い杉につながれた悟り牛の背にはようなし鴉がくっついている。 「海まで行ってもアリクイさがしはいなかったよ」  アリシラズがぼやいていたのはまだ夏のはじまりだ。  箪笥預金を食いつぶした犯人を巡って虫々の鼻息でカーテンは揺らいでいた

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