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雨を見たかい

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あいしてる

あいしてる

これ以上
やさしい言葉が
あるかしら

あいしてる
地球に落ちる
雨の音

静かに降る雨の音がとても好きです。

染み入るあまりに、ついつい言葉を探してしまいます。

でも。

うんうん考えてもダメで。

どんな言葉がいいのかな?

ふんわりと思っていると、ひょっこり空から落ちてきます。

キラリと光るソレを受け取る瞬間。

逃さないように。忘れないように。

子どもみたいにドキドキする。

ちょ

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八重咲きのドクダミとの再会

八重咲きのドクダミとの再会

いつものように
夕食のため
商店街へ買い物に出かけた。

いつもの道を曲がり
並ぶ店先の様子など見ながら
この道が気に入っているな
と見渡しゆっくりと
歩いて行くと
ふと
八重咲きのドクダミを
見つけた。

とても久しぶりに再会した。

雨上がりに
八重咲きのドクダミたちは
活き活きとしていた。

何と美しいのだろう。

この花を始めて目にしたのは
井の頭線駒場東大前にある
東京大学駒場構内の敷地

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4月6日(火)雨の日、恵文社。

4月6日(火)雨の日、恵文社。

雨の日は無性に泣きたくなる。
それは悲しいとか虚しいとかそういう冷たくて孤独なものではない。

「帰りたい」と思う。
わたしはいま下宿先、つまりは自分の家にいるから帰っているし、実家に帰るとはまた違う。実家にいるときだって雨の日はそう思う。

帰りたい。
一体どこに帰りたいんだろう。



恵文社さんに行った。
いつもInstagramで本はチェックしているのだけれど、行くたびに目的の本を探し回

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scene

scene

雨が降ったあとの街はまるで
レモン水をこぼしたように
爽やかで清浄な空気を纏って 
春の気温の変化に伴う身体の誤作動さえも
愛おしいと感じる瞬間 
春の眠りは深くて心地良くて 
ふわふわのベッドから
神様がわたしを抱いて
空の上へと連れていってくれるような
そんな感覚 
軽い耳鳴りと
眠気にいたずらされても 
今日も遠くで光る
青いサインが何時も
「いつも」を知らせてくれるから 
この一瞬が儚いも

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愛情は傘の大きさ

<○:編集点、1秒間以上間を空ける>

私 :雨が降ると、私は憂鬱だ。
湿気で髪の毛がくるくるになってしまうし、
ズボンの裾が濡れてしまって具合が悪い。

何より、、、
傘を使わないといけなくなる。

私の傘は、特別製だ。
子供4人くらいは楽々と入れるくらい大きくて、
軽くて丈夫な金属と、
ライオンが噛みついても破れない合成布で作られている。

そして、見た目がとてもいかつい。

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さくら

桜が散った。ひらひらと静かに落ちていく桜の一つ一つに命が宿っていて、そこから華々しい光が放たれていた。
「眩しくない?」
「眩しい」
「地球の生物はどうしてこう眩しいんだ」
「さあ。でもここでなら面白い経験ができるんじゃない?」
「そうかもな。お前がやるなら私もやろう」
「じゃあせ~ので」
大気に飛び込んだ彼らも、眩しい花びらになる。

あなたの心を聞かせて。
わたしの心が見えないから。
お互いの

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詩: 春の雨

詩: 春の雨

春の雨おもく
祖母のたましいは
白いはなたば
向こうからやってくる風と
こちらからゆく者が
おなじ橋をわたってゆく

わたしのように
死をしんじないものは
いまわのとき何を伝えたらいいか
わからない
こどもの口を借りて
はじめて
さいごのことばがみつかる
 ひいおばあちゃん
 またあおうね
 いろいろとありがとう
こどもと言えた
いろいろの中に
わたしたちに願ってくれた幸せと
祖母と母から
わたし

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雨

好きか嫌いかで言えば、わりと好きだ。
雨が降り始めた直後の土の匂いや、雨音。

あ、でも、流石に暴風雨はご勘弁。

さて、
雨の夜は光が美しい。

今日の1枚

出先での雨。綺麗だなと思って慌てて撮った。
流石にリフレクションまでは狙えなかったけど
雨に濡れた路面、光の反射が好きだ。

これは桜の木。雨が降ると散るのが早くなってしまうのだが、雨に濡れた花も美しくて好きだ。

再掲になるが、雨の夜の

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春雨

細く透明な麺が、春の静かな雨筋を連想させるから「春雨」。
なんて粋な名前だろうか。会社の通用口にて、閉じた傘を片手に夕闇の雨を眺めながら考える。

僕は雨は嫌いじゃない。特に春の雨は。
ふいに、このまま外に飛び出したい衝動に駆られてしまう。

煙(けぶ)るようにやわらかく包み込む雨。
身体のカーブに沿って弾ける、しなやかな跳ね返りが目に浮かぶ。

「雨に唄えば」のシーンなんて最高だ。

でも、今ど

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ある日のかえりみち

ある日のかえりみち

今にも雨の降り出しそうな空だった。

まだ遊びたいという娘をなだめ、足早に神社の公園をでる。すぐにさしかかる急な坂道を、娘がきゃっきゃっと駆けおりていく。ああ、こけそう。反射的にうごいた足で、あぶなっかしい背中を追いかける。ムートンブーツのボコボコという音が、静かな住宅街の路地に響いた。

「とまってちょうだい!」
わたしが言うと、娘はめずらしく素直にとまった。

はずむ呼吸をととのえながら、ふた

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