佑里

揺れる夢の狭間に落ちてゆく詩

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揺れる夢の狭間に落ちてゆく詩

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    • 空の箱庭

      暗い病室の中でひとり死んだ筈の貴方の声を聴く この世界の外は危険でわたしは此処から出ることはできない 貴方の声を辿って 霞んで見えなくなる視界を繋ぎ合わせて 光を創り出して見せて もう感じなくなった想い出の中に確かに私は生きている こもった熱がぐらぐらと私の身体を燃やして 窓の外からは私を殺すための矢が飛んでくる 私は死んだ筈のその日の夜を暗闇に重ねた 悲しい声は聴こえない 其処には無感情の月と重力のハーモニーが映って 海は見えない 空の向こうに遠い記憶の中の海が未だ見える

      • 彗星

        静かな海に浮かんでいる初夏の月 浸透した雨の色に揺れている影 サイダーの透明が音を拡散して 麦わら帽子が空に浮かんだら 宇宙まで飛んでいきそうになる 地面が私を引き離さない限り 私はこの水平線に瞳を溶かして 彗星の青の中 曇りがかった夜空にひとときの 煌めきを見つけていたいから 夜空の果てまで君の光を乗せて

        • 🔗

          あれから何年も経って 夏の匂いに誘われ また記憶を呼び戻している あの時の私はもう此処には居ないのに 胸の奥の方で疼いている霊の囁きが 私の記憶を塗り替えている 夕暮れの公園のベンチの上に 忘れていた悲しみと 昇華された筈の私の暗い夢がいま混じり合ってまた 黒い雲が辺りを覆い始めた 囁き声が大きくなって、世界が聴こえなくなる 私には何も感知できない 私は作り変えることはできない 暗い夢を引き摺りながら ただ広い世界へと解き放たれることを望んでいる 昔と何も変わっていない

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        執筆の仕事をください

          貴方の過去と私の過去はいつも異なる地点から 定点観測さえできない暗がりの闇深く落ちた場所から 唱えている 私が口ずさむ訳が遠い過去に在るとしたら 見つけた私は月に引き返す過程で 揺らいでいるつれないモーヴのアイシャドウに溶かす夢の続きを見ている

          貴方の過去と私の過去はいつも異なる地点から 定点観測さえできない暗がりの闇深く落ちた場所から 唱えている 私が口ずさむ訳が遠い過去に在るとしたら 見つけた私は月に引き返す過程で 揺らいでいるつれないモーヴのアイシャドウに溶かす夢の続きを見ている

          機械化される世界の裏側で終末から遡って空の色を塗り替えてゆく 虚な眼の中にはわたしがいて貴方が居る 応答している貴方の信号は弱々しくて 今にもわたしの中で消えてしまいそう 運命論なんてもう聞かないでいて 冷たく光る青い空の反対側に 貴方の世界の終わりがあるのなら わたしは赤く揺れるこの空から貴方の糸を手繰るわ 朱色のピアスが霊の囁きを受信する 「この世界には本当は何もなくて 混ざり合えるのがわたしと貴方だけなら」 混乱する街の灯は 2℃に光って揺れている 今夜「さような

          8月 夢と現実の狭間で貴方の記憶を視たよ 白くてふわふわのベッドから起き上がって、 窓の外に広がるのは透明な青の世界 鳥達がさえずり柔らかい風が貴方の頬を撫でたら きっと貴方は安心してもう一度深く眠れるわ 大きな月があの日も夜空に浮かび上がって 貴方は新しい期待を胸に明日の音を聴いた 貴方の願いは私を胸に抱くことね 貴方の愛した数式を子守唄に変えて聴かせてほしいし 絵本をめくるように一緒に遊びたい 一つ一つ小さな手でなぞってその大きな愛を捉えたい 白くてふわふわとした私

          無限

          言葉を遣うごとに 言葉の限界の先にあるものへと近づいてゆく 振り子のように揺れ続ける意識の中 自分はもう其処に居ないのだと気付いた 音の中に溶けている過去から未来の記憶 5℃に光る 表現し難い意識の先の言葉は見つからなくて それこそがわたしの宙だと 彼がわたしに云った 8℃に揺れる華 小さく光っていたあの空の隙間に 貴方の声が吸い込まれてゆく

          おねがい

          世界が狂っていく過程で私は彼の夢を見詰めている 屹度二人どん底まで堕ちても互いを認めて離さない 天上で約束をした呪文の言葉を想い出して そうすれば終えた後海の中でまた会えるから 揺れる世界の上で私は貴方を赦す 白い光が私の髪に纏わりついて 私の中で花が咲くたび 過去の面影が其処に溢れていく 悲しみの色が私を汚して もう戻れない位に溢れ出して苦しいような けれどもっとコントロールして私の色に重ねて 罪の中で私の願望を訊いて そうして揺らしていてずっと 暗がりで見つけた光の中

          暗がりで見つけた光の中に過去の夢が在って 過去の夢の中幻覚と幻聴の狭間で揺れる、見えない扉の中の得体の知れない黒い影は私を追う 夜に照らされた桜の木の側で彼の名前を呼ぶ 今は知らない二人 雛壇が嗤う深夜3時の病院で私の声を聴いて一番初めに巻き戻してお願い

          暗がりで見つけた光の中に過去の夢が在って 過去の夢の中幻覚と幻聴の狭間で揺れる、見えない扉の中の得体の知れない黒い影は私を追う 夜に照らされた桜の木の側で彼の名前を呼ぶ 今は知らない二人 雛壇が嗤う深夜3時の病院で私の声を聴いて一番初めに巻き戻してお願い

          the ghost

          もうすぐわたしたち永遠のお別れね 肩くらいの髪に纏ったきらきらした粒子 髪が揺れてふわりふわりと身体が数センチ浮いてゆく 白昼夢の中に溶けていく  水面に沈んでゆくあなたの暗号 理論に基づいて想像して 大きな月の中吸い込まれてゆく想いは 愚かなわたしの淡く儚い願い 完璧だと言われたあの数式の中にも あの巨大組織の悪意が含まれていて 貴方に赤い花を手向けて嗤う悪魔たちが居るでしょう 脅威は天使のふりをしていつでも隣に居るのよ もう油断しては飲み込まれてしまうから 貴

          the ghost

          天機

          雨滴の音を聴く 竜胆の花が見る夢の合間と 仄暗く染まった窓辺の街 狂気に翻弄された儘、街路を歩いて居る テールランプの残像が私の眼を破壊する ラジオから流れる知らない歌に共鳴して 彼方に膨らんで消えていく黒い雲 郵便物が幾つにも重なり合って光を遮る 貴方からの来信は見当たらない侭 遠くに見える月の光が目映い 私の犯した罪を清めてくれるかと期待為る 昨日から消えない鈍痛は私の生命を唯々削ってゆく 排気口から黒黒しい怨霊が覘いて居る 目を瞑ると其処には無数の霊の顔が浮か

          世界はふたつに分かれ其々正と逆の間を縫ってあたらしい世界を創ろうとしている 此処はユートピアにもディストピアにもなれないただ一つの詰まらない世界だ

          世界はふたつに分かれ其々正と逆の間を縫ってあたらしい世界を創ろうとしている 此処はユートピアにもディストピアにもなれないただ一つの詰まらない世界だ

          夢現の中初めて見た太陽の光が教えたあなたの記憶と多面体の浮かぶ空に遠感を飛ばして夢の続きを現世に映す

          夢現の中初めて見た太陽の光が教えたあなたの記憶と多面体の浮かぶ空に遠感を飛ばして夢の続きを現世に映す

          春の幻覚はわたしを違う世界へ連れていく

          春の幻覚はわたしを違う世界へ連れていく

          残夢の中聴こえる神託は桜の散る頃強い風が見せたひと時の映画のような空想の中に消える

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