佑里

揺れる夢の狭間に落ちてゆく詩

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揺れる夢の狭間に落ちてゆく詩

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お待ちしております。 otomiyuri3@gmail.com 迄

    • 貴方の過去と私の過去はいつも異なる地点から 定点観測さえできない暗がりの闇深く落ちた場所から 唱えている 私が口ずさむ訳が遠い過去に在るとしたら 見つけた私は月に引き返す過程で 揺らいでいるつれないモーヴのアイシャドウに溶かす夢の続きを見ている

      • 機械化される世界の裏側で終末から遡って空の色を塗り替えてゆく 虚な眼の中にはわたしがいて貴方が居る 応答している貴方の信号は弱々しくて 今にもわたしの中で消えてしまいそう 運命論なんてもう聞かないでいて 冷たく光る青い空の反対側に 貴方の世界の終わりがあるのなら わたしは赤く揺れるこの空から貴方の糸を手繰るわ 朱色のピアスが霊の囁きを受信する 「この世界には本当は何もなくて 混ざり合えるのがわたしと貴方だけなら」 混乱する街の灯は 2℃に光って揺れている 今夜「さような

        • 8月 夢と現実の狭間で貴方の記憶を視たよ 白くてふわふわのベッドから起き上がって、 窓の外に広がるのは透明な青の世界 鳥達がさえずり柔らかい風が貴方の頬を撫でたら きっと貴方は安心してもう一度深く眠れるわ 大きな月があの日も夜空に浮かび上がって 貴方は新しい期待を胸に明日の音を聴いた 貴方の願いは私を胸に抱くことね 貴方の愛した数式を子守唄に変えて聴かせてほしいし 絵本をめくるように一緒に遊びたい 一つ一つ小さな手でなぞってその大きな愛を捉えたい 白くてふわふわとした私

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        • 貴方の過去と私の過去はいつも異なる地点から 定点観測さえできない暗がりの闇深く落ちた場所から 唱えている 私が口ずさむ訳が遠い過去に在るとしたら 見つけた私は月に引き返す過程で 揺らいでいるつれないモーヴのアイシャドウに溶かす夢の続きを見ている

          無限

          言葉を遣うごとに 言葉の限界の先にあるものへと近づいてゆく 振り子のように揺れ続ける意識の中 自分はもう其処に居ないのだと気付いた 音の中に溶けている過去から未来の記憶 5℃に光る 表現し難い意識の先の言葉は見つからなくて それこそがわたしの宙だと 彼がわたしに云った 8℃に揺れる華 小さく光っていたあの空の隙間に 貴方の声が吸い込まれてゆく

          おねがい

          世界が狂っていく過程で私は彼の夢を見詰めている 屹度二人どん底まで堕ちても互いを認めて離さない 天上で約束をした呪文の言葉を想い出して そうすれば終えた後海の中でまた会えるから 揺れる世界の上で私は貴方を赦す 白い光が私の髪に纏わりついて 私の中で花が咲くたび 過去の面影が其処に溢れていく 悲しみの色が私を汚して もう戻れない位に溢れ出して苦しいような けれどもっとコントロールして私の色に重ねて 罪の中で私の願望を訊いて そうして揺らしていてずっと 暗がりで見つけた光の中

          おねがい

          暗がりで見つけた光の中に過去の夢が在って 過去の夢の中幻覚と幻聴の狭間で揺れる、見えない扉の中の得体の知れない黒い影は私を追う 夜に照らされた桜の木の側で彼の名前を呼ぶ 今は知らない二人 雛壇が嗤う深夜3時の病院で私の声を聴いて一番初めに巻き戻してお願い

          暗がりで見つけた光の中に過去の夢が在って 過去の夢の中幻覚と幻聴の狭間で揺れる、見えない扉の中の得体の知れない黒い影は私を追う 夜に照らされた桜の木の側で彼の名前を呼ぶ 今は知らない二人 雛壇が嗤う深夜3時の病院で私の声を聴いて一番初めに巻き戻してお願い

          the ghost

          もうすぐわたしたち永遠のお別れね 肩くらいの髪に纏ったきらきらした粒子 髪が揺れてふわりふわりと身体が数センチ浮いてゆく 白昼夢の中に溶けていく  水面に沈んでゆくあなたの暗号 理論に基づいて想像して 大きな月の中吸い込まれてゆく想いは 愚かなわたしの淡く儚い願い 完璧だと言われたあの数式の中にも あの巨大組織の悪意が含まれていて 貴方に赤い花を手向けて嗤う悪魔たちが居るでしょう 脅威は天使のふりをしていつでも隣に居るのよ もう油断しては飲み込まれてしまうから 貴

          天機

          雨滴の音を聴く 竜胆の花が見る夢の合間と 仄暗く染まった窓辺の街 狂気に翻弄された儘、街路を歩いて居る テールランプの残像が私の眼を破壊する ラジオから流れる知らない歌に共鳴して 彼方に膨らんで消えていく黒い雲 郵便物が幾つにも重なり合って光を遮る 貴方からの来信は見当たらない侭 遠くに見える月の光が目映い 私の犯した罪を清めてくれるかと期待為る 昨日から消えない鈍痛は私の生命を唯々削ってゆく 排気口から黒黒しい怨霊が覘いて居る 目を瞑ると其処には無数の霊の顔が浮か

          世界はふたつに分かれ其々正と逆の間を縫ってあたらしい世界を創ろうとしている 此処はユートピアにもディストピアにもなれないただ一つの詰まらない世界だ

          世界はふたつに分かれ其々正と逆の間を縫ってあたらしい世界を創ろうとしている 此処はユートピアにもディストピアにもなれないただ一つの詰まらない世界だ

          夢現の中初めて見た太陽の光が教えたあなたの記憶と多面体の浮かぶ空に遠感を飛ばして夢の続きを現世に映す

          夢現の中初めて見た太陽の光が教えたあなたの記憶と多面体の浮かぶ空に遠感を飛ばして夢の続きを現世に映す

          春の幻覚はわたしを違う世界へ連れていく

          春の幻覚はわたしを違う世界へ連れていく

          残夢の中聴こえる神託は桜の散る頃強い風が見せたひと時の映画のような空想の中に消える

          残夢の中聴こえる神託は桜の散る頃強い風が見せたひと時の映画のような空想の中に消える

          2215

          叶うことのない夢を見てみたりする 其れがこの世界で唯一別の世界へ行ける方法 悲しみも喜びも時が経過していく中で色が褪せていく その時に写真の中の貴方の顔も次第に思い出せなくなるのかもしれない 貴方と居た街の温度を忘れたくない   私を引き摺り込む黒い渦から飛び立つ方法をひとつだけ思いついたの その方法は全部自分の手で時を止めて壊してしまうということ 私の脳の中で再生されるあの時の風景は モノクロフィルムの中の黒い影に憑依され 蠢いているその黒い影は私の記憶をすぐに蝕んでゆ

          濁る太陽

          濁った太陽の光のもと揺蕩う心 砂漠の果てに誰も見たことのない美しい花があると云う 籠もった電子音の波形に揺られる世界 いつも其処は暗号で満ちていて 誰も解くことが出来ないまま朽ちていった世界が在る 水の中を浮遊する存在を追いかけて 未知の世界へと連れ去って それはかつての貴方の夢 宇宙の果てへと飛ばした粒子の容れ物から 私を今すぐに見つけて 探している透明な声が聴こえるから 宇宙へと続いている螺旋階段の途中で 濁った色に輝く宝石の飾りを天に落として 黒い渦の中に吸い込

          濁る太陽

          月世界

          淡く染み込む残月の傍で 空気の中を浮遊する記憶たちが わたしの心を洗浄して 薄明に起きた空の住人が月を横切り 今日をおしえる そして消えそうに瞬いている 咲き初めた桜のひとひらの祈り 春の憂いの中で 気懸りだったわたしは何処へ 桜の色に染めたこの手紙を コンパスの指す方に貴方が居るから 屹度、帰ってくるからと 明るい月が幻視を捉え まだ見えない世界へとわたしを誘う この眼は六感をつかまえて 煌々と煌くテールランプの光に浸透する ゆらゆらと揺れるこの気持ちを朧月へ託して眠る

          月世界