髙橋 征志(たかはし せいじ)

上座部仏教徒を自認しています。 自分の心に浮かぶ思考や感情を、自分が読む、自分に読ませ…

髙橋 征志(たかはし せいじ)

上座部仏教徒を自認しています。 自分の心に浮かぶ思考や感情を、自分が読む、自分に読ませるために言語化して文章にしています。 マシュマロ:https://marshmallow-qa.com/narukami_thor

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大学職員を辞めて出家未遂をした話

 平成29年の3月に某大学職員を辞職しました。  辞職を決めたのは、辞職の約1年前でした。  その頃は大学から国立の青少年交流の家に出向して1年過ぎた頃で、初めての種…

「私」という現象

 「身体は借り物」という感覚がさらに発展したのか、今度は「『私』は現象だ」という感覚が生じることが出てきました。  ここでいう現象というのは、例えば発火現象など…

姉が実家に帰ってきたから私も帰って会った。
姉は今年で44になるけど私の目から見たらとても若くて綺麗に見える、という話をしたら「弟の欲目じゃろう笑」と笑われた。
あと姪っ子と甥っ子とめっちゃ遊んだ。
今日も一日遊ぶ予定。日頃肉体労働をしている体力が試される。

聞こうとする気になれない話し方をする人の話を聞こうとする努力

 タルイタケシさんの以下のnote記事を読んで深く考えさせられました。  記事の中では「意見を述べる時はその内容の正否だけでなく、意見の述べ方(伝え方)も非常に重要…

自分事として捉える、ということの内実

 先日、林業の仕事が空いていたので物流センターで荷運びのバイトをしていました。その物流センターでちょっと嫌だなぁと感じる方がいました。  その方はそのフロアの責…

困難を乗り越えるか、困難に負けるか

 うつ病などの心の病に関する知識も深く、心が弱っている人への対応も優れている方が、実は御自身がうつ病を患っていて睡眠障害になっているということを知って驚きました…

苦しみを生じる原因を無くすか、その原因から別のものを生じさせるか

 仏教では、人々が苦しむのは煩悩(何かを欲する心あるいは何かを拒絶する心)があるためであり、苦しみからの解放は煩悩を滅尽して涅槃に至る(悟りを開く)しかない、と…

結局大事になるのは呼吸かい

 数か月前に力仕事をする時に自分の肚に力が入っていないなぁと思うことがありました。それ以来、どうやったら肚に力が入るのかを自分なりに身体を観ながら作業をしていま…

土や石や水を「いのち」と捉える感覚

 先日の松葉舎の授業において、言葉の固有性とでも言うべき興味深い話題がありました。  ある言葉を誰かが発するとき、言葉自体は珍しいものでは無いのに「その人っぽさ…

心を省みること

 仏教の実践である瞑想についての文章でとても素敵な記事を読みましたのでシェアします。  記事を書かれたザリ(やまぐち)さんとは直接お会いしたことはありませんが、X…

矢野智徳 氏の覚悟と引責の態度

 旧グリーンピアせとうちにおける工事で、矢野智徳 氏の活動を目の当たりにし、「この人は命を削りながら動き続けている」と驚嘆しました。  今回の工事は3月25日から始…

「人生の税金」という考え方の危うさ及び前提となる考え

 先日の松葉舎の授業において、私は甲野善紀先生から聞いた「人生の税金」の話を受けて考えたことを話しました。  私の話を聞いた松葉舎のみなさんからの反応で、より「…

今私の目の前に広がっているものこそ私が学ぶべきもの

 大地の再生の工事にスタッフとして参加しました。  グリーンピアせとうちが菓子製造販売やリゾート事業を手がけるシャトレーゼホールディングスに売却され、新しくガト…

誰かにとっての希望になりたい

 やそらさんとスペースで話をして、様々な気づきがありました。様々な気づきの中の一つに「私は誰かの希望になりたいんだ」というものがありました。  やそらさんは御自…

「noteを毎日投稿したらアクセス数が上がって読んでもらいやすくなるから、毎日投稿する方が良い」的な記事を読んだので、天邪鬼な私は「よし。今後は毎日投稿は避けよう」と思いました。

親ガチャという思想と偶然性に開かれた人生と

 先日の松葉舎の授業では、人生における偶然性にどう向き合うか、というテーマの授業がありました。  まず、塾長の江本さんから「親ガチャ」という考え方についての解説…

大学職員を辞めて出家未遂をした話

大学職員を辞めて出家未遂をした話

 平成29年の3月に某大学職員を辞職しました。
 辞職を決めたのは、辞職の約1年前でした。

 その頃は大学から国立の青少年交流の家に出向して1年過ぎた頃で、初めての種類の仕事を慣れないながらもこなし、おおよそ一年が終わろうとしていた時でした。職場で一息ついた時にふと「ああ、もうすぐ1年が終わるなぁ」という思いが生じました。
 すると今度は「こうやって『ああ、1年が終わるなぁ』という思いをあと何十

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「私」という現象

「私」という現象

 「身体は借り物」という感覚がさらに発展したのか、今度は「『私』は現象だ」という感覚が生じることが出てきました。

 ここでいう現象というのは、例えば発火現象などと同じように自然現象という意味です。
 以前の記事で「私」というものを仮に「心」と呼びました。以前は「私」を身体を動かしている主体として想定しましたが、最近はその「主体としての心」というのも感覚的にそぐわなくなってきました。一番しっくりく

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姉が実家に帰ってきたから私も帰って会った。
姉は今年で44になるけど私の目から見たらとても若くて綺麗に見える、という話をしたら「弟の欲目じゃろう笑」と笑われた。
あと姪っ子と甥っ子とめっちゃ遊んだ。
今日も一日遊ぶ予定。日頃肉体労働をしている体力が試される。

聞こうとする気になれない話し方をする人の話を聞こうとする努力

聞こうとする気になれない話し方をする人の話を聞こうとする努力

 タルイタケシさんの以下のnote記事を読んで深く考えさせられました。

 記事の中では「意見を述べる時はその内容の正否だけでなく、意見の述べ方(伝え方)も非常に重要である」と述べられていました。
 記事では藤井聡さんの『人を動かす「正論」の伝え方』という著書を参考に、意見の組み立て方・述べ方を以下の7つの観点で述べられています。

①最初の「つかみ」を大事にする

②キャッチーなフレーズを立てる

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自分事として捉える、ということの内実

自分事として捉える、ということの内実

 先日、林業の仕事が空いていたので物流センターで荷運びのバイトをしていました。その物流センターでちょっと嫌だなぁと感じる方がいました。
 その方はそのフロアの責任者の方で、特定の人に辛く当たる人でした。バイトの私に対しては特に厳しい態度は取られないのですが、その物流センターに勤めているおそらく常勤と思われる人の内の一人にきつく当たっていました。
 叱責の理由も内容も、よく聞き取れないので分からなか

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困難を乗り越えるか、困難に負けるか

困難を乗り越えるか、困難に負けるか

 うつ病などの心の病に関する知識も深く、心が弱っている人への対応も優れている方が、実は御自身がうつ病を患っていて睡眠障害になっているということを知って驚きました。「あんなに心の病などに詳しい方でも心の病にかかるのか」と。
 ただ、少しして思い直しました。おそらく私の感想は的を外していて、順序が逆なのだ、と。「心の病に詳しいのに心の病にかかった」のではなく、「御自身が心の病にかかったから、心の病につ

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苦しみを生じる原因を無くすか、その原因から別のものを生じさせるか

苦しみを生じる原因を無くすか、その原因から別のものを生じさせるか

 仏教では、人々が苦しむのは煩悩(何かを欲する心あるいは何かを拒絶する心)があるためであり、苦しみからの解放は煩悩を滅尽して涅槃に至る(悟りを開く)しかない、と説かれます。
 私は単純な人間なので、仏教書や僧侶の方の説法でそう説かれているので「煩悩は無くすべきなんだ」と思っていましたが、最近、必ずしもそうでもないかもしれないと思い始めました。

 ひとまず、苦しみを生むのは煩悩である、という仏教の

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結局大事になるのは呼吸かい

結局大事になるのは呼吸かい

 数か月前に力仕事をする時に自分の肚に力が入っていないなぁと思うことがありました。それ以来、どうやったら肚に力が入るのかを自分なりに身体を観ながら作業をしていました。
 しばらくして気づいたのは、自分が力を入れようとしたときに腹筋を無駄に緊張させてしまっていることでした。
 感覚的なことになりますが、腹筋を緊張させてしまうことで肚の力が逃げ、肩が上がり、腕先にばかり力が入ってしまい、全身を協調させ

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土や石や水を「いのち」と捉える感覚

土や石や水を「いのち」と捉える感覚

 先日の松葉舎の授業において、言葉の固有性とでも言うべき興味深い話題がありました。
 ある言葉を誰かが発するとき、言葉自体は珍しいものでは無いのに「その人っぽさ」を感じる、それは何に起因するのか。ある塾生の方はそれを「その人の体験に起因するんじゃないか」と話されました。「体験」と言っても、「イベントに参加してみました」というような体験というより、その人の人生を方向付けるほどの強度を持った「体験」で

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心を省みること

心を省みること

 仏教の実践である瞑想についての文章でとても素敵な記事を読みましたのでシェアします。

 記事を書かれたザリ(やまぐち)さんとは直接お会いしたことはありませんが、Xやnoteにてその思索の一端を記されていて、それを常々拝読させていただいていたので、上褐の記事を読むことで伝わってくるものがありました。

 個人的な話ですが、私は最近、仕事やライフワークである環境改善やその他任されている要件が増えてき

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矢野智徳 氏の覚悟と引責の態度

矢野智徳 氏の覚悟と引責の態度

 旧グリーンピアせとうちにおける工事で、矢野智徳 氏の活動を目の当たりにし、「この人は命を削りながら動き続けている」と驚嘆しました。

 今回の工事は3月25日から始まり、矢野さんは26日の昼過ぎに現場に到着しました。矢野さんはこの現場に入る前は能登の被災地で環境改善活動をされており、その次に東京都で大規模な樹木の移植作業をこなし、その足で広島県呉市安浦町にある旧グリーンピアせとうちの現場に来られ

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「人生の税金」という考え方の危うさ及び前提となる考え

「人生の税金」という考え方の危うさ及び前提となる考え

 先日の松葉舎の授業において、私は甲野善紀先生から聞いた「人生の税金」の話を受けて考えたことを話しました。

 私の話を聞いた松葉舎のみなさんからの反応で、より「人生の税金」についての考えを深めることができたので言語化してみます。

 まず、私が人生の税金の話についての気づきを話した時、塾生の一人から一つの懸念が示されました。それは、私が自分の人生において苦しみを受けた時に「これは人生の税金だ」と

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今私の目の前に広がっているものこそ私が学ぶべきもの

今私の目の前に広がっているものこそ私が学ぶべきもの

 大地の再生の工事にスタッフとして参加しました。
 グリーンピアせとうちが菓子製造販売やリゾート事業を手がけるシャトレーゼホールディングスに売却され、新しくガトーキングダムとして経営されるにあたり、施設内の環境改善の工事を矢野智徳 氏率いる杜の学校に依頼し、杜の学校から私の所属している環境改善グループ「環境再生 いのちの杜 野土」に仕事の依頼が発注され、矢野氏の杜の学校と共に工事を行いました。

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誰かにとっての希望になりたい

誰かにとっての希望になりたい

 やそらさんとスペースで話をして、様々な気づきがありました。様々な気づきの中の一つに「私は誰かの希望になりたいんだ」というものがありました。

 やそらさんは御自身が精神福祉研究者であり、精神福祉支援者でもあり,
そして精神福祉ユーザーでもあります。
 やそらさんは御自身が精神福祉ユーザーとして何とか生き抜いてきた軌跡を「リカバリーストーリー」として語る機会があり、その時に話を聞いていた人から「希

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「noteを毎日投稿したらアクセス数が上がって読んでもらいやすくなるから、毎日投稿する方が良い」的な記事を読んだので、天邪鬼な私は「よし。今後は毎日投稿は避けよう」と思いました。

親ガチャという思想と偶然性に開かれた人生と

親ガチャという思想と偶然性に開かれた人生と

 先日の松葉舎の授業では、人生における偶然性にどう向き合うか、というテーマの授業がありました。

 まず、塾長の江本さんから「親ガチャ」という考え方についての解説がありました。
 親ガチャは2021年の新語・流行語大賞のトップ10に選ばれた言葉で以下のような意味として使われています。

 自分の両親は自分で決めることができないにもかかわらず、自分の人生に大きな影響を与えます。例えば、ある研究では、

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