見出し画像

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【約6,900文字、写真約60枚】
実体験を基に「青森県の4つの美術館を」「東京から一泊二日」「電車・バスで周った」「一人旅」について、具体的なルート、食べたものとともに、感想などを書きます。

結論から言うと、青森の主要美術館は素晴らしいものばかり!美術館メインで旅行を組む価値は十分にあります。なお、車を使わない場合、2日で5つの美術館は周り切れず、4つが限界でした。注意点は、青森は都内と違い、電車・バスの本数が非常に少ないため、事前にしっかり調べた上でルートを決めないと、計画が頓挫することです。かかった費用は計約5万円でした。


▶︎青森県美術館巡りのきっかけ

購入した缶バッヂ(550円)

土日を通して一人の時間ができたため、今まで気になっていた青森の美術館を巡ることにしました。当初は「金沢21世紀美術館」に行く予定でした。しかし、能登半島地震の影響で美術館の天井が破損、一部の展覧会が中止されたため、行き先を変更しました。

▶︎AOMORI GOKAN アートフェス 2024

一つ目の美術館もらえるガイドブック

青森県では「AOMORI GOKAN アートフェス2024」と題し、県内にある5つの美術館(青森公立大学国際芸術センター青森、青森県立美術館、十和田市現代美術館、弘前れんが倉庫美術館、八戸市新美術館)が連携し、4月13日から、各種展覧会・イベントを開催しています。

私は4月13日(土)、14日(日)に青森の美術館巡りを実施しました。「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」が4月13日から開始したことは、私にとって、偶然であり、ラッキーでした。

アートフェスのチケットは、3,700円です。webで購入し、QRコードを受け取ります。そのQRコードを最初の美術館で提示すると、ガイドブック(定価:1,300円)を受け取れます。

常設展などは、そのQRコードを見せることで、追加の支払いなく入場ができます。また、企画展を見る場合は、数百円の割引を受けられます。

「1,800円お得!」だが…

公式サイトには「1,800円お得!」とあります。ただし、ガイドブックの1,300円が「お得!」に含まれています。ガイドブックが欲しくない人にとっては、実質的には「500円お得!」です。私にとって「今回の旅でガイドブックがあって良かった〜!」という訳でもありませんでした。

●「1,800円お得!」の内訳
弘前れんが倉庫美術館:1,500円→無料
青森県立美術館:900円→無料
十和田市現代美術館:1,800円→無料
八戸市美術館:もともと無料
ガイドブック:1,300円→無料
合計:5,500円となり、1,800円お得。

なお、美術館の受付でQRコードの読み込みが悪く、すんなり読み込めた美術館は1つもありませんでした。中には、受付で10分以上待つこともありました。読み込み精度の改善と、読み込まなかった場合のスムーズな対応を実施すべきです。

▶︎旅の全体像

美術館を巡った順番

私は、以下の順番で4つの美術館を周りました。

1日目
1)弘前れんが倉庫美術館
2)青森県立美術館

2日目
3)十和田市現代美術館
4)八戸市美術館

なお、残念ながら青森公立大学国際芸術センター青森へは、行くことができませんでした(後述)。

▶︎0日目

✔️22時:東京駅

私は時間を有効に使うため、夜行バスで東京駅から弘前駅へ向かいました(東京駅22:20→弘前駅08:30、7,800円)。

バスに乗るまで「コメダ珈琲店 ダイワロイネットホテル東京京橋店」で軽食をとりました。21時半まで営業しているため大変助かります。

★3.3/コメダ珈琲店 ダイワロイネットホテル東京京橋店 (東京都/京橋駅) - ミニシロノワール (ドリンクセット) (¥1,040)

▶︎1日目

✔️8時半:弘前駅

早朝に弘前駅に到着

夜行バスで、弘前駅へ8時半に到着しました。弘前駅から弘前れんが倉庫美術館へは、歩いて約15分で到着します。弘前駅からバスでも行けますが、9時ごろからしかバスは運行していません。

✔️9時:朝食

弘前駅周辺では貴重なモーニング

弘前駅近くでモーニングを提供しているお店は1、2件しかありません。「PIZZERIA MIA」は朝8時から営業しています。なお、朝食にピザはありません。店内の壁に、栗原はるみや西野亮廣のサインが書かれていました。

★3.4/PIZZERIA MIA (青森県/中央弘前) - MORNING スコーンセット (¥650)
歩いて弘前れんが倉庫美術館へ向かう

✔️9時40分:弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館は9時からオープンしています。都内では9時からオープンしている美術館は稀なため、旅行者には大変ありがたいです。展覧会の所要時間は約1時間です。

展覧会を鑑賞後、弘前駅へ歩いて向かいます。

✔️11時半:弘前駅

弘前駅に戻ってきました

弘前駅から新青森駅へ電車で向かいます(590円)。注意が必要なこととして、電車が1時間に2本ほどしかない点です。先の電車の時刻を調べておかないと、時間ロスになってしまいます。

青森といえばりんご
青森といえばねぶた

✔️12時20分:新青森駅、ランチ

新青森駅から巡回バスで青森県立美術館へ向かいます。新青森駅の周辺に飲食店が全然ないため、必然的に駅併設の建物内で食べることになります。

新青森駅内の「魚っ喰いの田 新青森駅店」でランチをとりました。おいしいけれど、若干の割高感はありました。メニューには、2,000円や3,000円台の高額な丼もあったため、青森も物価は低くないんだな、と感じました。

★3.2/魚っ喰いの田 新青森駅店 (青森県/新青森駅) - 魚っ喰いの海鮮丼 (¥1,400)

新青森駅から青森県立美術館行きのバス(300円)は1時間に2本出ています(土日祝)。その時間も考慮して、ランチの時間を決めておくと良いです。

巡回バスのねぶたん号
時刻表①
時刻表②
行き先の表示があると安心

✔️13時10分:青森県立美術館

バス停から降りると、目の前に青森県立美術館があります。私は、企画展を見ずに常設展のみを鑑賞して、所要時間は2時間弱でした。

バスで新青森駅に向かいました(300円)。本来は、14:55発の青森駅行きのバスに乗れればベストでした(目の前でバスが発車してしまいました…)。

新青森駅(青森駅)行きのバス停
青森駅行きのバス時刻表
新青森駅行きのバス時刻表

✔️15時半:新青森駅

新青森駅から青森駅へは電車で7分190円の距離にもかかわらず、1時間に2本程度しか本数がない点は要注意です。

✔️16時:青森駅、その周辺

青森駅から青森公立大学国際芸術センター青森(以下、ACAC)に行く予定でした。しかし、結果的に行けず、この旅一番のがっかりポイントでした。

青森駅からACACへのバス(土日・午後発)は、13:39発、15:10発、15:29発、15:49発、17:10発、19:30発です(16時台がない!)。そのため、往復することを考えると、15:49発に乗らなければ、ACACに行けません

少なくとも1時間に1、2本はバスがあると想像していました。しかし、私の予想は外れ、ACACに行くことはできませんでした…。都内の感覚で考えると痛い目に合うなと改めて実感。地方に旅行する際は、予め公共交通機関の時間をしっかり調べないといけないと勉強になりました。

ACACの建築設計は安藤忠雄です。訪問した人の感想を見ると、とても感銘を受けたという声が散見されたため、期待していました。まぁ「美術館は一期一会」が私の信条なので、さっぱり諦めました。もし、次に青森に来る機会があった時の楽しみに取っておくようにします。

車を借りれば、2日間で青森県の5つの美術館を周ることは可能だと思います。しかし、電車・バスだけであれば、4つ美術館が限界かと思います。

四季のアーケード(画像引用
青森駅からACACへの時刻表

その後、気持ちを切り替えて、青森駅周辺をぶらぶら&地元の喫茶店を味わう予定に変更しました(結果、喫茶店は行けず…ツイてない)。

港には大きな客船が停泊中
青森市と函館市の提携20周年を記念した「赤い絲のモニュメント」
青森駅周辺では有名な「マロン
期待が高まる…!
「しばらくの間午後5時までの営業」に変更。
この時はすでに16時半。トホホ
気を取り直して、他の喫茶店を探す
(青森駅周辺は本当に人が少ない)
クレオパトラ
いい感じの喫茶店を発見!
定休日でないのに、すでに閉まっていた。
本来なら20時まで営業のはずなのに…、ツイてない
「アスリートスリム」「ビバ甲州屋」「すごく尖った革靴」…
ツッコミどころ満載

✔️16時40分:軽食

探し回った結果、いい感じのカフェを発見

食べログなどで探し回った結果、いい感じのカフェを発見。青森駅周辺のカフェ・喫茶店は17時には閉まる店が大半。地方への旅行では、電車・バスの本数が少ないことに加え、飲食店の閉店が早いことも勉強になりました。

quatre cafe 」は、雑貨屋と併設するカフェ。すごく狭い階段を上った奥にカフェがあります。通りすがりの人は気軽に入ろうとは思えない店でした。

しかし、このお店がすごく良かった!雑貨屋が経営するだけあって、店内の雰囲気が最高とても寛げる空間でした。この造りのまま恵比寿に出店したら、大人気店をずっとキープできそうです。アップルパイもドリンクも美味しかったです(値段はちょっと高め)。

★3.6/quatre cafe (青森県/青森駅) - アップルパイのアイス添え (¥800)、紅茶 (¥450)

カフェで約1時間、今後の旅の作戦を練ったり、読書をしました。その後、八戸駅に向かうために、青森駅に戻りました。

✔️18時:青森駅

青い森鉄道(2両編成)

八戸駅で宿泊を予定していたため、青森駅から八戸駅へ電車で向かいました。この電車も1時間にほぼ1本しかないため、乗り遅れると予定が大きく狂うことになります。

電車は1時間にほぼ1本しかない

乗車時間は約1時間半、価格は何と2,320円(見間違いかと思いました)!特急などの価格ではありません。1時間に約1本、2両編成でも車内は満席でなかったため、電車賃を高くしないと運営できないのでしょう。きっと青森は車社会なので、電車に乗る人はかなり少数派なんだろうな、と感じました。

✔️20時:八戸駅、夕食

八戸駅について夕食を探しました。食べログでクチコミ数が比較的多かった「いかめしや 烹鱗」へ行きました。ホテルメッツ八戸のビルに入っており、八戸駅から直結しています。

私は19時55分に入店しました。何とラストオーダーが20時!…ギリギリセーフでした。八戸駅周辺は、本当に何もありません。観光に来た人くらいしか駅を利用しないため、遅い時間までお店を営業する意味がないのでしょう。

青森旅行では、電車・バスの時間に加え、夕食をとるお店の営業時間まで事前に調べないといけないのは、中々ハードです。

★3.2/いかめしや 烹鱗 (青森県/八戸駅) - 八戸ラーメンといかめしセット (¥1,490)

✔️20時半:宿泊

東横INN八戸駅前

私は東横INN八戸駅前に宿泊しました(6,430円)。駅から歩いて約1分。大浴場はありません。寝る前に、翌日の作戦を練りました。十和田市現代美術館、八戸市美術館へのバスの時刻が難解のため、どのルートで周るか決めるのに約1時間かかりました…。

▶︎2日目

✔️7時:八戸駅、朝食

八戸駅の5番乗り場

東横INN 八戸駅前では、6時半から朝食をとることができます(無料)。朝食開始時間前から人が並ぶので、朝急いでいる場合は、5〜10分早めに行くと良いです。

★3.1/東横INN 八戸駅前 (青森県/八戸駅) - 朝食 (¥0)

その後、八戸駅の5番乗り場から7時にバスに乗車。約1時間後にバス停「官庁街通」で下車します(1,260円)。

八戸駅から十和田市美術館に向かう時刻表
バス停「官庁街通」で下車
(乗車時間:約1時間)

✔️8時:官庁街通

バス停「官庁街通」で降りた後、十和田現代美術館へは徒歩で約5分です。

バス停の目の前には、最近、ニュースで見たお店があってびっくり
十和田市地域交流センター(とわふる)
バス停から十和田市現代美術館まで徒歩で約5分

✔️8時:「まちなか常設展示」ほか

数多くのパブリックアート

美術館のオープンは9時のため、約1時間かけて「まちなか常設展示」「ストリートファニチャー」の写真を撮るなどして楽しみました。それらのアート作品は、場所がバラけていることに加え、数が多かったため、約1時間でも足りませんでした

✔️9時:十和田市現代美術館、軽食

十和田市現代美術館から八戸駅へは、11:29発のバスで戻る予定だったため、9時から約2時間半にわたり美術館を楽しみました。カフェで15分ほどの休憩を含め、ゆっくりアートを鑑賞した結果、予定時刻のバスに乗ることができました。

楽しもうと思えば、まだまだ時間がかかるほど大ボリュームだったことに加え、内容も示唆に富んでいたため、素晴らしい美術館で大満足でした。

カフェ&ショップ cube 」は、カフェの床自体がアートになっています。また、とんでもなく高い天井と、圧倒的に大きなガラスは、開放感が半端ないです。美術館に入館料を払わずとも、カフェは入ることができます。

圧倒的な開放感が味わえるカフェ
★3.4/カフェ&ショップ cube (青森県/十和田市) - 青森スペシャルスイーツ (¥730)、青森のアップルティー (¥410)

十和田市現代美術館から八戸駅へは約1時間です(1,330円)。

十和田市現代美術館から八戸駅行きのバス停
JRバスは1日2本のみ!

✔️12時20分:八戸駅

八戸駅

八戸駅に戻った後、八戸市美術館へ向かうために、バスを乗り換えます。八戸市美術館がある「中心街ターミナル」へ行くバスは、1時間に約4本出ているため、安心しました(青森旅行では珍しいケース)。バスの乗車時間は、約20分でした(320円)。

八戸駅の1番乗り場から乗車
八戸市美術館へは「中心街ターミナル」下車
1時間にバスが約4本あって安心

✔️12時40分:中心街ターミナル

中心街ターミナル付近の地図

バス停「中心街ターミナル」で降りた後、遅めのランチをとりました。気になったお店が、ちょうど八戸市美術館の近くにあってラッキーでした。「中心街ターミナル」から八戸市美術館へは徒歩で約5分です。

中心街付近の散策マップ

✔️13時:ランチ

八戸にあるけど店名は「おだわら」

八戸市美術館の近くにある「フルーツショップ&パーラー おだわら」で遅めのランチ。フルーツサンド(私の大好物)のランチセットが土日でも1,080円と大変リーズナブル。しかも、バッチリ美味しいです!八戸市美術館に来た際は、是非、立ち寄ることをおすすめします。

★3.5/フルーツショップ&パーラー おだわら (青森県/本八戸駅) - フルーツサンドランチ (¥1,080)

✔️14時:八戸市美術館

八戸市美術館の場所は、八戸市庁舎前にあるため、大変わかりやすいです。建物は「ジャイアントルーム」があるなど特徴的です。他の美術館と違い、収蔵作品はローカルなものが多いです。なお、美術館と言うより「おしゃれな公民館」に近いかもしれません。

この日は企画展を実施していなかったため、滞在時間は約30分でした。

✔️15時:中心街ターミナル

バス停「六日町」から八戸駅に向かいます

若干、周辺で時間を潰した後、中心街ターミナルのバス停「六日町」から八戸駅に向かいました。バスの乗車時間は、約20分でした(320円)。

✔️15時20分:八戸駅

NHK「ドキュメント72時間」でも見た蕪島

八戸駅から新幹線で渋谷駅に向かいました(約3時間、16,380円)。2日間お疲れ様でした!🥱

▶︎まとめ

ACACのみ行けなかった点が無念

いかがだったでしょうか?「青森県の主要美術館」「東京から一泊二日」「車を使わない」「一人旅」を実施した結果は以下でした。

1)青森の美術館は楽しい!
特に、十和田市現代美術館、青森県立美術館、弘前れんが倉庫美術館(良かった順)は、行って良かったと心から思えた美術館でした。これらの美術館を目的に青森旅行を計画しても損はありません。

2)美術館5つは巡れない
車を使わない場合、2日間で4つの美術館が限界でした。ルートを考慮すると、弘前れんが倉庫美術館、青森県立美術館、青森公立大学国際芸術センター青森のうち、どれか一つを断念する必要があると思います。青森の美術館を短期間で巡りたい場合は、レンタカーは必須です。

3)電車・バスの時間を入念に確認すべし
青森は車文化のため、電車・バスの本数が極めて少ないです(土日なら尚更)。車を使わずに周る場合は、美術館へのアクセス情報と、電車・バスの時刻表を事前にしっかり確認する必要があります。また、飲食店も夜の早い時間に閉まる点も要注意です。

4)主なかかった費用
交通費・宿泊費:37,350円
食費:8,050円
展覧会費用:3,700円
合計:約5万円

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

旅の準備

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

Thank you for your support!