Naho

noteはじめました / 月1以上で軽めの投稿を心がけます / 子どもの社会化を研究す…

Naho

noteはじめました / 月1以上で軽めの投稿を心がけます / 子どもの社会化を研究する東大大学院生

記事一覧

2024年上半期のおわり

今日ようやく梅雨入りが発表され、一日長雨で季節を感じましたが、 そうこうしている間に、今年もあと10日で折り返しです。 4月に新学期が始まってから、先輩と2人態勢…

Naho
2週間前
1

『鈴木先生』感想②

やっと書類を書き上げて提出できたので、本日は前回の投稿の続きを。 グレーゾーン 『鈴木先生』の作品でのテーマが、数々のグレーゾーンを論じているというのを後から聞…

Naho
1か月前
1

『鈴木先生』の感想

前回の投稿から4か月以上経っていました。。この間、本当に書き物や出張があり、ようやく一息ついたわけでもないのですが今日は気晴らしに。 『鈴木先生』(by 武富健治)…

Naho
1か月前
2

ジェンダー:変わる価値観、変えらない実践

ジェンダーの研究をしていると、めまぐるしい価値観の変化に直面する。 一昔前はこれが常識、世間の当たり前とされていたことが、 今ではすっかり時代遅れ、下手をすると…

Naho
6か月前
1

学校が子どもの不平等を再生産?!

そんなはずないですよね、子どもはみんな無償で学校に通えて。 家庭環境に差はあっても、学校で頑張れば誰だってチャンスはある! というのが日本社会の通説だそうです。…

Naho
9か月前
4

研究者の発表会:夏は学会ざんまい

9月もそろそろ終わり、やっと涼しくなりました。 この夏は、「学会」という、研究者たちが年に1回集まって、 今やっている研究の発表会をするイベントに参加してきました…

Naho
9か月前
2

オランダの大学サークルでは衣装着替えが男女一緒の部屋だった話

お久しぶりです。 大学院の新学期が始まり、研究計画や助成金を申請する書類がひと段落したと思ったらもう6月も半ばです。 今朝、このようなニュースを目にして、1年間留…

Naho
1年前
5

大学院博士課程に進学した4月

あっという間でした。2年間の大学院修士課程を終えて、この春から同じく東大の博士課程に進学しています。あと3年間は大学院生です。 特に生活は変わりませんが、学部生…

Naho
1年前
5

やる気の出ないときは、無計画のふりをする。

「絶対に失敗しない計画は何だと思う?無計画だ。」 (映画『パラサイト 半地下の家族』より) やる気の出ないときは、いつもこの言葉を思い出す。 これは、どうにもな…

Naho
1年前
5

「良妻賢母」の残り香

だいぶ春めいてきました。私も春休みという名の自習期間に入り、レポートからも解放され、久々に読みたいものに手を伸ばしています。 最近読んで「やっぱりすごいなぁ~」…

Naho
1年前
9

Babyへの贈り物とジェンダー:絵本の選び方

寒い日が続きますが、梅が咲き始めました。 年末からずっと修士論文を仕上げており、1月にやっと提出。 ほっと一息も、次はレポートに追われて、終わると2月でした。。。…

Naho
1年前
4

どうやって子どもを研究するか

ゼミ発表や論文の締切に追われていたら12月に突入していました。 前回の投稿がたくさん読んでもらえたようで、ありがたい限りです。ここで今回は、わたしが大学院で研究し…

Naho
1年前
29

「学校=教育の場」だけではないはず。

あっという間に10月も最終日。 10月から秋学期が始まり、来年1月上旬締切の修士論文も仕上げに向けてだんだん忙しくなってきました。 大学院修士課程の学生はこれを提出し…

Naho
1年前
64

研究者って、やっぱり男性が多い。

先週末まで3週末連続で学会に参加してきました。 学会とは何かというと、研究者が最新の/研究途中の成果を発表する会です。 テーマごとに、プログラムがあって、一人ずつ…

Naho
1年前
8

家庭が第一、のどこが問題なのか

多くの人にとっては共感できるであろう、「家庭が第一」「家庭が大切」 「家庭さえ安定していれば…」といった話。 最近、某カルトの話題で「家庭教育」という言葉もよく聞…

Naho
1年前
6

やさいの育て方をテレビで学ぶ

この夏はベランダで野菜を育てようと思って、色々と苗を買った。初心者なので、ミニトマトとナス、そしてバジルとパクチーを育てている。 そこで、とても参考になっている…

Naho
2年前
3
2024年上半期のおわり

2024年上半期のおわり

今日ようやく梅雨入りが発表され、一日長雨で季節を感じましたが、
そうこうしている間に、今年もあと10日で折り返しです。

4月に新学期が始まってから、先輩と2人態勢だった研究補助のアルバイトで、先輩が就職のために抜け、わたし1人態勢になる事態が2つのアルバイトで起こりました…。
単純に業務が2倍になったわけではないのですが、気軽に相談しながら作業をするというよりも、基本的に1人で進めることになり、

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『鈴木先生』感想②

『鈴木先生』感想②

やっと書類を書き上げて提出できたので、本日は前回の投稿の続きを。

グレーゾーン
『鈴木先生』の作品でのテーマが、数々のグレーゾーンを論じているというのを後から聞いて、なるほど!としっくりきました。
細かいエピソードを振り返ってみると、それはまた味わい深い話が詰め込んであって、改めて、『鈴木先生』、読後の余韻がすごいです。

「ふつうの生徒たち」についての描写。よくできて目立つ訳でもなく、悪目立ち

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『鈴木先生』の感想

『鈴木先生』の感想

前回の投稿から4か月以上経っていました。。この間、本当に書き物や出張があり、ようやく一息ついたわけでもないのですが今日は気晴らしに。

『鈴木先生』(by 武富健治)の漫画を紹介してもらって、この2か月でドラマ版も映画版も観るほどに珍しくハマってしまい、全部見終えたので感想を書いてみようかと。手元で書き始めたところ、大変長くなってしまったので、抜粋して主人公の鈴木先生についてだけ少し。
なぜ今回こ

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ジェンダー:変わる価値観、変えらない実践

ジェンダー:変わる価値観、変えらない実践

ジェンダーの研究をしていると、めまぐるしい価値観の変化に直面する。

一昔前はこれが常識、世間の当たり前とされていたことが、
今ではすっかり時代遅れ、下手をすると「セクハラ」なんて言われてやり玉に挙げられかねなかったりする。

例えば、親戚の若い人に気軽に恋人の有無を聞くこと、結婚についての話題を大っぴらにふること、今ではこれらは若い世代が眉を顰めることも多い。

さらには、結婚して、女性が名字を

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学校が子どもの不平等を再生産?!

学校が子どもの不平等を再生産?!

そんなはずないですよね、子どもはみんな無償で学校に通えて。
家庭環境に差はあっても、学校で頑張れば誰だってチャンスはある!

というのが日本社会の通説だそうです。たしかにそうかもしれません。
日本の教育社会学者といえばこの先生、苅谷剛彦著 『大衆教育社会のゆくえ』を読み直していましたが、やはりこの本はもっともっと広く読まれてほしい。新書で薄くて読みやすいです。
大衆教育社会のゆくえ -苅谷剛彦 著

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研究者の発表会:夏は学会ざんまい

研究者の発表会:夏は学会ざんまい

9月もそろそろ終わり、やっと涼しくなりました。
この夏は、「学会」という、研究者たちが年に1回集まって、
今やっている研究の発表会をするイベントに参加してきました。

研究分野ごとに学会はたくさんあり、遠くはアメリカまで、国内は東北と関西の大学へと、社会学のいくつかの学会に足を伸ばしてみました。

コロナ禍でここ数年はオンライン化していたので、対面学会に続けて参加したのは今年初!この夏は、結構スケ

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オランダの大学サークルでは衣装着替えが男女一緒の部屋だった話

オランダの大学サークルでは衣装着替えが男女一緒の部屋だった話

お久しぶりです。
大学院の新学期が始まり、研究計画や助成金を申請する書類がひと段落したと思ったらもう6月も半ばです。
今朝、このようなニュースを目にして、1年間留学していたオランダのことを思い出しました。

小学1年の6割、着替えが男女一緒 3年も2割 「体育の日は登校イヤ」児童から不満 兵庫・加古川(神戸新聞NEXT)
#Yahooニュース

https://news.yahoo.co.jp/

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大学院博士課程に進学した4月

大学院博士課程に進学した4月

あっという間でした。2年間の大学院修士課程を終えて、この春から同じく東大の博士課程に進学しています。あと3年間は大学院生です。

特に生活は変わりませんが、学部生向けの授業の手伝いをし始めたり、あと
は学科のイベント運営をやったりと、先輩っぽい仕事内容が増えました。日々の生活は、今学期は週1コマの授業を受け、1コマは授業手伝い(ティーチングアシスタント)、あとはゼミが週に3~4コマという感じです。

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やる気の出ないときは、無計画のふりをする。

やる気の出ないときは、無計画のふりをする。

「絶対に失敗しない計画は何だと思う?無計画だ。」
(映画『パラサイト 半地下の家族』より)

やる気の出ないときは、いつもこの言葉を思い出す。

これは、どうにもならない韓国社会の貧困から家族ともども抜け出せない父親が息子に語る冒頭のセリフなのだが、なぜか一番印象的で、たびたび思い出す。この父親は賢いとすら思う。たしかに、なにも計画しなければ、計画通りいかなかったからといって、がっかりすることも無

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「良妻賢母」の残り香

「良妻賢母」の残り香

だいぶ春めいてきました。私も春休みという名の自習期間に入り、レポートからも解放され、久々に読みたいものに手を伸ばしています。

最近読んで「やっぱりすごいなぁ~」と思ったのはこの名著、
小山静子著『良妻賢母という規範』(勁草書房,1991年)です。

正直とても古い話で堅そうなかんじしませんか?(失礼)

たしかに女性史の研究書ではありますが、最近よく炎上することの多い、「女性とは~」「母とは~」

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Babyへの贈り物とジェンダー:絵本の選び方

Babyへの贈り物とジェンダー:絵本の選び方

寒い日が続きますが、梅が咲き始めました。
年末からずっと修士論文を仕上げており、1月にやっと提出。
ほっと一息も、次はレポートに追われて、終わると2月でした。。。

さて、わりと最近、近しい友人に赤ちゃんが生まれたのでお祝いを贈る機会がありまして。

絵本がいい!というリクエストを貰ったので、書店の絵本売り場に何年かぶりに足を踏み入れました。自分が読んでいた定番のもの、まったく新しいもの、ぬいぐる

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どうやって子どもを研究するか

どうやって子どもを研究するか

ゼミ発表や論文の締切に追われていたら12月に突入していました。
前回の投稿がたくさん読んでもらえたようで、ありがたい限りです。ここで今回は、わたしが大学院で研究していることについて紹介したいと思います。

「子どもがいないのに、どうやって子どもの研究をするの?」
祖母から投げかけられた、ささやかな疑問。たしかに。自分の子どもがいないのに、どの子どもについて研究しているのでしょうか。

答えを一言で

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「学校=教育の場」だけではないはず。

「学校=教育の場」だけではないはず。

あっという間に10月も最終日。
10月から秋学期が始まり、来年1月上旬締切の修士論文も仕上げに向けてだんだん忙しくなってきました。
大学院修士課程の学生はこれを提出しないと卒業できないですし、修論の一章を切り出して、学術誌に載せる論文にしたりするので、気合が要ります。

それはさておき最近、コロナ関係のある研究会に参加させてもらっていて、その勉強の関係で読んだ本がちょっと興味深かったので紹介。

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研究者って、やっぱり男性が多い。

研究者って、やっぱり男性が多い。

先週末まで3週末連続で学会に参加してきました。
学会とは何かというと、研究者が最新の/研究途中の成果を発表する会です。
テーマごとに、プログラムがあって、一人ずつ前に出てプレゼンテーションしていくイメージです。おそらく。
というのも、コロナ禍を引きずって、3つのうち2つはオンライン開催でした。私も1つの学会では発表をしました。

やっぱり男性が多い!!これが一番の感想かもしれません。

社会学の学

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家庭が第一、のどこが問題なのか

家庭が第一、のどこが問題なのか

多くの人にとっては共感できるであろう、「家庭が第一」「家庭が大切」
「家庭さえ安定していれば…」といった話。
最近、某カルトの話題で「家庭教育」という言葉もよく聞くので、今日は家庭教育を研究している大学院生の身としても、ちょっと考えてみようと思う。

冒頭で、多くの人にとっては~と書いたが、おそらく、「家庭が大事」ということは実感レベルで共感できることではないかと思う。そういう人にとっては、何の問

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やさいの育て方をテレビで学ぶ

やさいの育て方をテレビで学ぶ

この夏はベランダで野菜を育てようと思って、色々と苗を買った。初心者なので、ミニトマトとナス、そしてバジルとパクチーを育てている。

そこで、とても参考になっているのが「趣味の園芸 やさいの時間」というNHKの番組で、育て方はもとより、まずどんなプランターに植えたらいいのかという点から教えてくれる。

毎週録画して番組を見ているのだが、学生による実験コーナーもあって面白い。例えば、地温を上昇させるた

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