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『鈴木先生』の感想

前回の投稿から4か月以上経っていました。。この間、本当に書き物や出張があり、ようやく一息ついたわけでもないのですが今日は気晴らしに。

『鈴木先生』(by 武富健治)の漫画を紹介してもらって、この2か月でドラマ版も映画版も観るほどに珍しくハマってしまい、全部見終えたので感想を書いてみようかと。手元で書き始めたところ、大変長くなってしまったので、抜粋して主人公の鈴木先生についてだけ少し。
なぜ今回こんなにハマったのだろう?と、せっかくなので考えてみた。

中学校教師、2-A担任としての鈴木先生
あらゆる可能性を深く考え、同僚と議論し、あるべき姿の先生を演じながら試行錯誤し、
最終的に自分の出した方向性でクラスの議論を導いて、生徒の学びを作っていく鈴木先生。
必ずしも生徒に進むべき方向を指示して強要するわけではないが、何かそこに、芯の強さを感じるものがある人柄だと思う。すごくいい。。。。。


さてふと考えてみると、私としても、割と思い悩んで色々検討するのに時間がかかるし、特に論文は締め切りギリギリまで文章に悩むし、焦らされるのは苦手でひとりで考えたい反面、
ゼミとかでは話を聞いてもらいたい、アドバイスももらいたい。けど、
結局自分の論文でどういう流れつくって論じるか、読み手に読後の思考の可能性をどのように開いておくかは自分で決めたい。(笑)
ある程度重要な意思決定は、選択肢を揃えて、じっくり悩みたい。
みたいな性格なので、鈴木先生と共感するものがあったのかもな、と。

特に文系研究者は特定の分野の一国一城の主のようなもの(同じテーマを研究している人がいないことが多い)なので、そこも学級王国、担任を受け持つ教師とは似ているかもしれない。

そしてそのような仕事の進め方が、「許されている」のである…いろいろと締め切りはあるが…

また社会学の場合、こういう実態があって、こんな考え方もできますよね!というのを論文で提示することができる(少なくとも私はそこに魅力を感じている)ので、様々な可能性を探る鈴木先生のアプローチに同じ香りを感じたという点もハマった理由かもしれない。


あと、きっと鈴木先生、教師のそういう仕事が好きで、そういう仕事の進め方も気に入っていて、多かれ少なかれ自分のアイデンティティもそこにあるんだよね、と思ったり。(教師は生徒のペースもあるので、もっと振り回されるのだろうが…)


鈴木先生と麻美さん
しかし、鈴木先生の仕事の話をいつも聞いている、彼女の麻美さんは、一度、私ってただの愚痴聞き役?といった言葉を鈴木先生に投げかけている。ちなみにすぐに前言撤回している。ここも両方の立場からすごく共感してしまった。
鈴木先生、きっと自分の仕事の話、つい喋りすぎちゃうんだろうな~ たしかに聞いてて面白そうではあるけど、匙加減はきっと大事だろうな~、とか。。。麻美さんの仕事の話もたまに聞いてあげているといいな、と思ったり笑
 
漫画版だと、鈴木先生がプライベートではタジタジ、「先生」感は抜け、麻美さんには「鈴木くん」と君付けされているが、その描かれ方のギャップも魅力だなぁと思う。この2人の展開についても、漫画版ではデートの2回目から鈴木先生がなかなかぶっこんでおり、それでも麻美さんと上手くやっているが、なるほどウマが合うとはこういうことを言うのだろうと、読んでいて羨ましくも思った。映画版ではほぼ触れられてなかったが、2人のその後も気になるところ…!


さて。今日は規定内ガチガチに書かなくてはならない研究計画書を仕上げているところなので、そろそろ戻らねば…!

映画の、グレーゾーンの話と、学校では問題にならない子どもたちの話もすごく面白いのですが、これはまたそのうち書いて整理してみたい。

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