Minako

30代後半、うお座。 現在、乳がん闘病中です。病気のこと、日常生活で感じたこと、家族と…

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30代後半、うお座。 現在、乳がん闘病中です。病気のこと、日常生活で感じたこと、家族との思い出を記録しています。

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    37歳で乳がんになった記録を綴っています。 2023年9月告知 右胸トリプルネガティブ、ステージⅡ

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拝啓 はじめて記事を読むあなたへ

自己紹介します年齢30代後半、うお座。 日本有数の田舎町の出身 夫、娘、私の両親の5人暮らし <外見> 童顔ゆえ年齢より若く見られます。 飲み屋で会った見知らぬオジ…

Minako
2週間前
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故郷と私

私の故郷はなかなかの田舎町である。 この田舎町は恐らく日本で一位か二位を争うほど知名度の低い県に属している。 スタバが最後から二番目に進出した県といえば、ご存じ…

Minako
2週間前
33

もうすぐ右乳房とお別れします

手術が近づいてきた手術の日にちが決まった。あと約2週間で手術を受けることになる。私の右乳房と腋窩リンパ節は全て摘出する予定となっている。 先日のMRI検査では、抗…

Minako
3週間前
25

術前最後の抗がん剤

本日、術前最後の抗がん剤を受けてくる。去年の秋から投与を始めて、記念すべき最後の投与。抗がん剤を始める前までは長い道のりだと思っていたけど、終わりが見えた今感じ…

Minako
1か月前
19

カミングアウトしたいけど、したくない

癌のカミングアウトって難しいという話。私は、自分が乳がんであることを周りにはほとんど言っていない。知っているのは、夫、娘、親、姉、友人2名のみ。 子供の幼稚園の…

Minako
1か月前
7

死に向き合うと見えるもの

文字通り死にそうだった今回の入院は辛かった。体調的に絶不調で、このまま死んでもおかしくないと本能的に感じた。 ぐぁんぐぁんと不吉なビートを刻む頭痛と、意味不明な…

Minako
3か月前
16

元気な私に戻れるだろうか

退院したけどまた入院 深夜、悪寒がして何度も目が覚めた。朝、体温を測ると37.4°だった。なんだか気持ち悪くて嘔吐と下痢もした。嫌な予感がしたのですぐに病院に電話し…

Minako
3か月前
6

私が眠れなかった意外な理由とは

物音で眠れない私の実家は築20年。木造の二階建て。一階には私の両親、二階には私と夫と娘の居住スペースがある。 実家に暮らし始めてから一年。最大の悩みは、夜の騒音…

Minako
3か月前
7

入院して新しい薬を投与した

抗がん剤EC療法1クール目 EC療法の1回目。いつものキートルーダに加えて、新たにエピルビシン+エンドキサンを投与した。重篤な副反応がないか確認するために、一泊二日の…

Minako
3か月前
6

近況と「無人島のふたり」の感想

まずは近況先日の胸のエコーでは、腫瘍がかなり小さくなったことが分かった。胸のシコリも、脇のシコリも。抗がん剤が良く効いている証拠。嬉しい! 無人島のふたりを読ん…

Minako
5か月前
11

ママの乳がん、子供にどうやって伝える?

子供にどうやって病気を伝える? うちには、4歳の娘がいる。がんが発覚してから、いつか子供に伝えねばと思っていたが、どうやって伝えたらよいか分からなかった。 スト…

Minako
5か月前
14

地味につらい3つの副作用

昨日、抗がん剤の6回目を投与した。これで12回のうちの半分が終わった。良く頑張った、自分! 以下は、今までの振り返り。 抗がん剤に酔っ払う私は、抗がん剤を投与され…

Minako
5か月前
14

がんの教え:せっかちな性格を改めよ

せっかちな私がんになる前の私はせっかちだった。いつも、仕事・育児・家事に追われていた。いかに効率的に手際よく日常の雑務を処理するかが、私の最重要事項だった。 …

Minako
6か月前
22

4日間で頭皮の半分の髪の毛を失った

なかなか記事がかけなかった。というのも、一週間に一回の投薬日がすぐに来るから。副作用が抜けて、身体が動けるようになった頃にまた投薬。全然、やりたいことができない…

Minako
6か月前
9

痛みと辛さで芽生えた当事者意識

告知されても当事者意識がなかった 入院中、私は手術も抗がん剤投与もどこか人ごとのようにこなしていた。例えるならば、私が主演の映画をもう一人の私が観客として観てい…

Minako
7か月前
9

入院&初めての抗がん剤投与

CVポートを埋め込む 3泊4日の入院で、CVポートと抗がん剤投与を行った。まず、CVポート。これは、抗がん剤を安全に入れるために、体内にポートと呼ばれる器具を入れる…

Minako
7か月前
7
拝啓 はじめて記事を読むあなたへ

拝啓 はじめて記事を読むあなたへ

自己紹介します年齢30代後半、うお座。
日本有数の田舎町の出身
夫、娘、私の両親の5人暮らし

<外見>
童顔ゆえ年齢より若く見られます。

飲み屋で会った見知らぬオジサンに「君は若い頃の阿木燿子に似ている」と言われ、握手を求められたことがあります。本当に似ているかは不明。

<性格>
人見知り、無口、内向的。

友人は多くないけど、情は人並みにあります。
一度仲良くなったら「桃太郎」の仲間の猿の

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故郷と私

故郷と私

私の故郷はなかなかの田舎町である。

この田舎町は恐らく日本で一位か二位を争うほど知名度の低い県に属している。

スタバが最後から二番目に進出した県といえば、ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。いや、知らないか。

話の都合上、仮名をA県B市としよう。

私は高校卒業後、故郷のA県B市から約400kmも離れたC県に進学した。

初めて会うクラスメイトたちにA県出身であることを告白すると、みな一瞬

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もうすぐ右乳房とお別れします

もうすぐ右乳房とお別れします

手術が近づいてきた手術の日にちが決まった。あと約2週間で手術を受けることになる。私の右乳房と腋窩リンパ節は全て摘出する予定となっている。

先日のMRI検査では、抗がん剤が奏功し腫瘍が大幅に縮小していることが分かった。でも、たとえMRIでほぼ消えたように見えても、細胞レベルで残っている可能性があると医者は言う。実際に取り除いた組織を検査してみなければ、どの程度がんが残っているかは分からないそうだ。

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術前最後の抗がん剤

術前最後の抗がん剤

本日、術前最後の抗がん剤を受けてくる。去年の秋から投与を始めて、記念すべき最後の投与。抗がん剤を始める前までは長い道のりだと思っていたけど、終わりが見えた今感じることは、始めれば終わるという、ごく当たり前の事実だ。

どんなに億劫な事でも、辛い事でも、やり始めたらいつかは終わる。これって、私のような治療中の人間にとっては、かなり心強いし、希望がわく言葉だ。抗がん剤の副作用で辛い時期もあったけど、い

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カミングアウトしたいけど、したくない

カミングアウトしたいけど、したくない

癌のカミングアウトって難しいという話。私は、自分が乳がんであることを周りにはほとんど言っていない。知っているのは、夫、娘、親、姉、友人2名のみ。

子供の幼稚園の先生やママ友も知らない。

交友関係がものすごく狭い世界で生きているので、今のところ何ら支障はなかった。

問題は、滅多に会わないけど、昔仲良くしていた友達。唯一、親友とも呼べる人。遠方に住んでいるため、たまにLINEで連絡とる程度なんだ

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死に向き合うと見えるもの

死に向き合うと見えるもの

文字通り死にそうだった今回の入院は辛かった。体調的に絶不調で、このまま死んでもおかしくないと本能的に感じた。

ぐぁんぐぁんと不吉なビートを刻む頭痛と、意味不明なタイミングで襲ってくる吐き気に、ただ横たわって耐えるだけの一日。

アリ地獄に足元を掬われて、もがけばもがくほど、ズブズブと奥に吸い込まれていくような恐怖と闘っていた。

とてつもなく辛くて、孤独で、生きた心地がしなかった。

実際、私の

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元気な私に戻れるだろうか

元気な私に戻れるだろうか

退院したけどまた入院

深夜、悪寒がして何度も目が覚めた。朝、体温を測ると37.4°だった。なんだか気持ち悪くて嘔吐と下痢もした。嫌な予感がしたのですぐに病院に電話した。

病院で血液検査をしたところ、白血球が200くらいしかなく、好中球は一桁台。先週からの抗がん剤の副作用で、免疫力が急速に落ちていた。ばい菌、細菌、なんでもウェルカム状態である。発熱性好中球減少症と診断され、即入院となった。

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私が眠れなかった意外な理由とは

私が眠れなかった意外な理由とは

物音で眠れない私の実家は築20年。木造の二階建て。一階には私の両親、二階には私と夫と娘の居住スペースがある。

実家に暮らし始めてから一年。最大の悩みは、夜の騒音問題だった。

夜になると、カサカサ、ゴトゴトと不穏な物音が天上から聞こえるのだ。明らかに何らかの動物が動いている様子。

害獣の気配と対策うるさくて夜中に目が覚めるし、気になって眠れない。だから害獣駆除サービスを利用して、屋根裏に獣が入

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入院して新しい薬を投与した

入院して新しい薬を投与した

抗がん剤EC療法1クール目
EC療法の1回目。いつものキートルーダに加えて、新たにエピルビシン+エンドキサンを投与した。重篤な副反応がないか確認するために、一泊二日の入院をすることになった。

エピルビシンは色が血液みたいに真っ赤な色をしていた。その異様な色にビビったけど、これはトマトジュースなんだと思い込むことにした。

新しい薬を身体に入れるときはドキドキする。投与時間は今までよりは短かかった

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近況と「無人島のふたり」の感想

近況と「無人島のふたり」の感想

まずは近況先日の胸のエコーでは、腫瘍がかなり小さくなったことが分かった。胸のシコリも、脇のシコリも。抗がん剤が良く効いている証拠。嬉しい!

無人島のふたりを読んで病院の待ち時間に山本文緒さんの「無人島でふたり」を読んだ。学生時代から山本さんの小説が好きでよく読んでいたし、好きな作家のひとりだ。

山本さんは2021年に膵臓がんで亡くなられた。この本は、彼女が膵臓がんのステージⅣで余命宣告を受けて

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ママの乳がん、子供にどうやって伝える?

ママの乳がん、子供にどうやって伝える?

子供にどうやって病気を伝える?

うちには、4歳の娘がいる。がんが発覚してから、いつか子供に伝えねばと思っていたが、どうやって伝えたらよいか分からなかった。

ストレートに「がん」という言葉を用いて説明したほうがいいのか、体に「カバトン」がいてね~、と子供が好きなプリキュアの悪役に例えて説明したほうがよいのか。はたまた、まったく何も言わないほうがいいのか。。

でも、これから私が入院して自宅にいな

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地味につらい3つの副作用

地味につらい3つの副作用

昨日、抗がん剤の6回目を投与した。これで12回のうちの半分が終わった。良く頑張った、自分!

以下は、今までの振り返り。

抗がん剤に酔っ払う私は、抗がん剤を投与されると、我慢できないくらいの眠気に襲われる。投与後数時間はフラフラして動けない。頭痛もする。

一連のことを看護師さんに相談したら、
「それは酔っ払っているんだよ。頭痛は二日酔いの症状だね」
とサラリと言われた。

衝撃的だった。

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がんの教え:せっかちな性格を改めよ

がんの教え:せっかちな性格を改めよ


せっかちな私がんになる前の私はせっかちだった。いつも、仕事・育児・家事に追われていた。いかに効率的に手際よく日常の雑務を処理するかが、私の最重要事項だった。

テレビはゆっくりと情報が流れるからイライラして見られなかった。料理はいかに短時間で人間が食べられるものを準備できるかしか念頭になかった。他人や家族に対しても厳しかった。マイペースでなかなか朝の支度をしたがらない娘をよく叱った。

人生の正

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4日間で頭皮の半分の髪の毛を失った

4日間で頭皮の半分の髪の毛を失った

なかなか記事がかけなかった。というのも、一週間に一回の投薬日がすぐに来るから。副作用が抜けて、身体が動けるようになった頃にまた投薬。全然、やりたいことができない。

脱毛しました

投薬してちょうど3週間くらいたったくらいから、脱毛が始まった。ごっそり抜けるとは聞いていたが、聞きしに勝る抜け具合だった。朝起きると、枕カバーに髪の毛ごっそり。櫛で髪をとくと、櫛に触れた部分がそのまま抜け落ちる。シャン

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痛みと辛さで芽生えた当事者意識

痛みと辛さで芽生えた当事者意識

告知されても当事者意識がなかった

入院中、私は手術も抗がん剤投与もどこか人ごとのようにこなしていた。例えるならば、私が主演の映画をもう一人の私が観客として観ているようだった。Minakoはがんの告知を受ける。まさに晴天の霹靂で、ショックを受ける。すぐ詳しい検査を受け、治療計画が立てられる。そして、抗がん剤治療を受ける。無事に病気を克服してハッピーエンド。エンドロールに流れる私の名前。ジ、エンド。

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入院&初めての抗がん剤投与

入院&初めての抗がん剤投与

CVポートを埋め込む

3泊4日の入院で、CVポートと抗がん剤投与を行った。まず、CVポート。これは、抗がん剤を安全に入れるために、体内にポートと呼ばれる器具を入れるのだ。抗がん剤を入れるときは、このポートに針を刺して、ここから薬を入れる。

前日にあまり眠れなかったのもあり、CVポートの手術当日はウトウトしていた。だから、あまり詳しくは覚えてない。ただ、麻酔注射と筋肉注射が痛かったのは覚えている

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