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#整体

古今のさらしについて

古今のさらしについて

 あっという間にもう6月ですね。蒸し蒸しとしんどい季節がやって来ました。

 古今整体室では骨盤部の安定のためにさらしの使用を推奨しており、少しずつでもその良さが見直されてお使いになる方が増えていけば良いなとの思いで、伝統的な製法で作られた和晒に草木染めを施したものを「古今のさらし」として、開院当初より制作・販売しております。

 化学繊維やゴムを使用した腹帯、コルセット類は特に夏場蒸れやすく肌荒

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上腕骨外側上顆炎(テニス肘)について

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)について

 手首を反らせたりする働きのある筋肉が上腕骨の外側上顆という部分(肘の外側の骨のでっぱり)に付着しています。

テニス等の運動をされる方や力仕事の方はこの筋肉の使い過ぎによって繰り返し外側上顆部にストレスが加わるため炎症が起こります。

また妊娠中から産後にかけて分泌されるホルモンの影響で肘や手首の関節が不安定になり、そこに家事や育児の負担が加わって発症するタイプの外側上顆炎もあります。

テニス

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関節のゆるみについて

関節のゆるみについて

 関節は骨と骨の繋ぎ目です。その繋ぎ目は関節包や靭帯などの組織で補強されているため、安定した静止状態を保ったり、適正な軌道で動かすことができるようになっています。

 関節包は関節部全体を覆う袋状になっているため、関節内部を関節滑液という水分で満たすことができます。この関節滑液によってスムーズな関節運動が可能となり、また運動や炎症によって生じた熱を素早く吸収することができます。

 靭帯は関節包が

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低気圧と関節痛

低気圧と関節痛

 梅雨時は大気圧が下がり身体が膨張傾向となります。また多湿のため発汗機能が低下し、身体がむくみやすくなったり排熱が上手く出来ないことで至るところに不調が出やすくなります。
 

 特に関節部は関節腔という袋状になっているため気圧の影響を受けやすく、外気圧が下がることで相対的に関節腔は膨張し関節面の密着性が低下します。関節面の密着性が低下すると関節運動時の摩擦係数が高まりスムーズな関節運動が出来なく

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筋力について

筋力について

 患者さんからよく「もっと筋力をつけた方が良いでしょうか?」という質問を受けます。非常に難しく考えさせられる質問です。
確かに筋力をつけた方が現状よりは疲れにくくなるでしょうし、いわゆる筋肉痛などの症状は出にくくなります。
 ただ筋力が高ければ良いのかというと勿論そんなこともありません。筋骨隆々な人が身体を傷めにくいという訳ではありませんし、華奢な人が不調を抱えやすいということもありません。結局は

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湿布薬について

湿布薬について

 筋肉や関節部に痛みがある時、湿布薬を貼るという方は多いのではないでしょうか。医療機関を受診するとロキソニンテープやモーラステープといった湿布薬を処方されることも多いですよね。

 湿布薬は一般に温湿布と冷湿布の2種類があります。患者さんからの質問で特に多いのが、この使い分けについてで、ギックリ腰など急に傷めてしまった時は温・冷どちらの湿布薬を貼ったら良いですかといったものです。

 結論から言う

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寝違えについて

寝違えについて

最近、首の寝違えの治療が立て続けにありました。1年を通して比較的よく目にする症例ではありますが、気圧が下がったり冷えたりしてくると起こりやすくなりますね。

首の寝違えはたいていが頸椎の椎間関節のいわゆる捻挫です。関節まわりの靭帯や関節包、筋肉などが損傷しています。軽微な損傷であっても痛みが強いことが多くなかなかやっかいなものです。

他の筋骨格系の問題と同様に普段から姿勢の悪い方に起こりやすいで

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枕とマットについて

枕とマットについて

 ここのところ寝違いなど頚部の不調を訴えられる方が多いので改めて。

 見出しの写真は直立位の骨模型です。身体の後面のラインと後頭部に隙間がありますね。枕というのはこの隙間を埋めるためのものです。立っている時と変わらない位置に頭頚部があれば良いわけです。

 恐らくその隙間よりも大きな、厚みのある枕をお使いの方が多いのではないでしょうか。

 高枕は寝違いなどを起こしやすくするだけでなく、睡眠時の

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温熱療法について

温熱療法について

炎症の起こっている部位(患部)は熱が貯留しています。そしてその熱により人体の構成物質であるタンパク質が変性します。
そのため急性・慢性に関わらず炎症の起こっている部位は、その熱を奪うために氷水で冷却する必要があるのです。

昔から慢性の症状(慢性炎症)に対しては温熱を加えた方が良いと考えられ、様々な温熱療法が施されてきました。
これは温熱刺激によって痛みを和らげたり、患部の血流を良くしようと考えた

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関節を締めることの意義、重要性

関節を締めることの意義、重要性

古今整体室の治療では関節を締めることを常に考えています。
一般に「関節の歪み」と表現されるものは、関節の緩みとねじれがその本態です。分かりやすく言うと「はまりが悪くなっている」状態です。
関節の噛み込みや癒着による不具合もありますが、頻度としては緩みによる不具合の方が圧倒的に多いです。

何故関節が緩んでくるかというと、関節にしっかりと荷重や圧力がかけられていないからです。
原因のほとんどは不良姿

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日々の養生 -熱と冷却について-

日々の養生 -熱と冷却について-

人間は恒温動物です。自ら熱を産生しています。 代謝や運動によって生み出された熱は最終的にどこへ行くでしょう? それは体外に排出されています。

人の体は大まかに分けると70%程度が水、あとはタンパク質と少量の無機塩類で構成されています。

何故水がそのほとんどを占めるかというと、水は温度変化が少なく体温を一定に保ちやすいからです。人間の体温は大体36.5℃±1です。低温域は25℃位でも生存は可能

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関節部の治療について

関節部の治療について

緩みや歪み、噛み込みにより正常な運動ができなくなっている関節に対して
古今整体室では関節整復処置を施し、状態と動きの改善を図ります。

この整復処置ですが、一般的な整体術では関節に対して引っ張りや捻り、衝撃力を加えることが多いのですが、これは正常な関節の可動域を超える動きを強制するもので関節部の破壊に繋がります。
ボキボキと音を鳴らす施術がありますが、あれはキャビテーションといって関節腔内の急激な

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ウォーキングについて



古今整体室では日々の養生として、また治療の一環として患者さんに歩行をお勧めしています。

歩行とは身体に律動的(リズミカル)に荷重をかけることです。

〈歩行の主な作用〉

①血液循環作用
全身の筋肉はそのほとんどが心臓に近い方が広がっていて(多頭)、遠い方が尖っています(単頭)。その形自体がポンプとしての機能を持っており歩行などの運動で筋肉が収縮すると静脈血を心臓に送り揚げる働きをしています

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症状に対する治療と原因に対する治療

症状に対する治療と原因に対する治療

膝関節痛を例として          

加齢に伴い悩まされる方が増えてくる膝の痛みですが、その多くは加齢が直接的な原因ではありません。
加齢が原因であるのなら、ある一定の年齢に達した方全てに痛みが出なくてはなりません。
しかし、年配の方でも膝に全く痛みがないという方もいらっしゃいます。一般的に長期間にわたって膝に体重などの負荷がかかることで膝の状態が悪くなると考えられていますが、これは誤りです。

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