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関節のゆるみについて

 関節は骨と骨の繋ぎ目です。その繋ぎ目は関節包や靭帯などの組織で補強されているため、安定した静止状態を保ったり、適正な軌道で動かすことができるようになっています。

 関節包は関節部全体を覆う袋状になっているため、関節内部を関節滑液という水分で満たすことができます。この関節滑液によってスムーズな関節運動が可能となり、また運動や炎症によって生じた熱を素早く吸収することができます。

 靭帯は関節包が分厚くなっている部分を言うこともありますし、関節包とは別に骨と骨を繋いでいるヒモ状の物もあります。

 立ったり、歩いたり、動かしたりする時間が短い、また普段から姿勢が悪い人は関節がゆるみがちになります。ゆるんでいるということは関節包や靭帯などが引き伸ばされている(=牽引状態)ということです。
 
 この状態で関節運動を繰り返すと関節包や靭帯などを傷めて、炎症を起こしやすくなります。こういった関節部の牽引状態や炎症反応が長期化•慢性化すると、関節包や靭帯などの変性(硬化、石灰沈着)、骨•軟骨の摩耗、変形に繋がっていきます。

 また関節のゆるみは通過する血管や神経の働きにも悪影響を及ぼします。一般的に物体は引っ張られると細くなる性質があります。例外もありますが、血管や神経などの柔らかく弾力性の高い物ほどその傾向が強くなります。引き伸ばされた血管や神経の管径は確実に狭まり、血流量の減少や神経伝達に障害を引き起こします。

 関節部が重要なのは可動する部位だということも勿論ですが、もう一つ「身体(体幹や四肢)の長さを変化させることができる」部位であるということです。

 繰り返しになりますが、姿勢不良や歩行、運動不足からくる持続的な関節のゆるみには注意が必要です。
 ぜひ「関節を締める」という意識を持って、姿勢を正し、立ち歩く時間を少しでも増やして頂ければと思います。

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