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ほっこりエッセイ読本

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エッセイって何なんでしょう?最近エッセイにほっこりさせられることが増えてきました。 たくさんのエッセイストの方々のエッセイの中から心に止まったことを、徒然に綴っていきます。
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記事一覧

30歳を過ぎた今、伝えたいこと 〜谷口彰悟

30歳を過ぎた今、伝えたいこと 〜谷口彰悟

 昨日、サッカーアジアカップ準々決勝が行われ、日本代表はイランに敗れてベスト8で終わりました。
 実力としては優勝が狙えると言われていましたが、なかなか中東勢の実力も上がっていたというところでしょうか。

 さて、日本代表選手の中で、谷口彰悟選手という方がエッセイを書かれています。
 私はサッカーについては、この前のW杯でドイツやスペインに勝った日本選手の活躍を見てからのにわかファンですが、今回の

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土地に根付くフィクション

土地に根付くフィクション

私が好きなNHKの番組に、タモリさんのブラタモリがあります。旅行気分で気楽に見られるし、それでいて、目から鱗な事柄を知ることができて、とても面白く、気分転換になります。
見たことのある方は分かると思いますが、こちらの番組は、タモリさんが日本の様々な土地を旅して歩き、その土地の歴史や風土を紹介する番組なのですが、特徴的なのは、昔の地形とかその地質の変化に着目する視点です。
タモリさんがとにかく地学に

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新しいシェアリングエコノミーとは?

新しいシェアリングエコノミーとは?

 先日仕事で総務省主催のシェアリングエコノミー(共有経済)についてのセミナーを受けました。それがとても面白かったので、書いておこうと思います。

 シェアリングエコノミーとは何かというと、空間や物を社会的にシェアしていく市場を指していて、具体的には近隣同士で車をシェアしたり、テレワークが進んで空いたスペースを社員以外の外部の第三者も含めてシェアしたり、居酒屋などが営業時間外の時間のお店のスペースを

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時間とは? 〜ミヒャエル・エンデ「モモ」より

時間とは? 〜ミヒャエル・エンデ「モモ」より

 秋の連続ドラマ「35歳の少女」というドラマは、小学生の時交通事故にあった少女がずっと昏睡状態となり、35歳になった時に目覚めるというお話で、心は小学生のまま、身体だけが35歳の状態の主人公が色々な人々との交流を通して、精神的に大人になっていくと同時に、主人公の周囲の人間も忘れていた純粋さなどを取り戻していくというストーリーです。

 さて、今回はこのドラマの中で、主人公が事故に遭う前に借りていた

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犬嫌いは見抜かれる?!

犬嫌いは見抜かれる?!

 夕方になると少し涼しくなってきた昨今ですが、それで気付いたことといえば、夕方に犬の散歩をする人が盛夏の頃より増えたことです。通勤時バス停でバスを待っていると、ポテポテと歩く犬と、その犬に歩調を合わせる飼い主をよく見かけます。犬は暑さに弱いので、夕方涼しいとはいえ、へばってしまってペタッと地面に腹ばいになって動かなくなり、それでも犬をなんとか立たせようとリードを引っ張る飼い主の姿などを見ると、微笑

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占い 〜2021年版

占い 〜2021年版

 2020年ももう8月となり、残すところ4ヶ月ですね。

 さて、早いもので、一部の雑誌やコンテンツでは2021年の運勢などを掲載し始めていますが、皆さんは占い、信じますか?
 女性は特に占いが好きな人が多いかとは思いますが、占いには十二星座占いや血液型占いなど、基本的には人を何種類かのカテゴリーに分割して、カテゴリーごとに共通する特徴を挙げて納得させた上で、未来についての記述に関しても信頼性を上

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もしもタイムマシーンがあったら

もしもタイムマシーンがあったら

 先日地上波で映画バックトゥーザフューチャーシリーズが放送されていました。もしもタイムマシーンがあったら、あなたは過去へ行きたいですか?それとも未来へ行きたいですか?

 過去へ行きたいと答える人たちの理由は、だいたい「もう一度やり直したいことがあるから」というものでしょう。過去を変えて、現在の自分の状況を変えたい。人間は、後悔の無いように生きようと思っても、全く後悔をしない人生など存在しないので

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ソーシャル・ディスタンスが人間関係に与える影響

ソーシャル・ディスタンスが人間関係に与える影響

 新しい生活様式、特にソーシャル・ディスタンスという言葉が叫ばれるようになってきましたが、このことで人間関係が希薄になってしまうのではないかということを指摘する方々も出てきました。

 先日作家の重松清さんが読売新聞への寄稿をされており、その中で新しい生活様式の中で小説が果たせる役割は何か、特にソーシャル・ディスタンスが必要とされる中で人間関係や家族関係の変化が生じていくにつれて、小説における人間

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過去の恥ずかしいエピソード 〜穂村弘

過去の恥ずかしいエピソード 〜穂村弘

 他人に知られたくない、過去のとびっきり恥ずかしいエピソード。どんな人にも絶対あると思います。

読売新聞にて連載中の穂村弘さんのエッセイ「蛸足ノート」にもこうしたテーマが取り上げられていました。

 穂村弘さんのとびっきり恥ずかしいエピソードは、小学生の頃、「時報」のアナウンスについて友達と会話した時のお話でした。

 今はほとんど利用する方はいなくなってしまったかもしれませんが、電話で「117

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食べ物を粗末にしてはいけない 〜「続余力ゼロでいきてます」女優 水野美紀

食べ物を粗末にしてはいけない 〜「続余力ゼロでいきてます」女優 水野美紀

 私は独身なのでわかりませんが、子育ては想像を絶する大変さだと聞きます。今回は、女優の水野美紀さんのAERAdot.で連載中の「続・余力ゼロでいきてます」というエッセイの中から、「“教育”に決して手を抜かない夫と一枚上手なちびの攻防に爆笑」の回を取り上げたいと思います。

 水野美紀さんは42歳で結婚されて現在2歳半の男の子の子育ての最中です。お子さんのことを「ちび」と書いておられ、ちび君の成長の

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旅に出たい 〜美術史家 金沢百枝

旅に出たい 〜美術史家 金沢百枝

 外出自粛期間中のGWを皆さんはどのように過ごされたでしょうか。

 通常でしたら海外、国内問わず、どこか旅行に行かれる方も多いかと思いますが、今年は旅行もままならず、こうなってくると逆に無性に旅に出たくなる今日この頃です。

 さて、今回は美術史家の金沢百枝さんの「旅に出たい」というエッセイを取り上げたいと思います。

 金沢さんの専門は、ロマネスク美術なので、イタリア、特に北イタリアの聖堂の彫

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エッセイを書く 〜村山由佳「命とられるわけじゃない」

エッセイを書く 〜村山由佳「命とられるわけじゃない」

 私は、普段フィクションを書いている方がエッセイを書く時、どのような心理で書いているのだろうと、前から興味がありました。

 というのも、エッセイは、少なからず自分自身の体験から感じたことを、自分らしい言葉や文章で他人に伝える側面があり、それはフィクションを創り出すこととはまた違う、リアルな自分自身をさらす作業になるからです。

 今回は、小説家である村山由佳さんが、ホーム社のWebエッセイ「命と

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人前で話すこと。

人前で話すこと。

 人前で話す時、緊張しない人なんているのでしょうか。もし、いたとしたら、どうか人前で話す際のコツを指南していただきたい。私もそう思っている一人です。

 前々回に棋士の斎藤慎太郎八段の「角換わり腰掛け銀研究」という本の中のコラムを取り上げましたが、今回はその中でまた別のテーマ「人前で話すこと」という内容について書きたいと思います。

 斎藤先生はタイトルも獲得されたことのある棋士でいらっしゃるので

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お籠り生活を楽しむアイデア

お籠り生活を楽しむアイデア

 外出自粛で家に籠もる生活が続いていますが、そんな生活を「ひとり遊び」の機会と捉えて、読者からお籠り生活を楽しむアイデアを募集した読売新聞オンライン4月12日の記事について、今回は書きたいと思います。

 色々とアイデアが紹介されていたのですが、まとめると①おうちカフェ、②どこでもカラオケ、③手芸などのものづくり、④植物育成、⑤おうちでダンス等の運動などのインドア派からのアイデアと、⑥散歩が挙げら

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