曖昧なブラック

9月18日。染め上げられた緑が静寂に圧倒されるのも束の間、それはまるで王蟲のように、一気に場面は赤くなる。叫べ。

 歌人・穂村弘は「共感(シンパシー)」と「驚異(ワンダー)」について度々言及するが、『短歌という爆弾――今すぐ歌人になりたいあなたのために』(小学館、2000)にはまさに「共感と驚異」という章でその両者の共振が生む短歌の魅力を解説している。ここでは共感と驚異の共振性が解説されているが

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鳥肌が(穂村弘)【読書メモ】

どんなときに鳥肌が立つか考えてみた。

夜の台所で黒光りした動くヤツを察知したとき

ムクドリが群がる木の近くを通らざるを得ないとき

さっきまでフレンドリーに話してたのに会議が始まった途端シリアス顔で反論カマされたとき

明らかにスベりそうな人が喋り始めたとき

笑顔のまま圧をかけられたとき

子役の演技が過剰気味なとき

きれいにハモられたとき

寒いとき

これでは著者のレベルに達することは

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深謝! 私もです。
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古典教員のインプット vol.11:導きの作法 〈2020.08.31〜09.06〉

進路指導担当の高校古典教員が、日々何をインプットしているか。

十二週目。備忘録的に。再読再聴も含みます。誰かの参考になったり、好きなコンテンツの宣伝になれば幸甚です。

Outlook:導きの作法

このOutlookはインプットの引用ではなく、それを元にした個人の要約です。
生徒に届ける「進路課通信」のコラム原案を兼ねています。
興味のない方は読み飛ばすか、目次欄から各紹介へどうぞ。

大学生

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夜もすがら 契りしことを忘れずは 恋ひむ涙の 色ぞゆかしき 藤原定子
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いい短歌を詠むコツ 穂村弘『はじめての短歌』

あぁこんなかたちで穂村弘さんの解説に出会うとは思わなかった。道端でビッグイシュー買ったら、平松洋子さんのインタビューに出会ってしまったくらいのうれしさ。

▼Takram Radio 9/3配信「『はじめての短歌』に学ぶ、数字と物語のバランス感覚」https://www.j-wave.co.jp/original/takram/ 

布団のなかで菓子パンぼろぼろさせる歌人の穂村弘さんをですよ、日本

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コープンカー(タイ語で、ありがとうらしいです)
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「短歌ください」に掲載されました

9月4日発売『ダ・ヴィンチ 10月号』P.70「短歌ください 穂村弘 テーマ:宅配便」に掲載されました。どうもありがとうございます。

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『あかにんじゃ』

あれは2007年の冬。
その年のスターバックスコーヒーの紙コップや紙袋が素晴らしかった。
木版画のようなタッチで、ホリディシーズンを楽しむ家族や恋人達が描かれているのですが、よくある題材でありながら、一枚ずつの絵の中に物語があるというか奥行きがあるというか。
私はすっかり魅せられて、その冬はいつもより頻繁にスタバに通いました。
サイズごとに違う紙コップの絵柄を確かめたくて、いつも頼まないサイズの飲

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ありがとうございます!
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文は人なり(もうおうちへかえりましょう/穂村弘)

歌人・穂村弘によるエッセイ集。描かれているのは冴えない日常ながら、そのユーモアたっぷりの文章に何度もクスリとさせられてしまった。ひとつのエッセイが4頁ほどで終わるため栞を挟みやすく、憂鬱な通勤電車で読むのにぴったりだと思う。
中でも私が深く共感した3つを紹介したい。

1. お互いを高めあう恋愛とは(「愛の暮らし」)

1980年代を通じて「お互いを高めあう恋愛」が広く布教された。その宣教師団の団

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