泥辺五郎

二児の父。 「首がもげたキリン」「小説を書きたかった猿」「悪童イエス」「音楽小説集」な…

泥辺五郎

二児の父。 「首がもげたキリン」「小説を書きたかった猿」「悪童イエス」「音楽小説集」などを記す。 現在メイン更新「音楽小説集」 http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=21721

マガジン

  • シロクマ文芸部参加作

    note内企画「シロクマ文芸部」参加記事のまとめです。

  • 「殺され屋」シリーズ

    殺し屋に毎回狙われる、人に恨まれることに無自覚な「殺され屋」が登場する一連のシリーズです。

  • 創作系

    書いた小説などのまとめ。

  • 怪獣詩集

    子どもがはまっている怪獣を題材にした詩集

  • 千人伝

    様々な人の評伝「千人伝」シリーズのまとめマガジン

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受賞系、読まれている系記事まとめ

2023年1/4追加 「小説を書くのをやめたいと思っている人のため」といったコンセプトで書こうと思っていた内容を、小説形式で書いた話。 ピリカさんからの依頼により「夕闇」をお題に書いた掌編小説。「たぐれ」ではなく「ゆうぐれ」と読む。夕方になるとグレる人の話。朗読もしていただきました。 言いたいことを言う娘を見て、言いたい事を言うべき時に言わなかった自分を思い出した話。 創作系より。冬ピリカグランプリ審査員賞受賞作。 受賞作が出来上がるまでの覚え書き。 本の感想より

    • 「詩の出てくる小説、詩を歌う人たち、そして詩の話」#シロクマ文芸部

       詩と暮らす、の書き出しから始まる小説に何度も駄目を出したので、最近読んだ本の中に出てきた詩の話など。 川又千秋「幻詩狩り」  アンドレ・ブルトンが中心になって起こした「シュルレアリスム運動」の最中に、フー・メイという、ある無名の詩人がいた。ブルトンに託されたその原稿を読むと、言葉で書かれたものであるのに、言葉以上の物を見せられてしまう。「鏡」という一編は、言葉で書かれておきながら、物体の鏡と同様の効果を読者に与える、というように。「時の黄金」と題された一編を読んだ者は、

      • 「怪獣詩集3 エンペラ星人」

        エンペラ星人は「ウルトラマンタロウ」の時代から 名前だけ登場する、怪獣軍団の黒幕である かつて若き日のウルトラの父と死闘を演じ 傷ついたウルトラの父をウルトラの母が介護した それが二人の馴れ初めであったという ウルトラの星から生まれた 唯一の悪のウルトラマンである ウルトラマンベリアルも エンペラ星人の持つ悪の魅力に惹かれたことが 闇落ちの原因だったとか 「ウルトラマンメビウス」で姿を現す彼は 全身黒ずくめの衣装で巨大な黒マントを羽織っている そんな巨悪の象徴のような彼は

        • 音のない宇宙の果てから音楽が #小牧幸助文学賞

          ブラックホールの奥からビートルズの歌声。

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          「殺され屋が殺し屋に殺されない方法を殺し屋に教えてもらう話」#シロクマ文芸部

          ※人に恨まれる自覚なく狙われる「殺され屋」シリーズ第四弾です。マガジンにまとめてみました。単体で読んでも問題ありません。  逃げる夢を見ていた。逃げ続ける夢を。無我夢中で足を動かしていた。しかし激痛とともに走れなくなり、目が覚めた。見知らぬ男が私を見下ろしてこちらに銃を向けていた。 「まず動けなくする」そう言って男はもう片方の足をサイレンサーつきの銃で撃った。音が静かであっても痛みは本物だ。逃げるために足を動かすことができなくなった。 「中には防弾チョッキをつけて寝ている用

          「殺され屋が殺し屋に殺されない方法を殺し屋に教えてもらう話」#シロクマ文芸部

          「怪獣詩集2 ゼルガノイド」

          ゼルガノイドは「ウルトラマンダイナ」49話に登場する 地球人の宇宙進出を妨害する球形知的生命体「スフィア」と 人造ウルトラマン「テラノイド」が同化してできた 超合成獣人とのことだ ウルトラマンに怪獣の皮膚が貼り付いたような造形で 背中には赤く開く口と六本の巨大な爪が生えている 我が家にはウルトラマンよりも先にゼルガノイドがやってきた 名前の半分が濁点である 息子はすぐに名前を覚えた 数ある怪獣たちの中で唯一 忘れられることなく呼ばれ続けている 私の現在使っている名前「ドロ

          「怪獣詩集2 ゼルガノイド」

          殺し屋に狙われ続ける「殺され屋」のルーツ

           最近シリーズ化した「殺され屋」が出てくる一連の作品がある。現在三作品。いぬいゆうたさんに気に入っていただき、朗読もしていただいている。  主人公の特徴として、人の気持ちが分かってないとか、地の文と会話文を混ぜて遊ぶとか、「人間じゃない」と言われがちとか、そういうのがある。実は彼にはルーツがある。新都社で連載中の、曲を題材にして書く掌編小説集の中の、GLAY「HOWEVER」を取り上げた回。  2021年の2月の作品。前職をまだ辞める予定もなかった頃。私とアルバイトの生意

          殺し屋に狙われ続ける「殺され屋」のルーツ

          「怪獣詩集1 ゼットン」

          誕生日プレゼントにはアークベリアルが欲しいと息子が言う アークベリアルとは 「カイザーベリアルがマレブランデスに貯蔵してあった大量のエメラル鉱石のエネルギーを吸収して凶暴化し、超巨大怪獣への変貌を遂げた姿」(Wikipediaより) とのことだが カイザーベリアルとは そもそもベリアルとは の話よりも前に まずはゼットンから始めよう 私の実家にゼットンがやってきたのは二十年くらい前のことだ 父が職場の飲み会の帰りにゲームセンターの景品で取ったものだという ソフビではなく硬い

          「怪獣詩集1 ゼットン」

          「誕生日を命日にしたい殺し屋との死闘」#シロクマ文芸部

           殺され屋シリーズ第三弾となります。前回二話はともにいぬいゆうたさんに朗読していただいております!  以下本文。  誕生日がきた。殺し屋もきた。  律儀にチャイムを鳴らして「殺し屋だが」と名乗った小柄の老人を部屋に通す。 「今電球を替えてるところなのでちょっと待ってていただけますか。お茶飲みます?」 「結構。水筒を持っておる」  しかしなかなか電球を替えられずにいた。もう少しで届きそうなところにあるから、背伸びでどうにかしようと思うのだけれど、かすかに電球に指先が触れても

          「誕生日を命日にしたい殺し屋との死闘」#シロクマ文芸部

          「怪獣『紅葉鳥』誕生秘話」#シロクマ文芸部

           紅葉鳥誕生秘話、なんて大げさなものはないですよ、それはね。私の怪獣造形デビュー作ではありますけど、元々のデザイナーが失踪して、監督の親戚の私に急遽依頼が回ってきただけで、ノーギャラでしたよ。そもそもが無茶な話でしてね。ウルトラマンに対抗して特撮番組を作るのは別にいいですよ。でもコンセプトが「等身大の人間の強さを表現する」でしたから、主人公は変身しない。「怪獣も地球の動物をモチーフにする」ですから、ウルトラマンに出てくる様々なデザインの怪獣に憧れていたデザイナーも失踪しますよ

          「怪獣『紅葉鳥』誕生秘話」#シロクマ文芸部

          「だがその後二度と飛べず」#小牧幸助文学賞

          ヘドロに飛び込んだ蝶だけが、生き延びた。

          「だがその後二度と飛べず」#小牧幸助文学賞

          ザ・ルースターズ配信開始!https://columbia.jp/roosters/

          ザ・ルースターズ配信開始!https://columbia.jp/roosters/

          千人伝(二百十一人目~二百十五人目)

          二百十一人目 スナップ スナップは、どこにでも映り込んだ。何気ない街並みを撮影すると、いつも片隅にスナップの姿があるのだった。ある時は柱そのものにスナップの顔があったり、米粒ほどのスナップが地面に落ちていたり、空に浮かぶ無数のうろこ雲の全てがスナップの顔であることもあった。 スナップの姿を写真の中以外で見ることはなかった。どこにでもいて、どこにもいなかった。 一時期、スナップの隣に、スナップと同じくらいの歳に見える人の顔が映り込むことがあった。時には寄り添い、抱き合い、

          千人伝(二百十一人目~二百十五人目)

          「珈琲と毒殺と殺し屋とハイレモンの思い出」#シロクマ文芸部

          「珈琲と紅茶か、それとも緑茶にしますか? ちなみにどれを選んでも毒を入れます」と女は言った。これからあなたを毒殺します、と言いながら、手には小型の拳銃を握って私に銃口を向けている。また私は殺し屋に狙われてしまっている。 参考:前回の殺し屋 ↑をいぬいゆうたさんに朗読していただきました! 「最近は水ばかり飲んでいる。身体にいいし、実は飲み物の味にあまり興味がないって気がついたんだ。さらに言うと食べ物についてもそうなんだ。たとえば高級アイスと安いアイスを食べ比べてみるとしよ

          「珈琲と毒殺と殺し屋とハイレモンの思い出」#シロクマ文芸部

          「D.O.D」#逆噴射小説大賞2023

          「酒だけ飲んで生きていけるって知ってるか? 必要な栄養を摂れていないからあちこちおかしくなるんだが、飲んで死ぬのと、飲まずに死ぬのと、どちらを選ぶかなんて考えるまでもないだろう?」 「ドリンク・オア・ダイ、飲むか死ぬか、て昔はよく言ったが、今は違う。ドリンク・オア・ドリンク。少し飲むか、多く飲むか。短い間飲むか、長時間飲み続けるか。『二日酔いを恐れるならば、三日三晩飲み続けなさい』と言った聖人もいる。流れる汗が酒臭くなったり、話す言葉が酒まみれの戯言ばかりになったり、何を見

          「D.O.D」#逆噴射小説大賞2023

          「一編の掌編小説が生まれるまでの編集会議」#シロクマ文芸部

          「りんご箱」閉館イベントとして始まったのは、プロの錚々たる面子などではなく、音楽活動を始めたばかりの、近隣の中高生たちだった。ライブハウス「りんご箱」はその名の通り、りんごを入れる木箱を模した外観をしており…… 「カット」と司会進行役の私が言った。 「その後の流れを要約してください」と別の私が言った。  私は簡単な起承転結メモを、会議室のホワイトボードに書き出した。 タイトル(仮):グッド・ヒューマンズ 登場人物:人間椅子のコピーバンドのメンバー、姉、弟、父。観客としての

          「一編の掌編小説が生まれるまでの編集会議」#シロクマ文芸部