ところで、愛ってなんですか? [第8回]
起きている時も、夢を見ているのかもしれない。ドラッグストアの光や交差点のクラクションにかき消されているだけで。
いつもは見えなくなっている昼間の夢。それが、あるきっかけで現実よりもはっきりと浮かび上がることがある。鍵を鍵穴に差しながら、郵便物をより分けながら、目の前のできごとが遠のいてゆき、別の世界が映し出される。
好きな人、ただその人のことを思ってしまうのだ。
思ってしまうんだから仕方がない。暑ければ汗をかくとか、走れば心臓が速く拍動するとか、そういうのと同じ。自分では止め