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【試し読み】瀬尾浩二郎『メタフィジカルデザイン —つくりながら哲学する—』「はじめに」
2024年9月20日より、哲学カルチャーマガジン『ニューQ』編集長の瀬尾浩二郎さん初の書籍『メタフィジカルデザイン —つくりながら哲学する—』を発売いたします。
刊行を記念して、本書の『はじめに』を無料公開いたします。
何かを「つくること」と「哲学すること」。はたして、この二つの間には、どのような関係があるのでしょうか。
また、その二つをつなぐ何かがあるとしたら、一体どのようなものなのか。もしく
夏休みに新しいことや勉強を始めたい人、必見! 左右社おすすめ語学書5タイトル
夏休みに新しいことを始めたい人、語学を勉強しようと思っている方、必見です! 左右社より、ぜひオススメしたい語学書を紹介。語学に限らず、勉強や新しいことを始めるモチベーションを上げてくれること間違いなしのタイトルを揃えました。
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英語を勉強したい人、必読! 新井リオ『英語日記BOY』
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ところで、愛ってなんですか? [第5回]
風が強い。季節が変わるのだろうか。
それとも、何も変わらないのだろうか。
〈BAR 愛について〉の看板に電源を入れる。四角い看板をひからせているのは、私じゃなくて電気だ。私ができることはコードを抜き差しすること。それだけ。
愛だってそう。私は愛の悩みに答えてはいるけれど、本当は愛について何か知っているわけじゃない。でも、いつか愛に傷ついたことがあるから、誰かの痛みの深さやかたちを想像することができ
【試し読み】ユリア・エブナー『ゴーイング・メインストリーム 過激主義が主流になる日』第2章「サブカルチャーの創生─インセルの潜入調査」
初めに逸脱したサブカルチャーがあった。
心臓が早鐘を打つ。ラップトップを閉じて慌ててクローゼットの奥に押し込んだ。靴下の後ろに隠したから、たぶんあと数時間は見なくてすむ。ツイッター〔現X〕で匿名の誰かがたったいま送ってよこした、わたしと墓地の写った不吉な写真のことなど忘れてしまおう。とくに珍しくもないことだから。反フェミニズムの台頭について公に話をしたあとに続々と届く脅迫メッセージの、いちばん
ところで、愛ってなんですか? [第4回]
日曜日は、空が明るくなり始めたらBARを開けることにしている。朝はいい。姿の見えない鳥が鳴いていたり、昨日の続きを酔っている人がいたりする。人と世界、人と人との距離が、少しだけ離れている感じ。魂もまた、躰からちょっと遠くに行ってしまっているみたいだ。そんなとき、猫も人間も伸びをする。遊離した魂を元の場所に詰め直すみたいな静かな作業だ。
薄いひかりが積もったカウンターを眺めていると、からんとベルを