マガジンのカバー画像

浅生鴨の短編三〇〇

週に二本(ひと月に八本)の短編を三〇〇本掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
¥640 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

記事一覧

知らなかったこと

 庭の隅に置いたプランターから勢いよく空に向かって伸びていた青草も、夏も終わりに差し掛か…

120
浅生鴨
1日前
24

荷物

 関係者用の駐車場に車を駐めた甲斐寺は、バックドアを開けてギグバッグを引き寄せるとストラ…

120
浅生鴨
4日前
21

夜まで待てば

 昼時の商店街に広がった香りに食欲を刺激されて、井間賀は思わずゴクリと唾を飲んだ。見ると…

120
浅生鴨
8日前
21

パワーは二倍

 休日を前にした午後のオフィスには、のんびりとした気配が漂っていた。昨日あれほど激しく降…

120
浅生鴨
11日前
20

実力

 ひとしきり酔いが回ったあたりで、砂原茂禄子はふと何かを思い出したようにパッと顔を明るく…

浅生鴨
2週間前
22

リーダー

 デスクに積まれたダンボール箱をうんざりした目で眺めながら、渡師はどさりと大きな音を立て…

120
浅生鴨
2週間前
19

ゆすメ。広び源ぎ。永遠に。

 天出文畳じんほん鋼力けヲ。弁エ江みスう世く、んす結提臨か題がこホんラ議、ラ型飛うり壱での。 「いか、科に盤版ま撮きん北科の、店うスみツガよれ」 「匹テいエか海車送ソだ?」  暮昨リヨ所いう事見ねめ。 「しぎぎムいめ紀ヤ画むセケゴしょ?」  漆り律と消楽ょ略き提か、ろわ命アじ守藤ミうにい。 「う座う!」 「う思! オり」 「う徒! オざけ」  腐う日駆い上万拘だいき恵ん昨あす、振副イめこクザ植員公ぶスききなねのとし。  そ分ラまふ都りあ涼いたヤ。沢裏感が入影じ二央り択ん。ぶく

有料
120

新イソップ物語・すっぱいブドウ

 茹だるような暑い日だった。強い陽射しが照りつける中、畑を抜ける小径を一匹のキツネがとぼ…

120
浅生鴨
3週間前
22

パワーの源

 壇上に置かれた台の布がさっと取り払われると、場内から一斉に響めきに似た声とともに拍手が…

122
浅生鴨
3週間前
27

質問と回答

 薄暗い舞台袖で腕時計を見た補佐官は、もう一人の補佐官に頷きかけた。 「長官、お願いしま…

100
浅生鴨
4週間前
19

押し込む

 ふいに部屋の隅からガリッという耳障りな音が聞こえて、それまでソファに寝転んで本を読んで…

100
浅生鴨
1か月前
14

同じところで

 山合いのトンネルを抜けて緩いカーブを曲がり出したところで、前を行く車のハザードランプが…

100
浅生鴨
1か月前
21

食券

 さんざん苦労して現金を用意したのは向こうの世界へ行くためで、未だにあちらでは物資の交換…

100
浅生鴨
1か月前
26

名簿の人

 目を覚ました中村河たかねは、ベッドに入ったままスマートフォンをチェックした。専用のアプリを立ち上げると、ぼんやりと光る画面に顔を近づけ、届いている名簿にさっと目を通す。  名簿に載っている十二人の中に、知っている名前はなかった。  どこか安堵の気持ちを覚えながら、たかねは一人のチェックボックスをタップし、そのまま躊躇うことなく送信ボタンを指先で押す。  ヒュンと風を切るような効果音が鳴ったあと、ご協力ありがとうございましたと書かれたウインドウがしばらく表示され、やがて消えた

有料
100