さいとー

アラサー 既婚 精神障がい者(双極症Ⅱ型)

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  • 短歌(自作です)

    オリジナルのものばかりですが、徐々に他のクリエイターさんの短歌も増やしていきたいと思っています

  • 短編・掌編

    自作も含めてまとめてみました

  • お気に入り短編・掌編まとめ

    ステキなクリエイターさんの作品をまとめました

最近の記事

少女は眠りにつく前に青年の幻をみる

 激しいスコールが地面を叩いて膝の高さまで水煙があがり、道路はみるみるうちに冠水していった。大粒の雨粒が肌に食い込むような勢いで降って、少女が着ている白いアオザイがみるみる雨に濡れていった。  少女はどこか雨宿りが出来るところを捜しながら駆け足で道路を渡った。いつもの通学路だからどこに何の店があるかは分かっている。やがて青い壁の雑貨屋が見え、軒下に駆け込んで一息ついた。  この時間帯になればスコールに降られるのは分かりきっていたことなのに、クラブ活動の打ち合わせが長引いて

    • 令和版百人一首恋の巻【冬の部】

      三羽 烏さまのこの企画、【冬の部】に参加させていただきたく応募いたしました。ただし、秋の部で二十首に選ばれるという光栄に預かりましたので、今回は参加させていただくだけとなりますが、ぜひともご査収くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 凍る耳痛いだろうと暖めた両手で押さえそっと言う「好き」 こおるみみ いたいだろうと あたためた りょうてでおさえ そっというすき  大学生で恋人未満の二人。仲が良すぎるせいか、どうもいい雰囲気にならない。でも彼氏は彼女のことが好きだ

      • コロナも発熱から三日が過ぎ大分回復してきました。現在平熱。ただ油断はできません。昨日から発熱よりも咳がひどく喉が破れるんじゃないかという勢いで、声が出なくなってしまいました。これには参った。完全回復にはまだかかりそうですが、これまでお気遣いくださった皆様に厚く御礼申し上げます。

        • さいとー、原発になる

           令和6年7月17日、コロナウイルスに感染したことが発覚。  なんとなく具合が悪いぞという違和感で目が覚めて、明らかな発熱感をかんじて起き上がったらその瞬間に強烈な目眩。  眠剤が効きすぎているのとは違い身体が熱い。熱を測ると38.6度。ここで謎の正常化バイアスが発動し、そんなわけないと訳の分からないことを考えて二度寝。でも再び目を覚ましてから熱を測りなおしたが相変わらずの38.6度。  まいったな、仕事を休まなくてはならないと思った。仕事を休むのはマズイなんて普段はこ

        少女は眠りにつく前に青年の幻をみる

        • 令和版百人一首恋の巻【冬の部】

        • コロナも発熱から三日が過ぎ大分回復してきました。現在平熱。ただ油断はできません。昨日から発熱よりも咳がひどく喉が破れるんじゃないかという勢いで、声が出なくなってしまいました。これには参った。完全回復にはまだかかりそうですが、これまでお気遣いくださった皆様に厚く御礼申し上げます。

        • さいとー、原発になる

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          9本

        記事

          コロナになりました(´・ω・`) しばらくの間地下に潜ります バイバイキ〜ン

          コロナになりました(´・ω・`) しばらくの間地下に潜ります バイバイキ〜ン

          朝礼の一分間スピーチで見事に滑る

           以前勤めていた職場には朝礼があった。その朝礼の一分間スピーチを任されたことがあった。これはみんなに順番に廻ってくるのだが、非正規社員がやらされることはあまり無かった。なのに、よりによってわたしですか?まいったなぁ、どうしようと思った。  朝礼がある職場はどれくらいあるのだろう。たぶん朝礼があるのが普通なのだろう。でも以前勤めていたことがある外資系の会社には朝礼がなかった。みなギリギリに出社してさっと仕事を始める。定時になったらさっと帰る。私語というかダラダラとしたコミュニ

          朝礼の一分間スピーチで見事に滑る

          何事も上手くなりたいならどんどん人前で恥をかけby徒然草

           自分の作品を人前に出して、なにかしらの評価を受けるということがどうも苦手です。そんなわたしとは反対に、力試しでコンテストのような場に積極的に出るのが好きな方も多くいらっしゃるんだろうなと思います。  そんなことは挑戦する勇気がないとできないし、どんな結果を受け止めるにしても度量が大きくないといけないだろうと思います。だからわたしには到底無理ですし、本当に尊敬します。それと同時にわたしは卑屈なのかもしれないとちょっとした自己嫌悪にもなることもしばしばあります。  正直、自

          何事も上手くなりたいならどんどん人前で恥をかけby徒然草

          三羽 烏さま主催の「令和版百人一首 恋の巻【秋の部】」にて、わたしの “「月が綺麗ですね」も知らぬ少年が永遠に続けと願う初恋” が一位に選出されました。ちょっと、言葉にならないというか、まずは取り急ぎ、投票や応援下さったみなさまに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

          三羽 烏さま主催の「令和版百人一首 恋の巻【秋の部】」にて、わたしの “「月が綺麗ですね」も知らぬ少年が永遠に続けと願う初恋” が一位に選出されました。ちょっと、言葉にならないというか、まずは取り急ぎ、投票や応援下さったみなさまに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

          神様が配ったカードに意味なんてない

           人は生まれた瞬間から持っている札が決まっているんだろう。  強い札を揃えている奴もいれば、クズみたいな札ばかり持っている奴もいる。  そして運と言う奴は、努力でなんとかなるものではない。  貧乏人から富豪に上り詰めることができる奴なんて言うのは、ほんの一つまみだけならばいるんだろう。でも、貧乏人からイギリスやベルギーのような国の王族になるなんていうことは、悪魔と取引でもしない限りは絶対に無理なのだ。  運についてどうしても考えてしまう。  むかし群馬県の山中に大型

          神様が配ったカードに意味なんてない

          ミシシッピの天才少女

           うだるような暑さだった。フレッドはエアコンの壊れた1951年型の茶色のビュイックで、砂埃を巻き上げながらミシシッピの田舎道を北に向かっていた。  「ミシシッピ川のほとりにあるバーに行ってみな。本物のブルースを鳴らす女がいるぜ」  まったくオレもどうかしてるぜ。フレッドはあまりの蒸し暑さにうんざりしながらそう呟いて、開いた窓から外に煙草を投げ捨てた。  そんな本当かどうかも分からない噂だけでニューヨークからこんな田舎町にやってきたのだ。  「とにかく一度聽いてみな。痺

          ミシシッピの天才少女

          昨日通院して主治医から躁転しつつありますねと告げられた。どうりで最近調子が良かった。無理はしませんが、このひと月の間に書き溜めた記事がかなりあるので、人前に出せそうなものを順に発表することにして、新しい創作はちょっとの間お休みします。落ち着いたら1万字くらいの短編書きたいな。

          昨日通院して主治医から躁転しつつありますねと告げられた。どうりで最近調子が良かった。無理はしませんが、このひと月の間に書き溜めた記事がかなりあるので、人前に出せそうなものを順に発表することにして、新しい創作はちょっとの間お休みします。落ち着いたら1万字くらいの短編書きたいな。

          私の推しごと「光る君へ」

           ましゃこさんが「私の推しごと」という企画を立てられたと知ったとき、残念ながらわたしには推しごとってないなと思いました。折角のましゃこさんの初企画ですが、わたしには参加する資格がない。なので離れたところからじっと様子を見ていようと思っていたのですが……    ところが、あった。それは、ハマり過ぎているが故に、もはや推しごとではなく、呼吸のようなもので気がつかなかったのであります。  それは、これだ。 NHK大河ドラマ「光る君へ」です  歴史に興味なんて無いわっ!っていう

          私の推しごと「光る君へ」

          闇に紛れてキミと交わりたいんだ

           広々とした大広間での賑やかな夕食が済むと、しばらくの間は自由時間になる。普段は話すことのない男子と楽しそうにはしゃぐ友人たちと離れて、ユンヒは部屋には戻らずに、皆に見つからないようにこっそりと宿舎を出た。外は静かで物音ひとつしない。そんな静寂の中をユンヒは宿舎の裏の草原に向かって歩いた。  ユンヒの靴が踏みしめる砂利の音だけが静寂の中に響く。五月の高原の夜は思っていたよりも冷えたから、ユンヒは上着を着てこなかったことを後悔した。もし宿舎から出たところを先生に見つかっていた

          闇に紛れてキミと交わりたいんだ

          道長と伊周、双六に熱くなる

          七月七日 七夕の日 楽しみにしていたNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送がお休みであった。もちろん、東京都知事選挙開票速報のためである。これは非常に大切なことだから仕方がない。 でも、どうよ。放送開始直後に小池百合子氏当確って。 じゃあいまから「光る君へ」放送してよって思ったのはわたしだけですか?いや、無理なのは分かっているけど。 それにわたし東京都民じゃないのに…… というわけで、当てつけでわたしが光る君へを書いてみた。一応、大鏡に記載されている物語を基にした。けれど、

          道長と伊周、双六に熱くなる

          令和版百人一首 恋の巻【秋の部】もう一首応募いたします

          三羽 烏さま どうしてももう一首応募したくなりました。お恥ずかしいかぎりです。でも勇気を振り絞って応募します。こんなことはわたしの人生初です。 「月が綺麗ですね」も知らぬ少年が永遠に続けと願う初恋 つきがきれい ですねもしらぬ しょうねんが とわにつづけと ねがうはつこい 字余りです。秋なので月夜かなと思い創りました。秋っぽくないかなと思われそうで不安なのですか、済んだ空に浮かぶ名月だと思ってくださると嬉しいです。 主人公は少年です。高校生でしょうか。隣に歩くのはは

          令和版百人一首 恋の巻【秋の部】もう一首応募いたします

          令和版百人一首 恋の巻【秋の部】応募いたします

          三羽 烏 様 はじめまして この度令和版百人一首 恋の巻【秋の部】に参加させていただきたいと思います。 ご査収ください 君がくれた薄手のニット捨てるのをためらいそっとタンスに戻す 秋になり、そろそろ衣替えをしようとクローゼットを開けたときに、目に入ったきちんと折りたたまれたセーター。もうそのセーターをくれた恋人は違う誰かのところに行ってしまったけれど、なんとなく捨てる気になれなくて、もう一度たたみ直してクローゼットの奥にしまった、というイメージで読みました。彼からも

          令和版百人一首 恋の巻【秋の部】応募いたします