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ひとりで下書き再生工場振り返り(no1~no5)
本田すのう様の企画した下書き再生工場に集まった60のお題。これら全てのお題をそれぞれ一編の物語に仕立て直すという挑戦を始めました。
本田すのう様から企画の名前を使わせていただく旨了承を頂き、挑戦するお題(没ネタ)は下の通りです。
全部で60個もあります。はたしてこの全てをそれぞれ60編の物語に仕立て直すことが出来るのか。気が遠くなりそうですが、たとえ1年以上かかってもいいからマイペースで続けて
遠い日の不良に言えないはなしの前段【ひとり下書き再生工場・5】
今回はエッセイです。
高校一年生の時のクラスメイトに山根(仮名)という男子がいた。
山根はいわゆるダブリの生徒で同級生とはいえ私よりも一歳年上だった。山根は留年するぐらいだから決して真面目な生徒ではない。授業中でもふいにいなくなってしまったり、それほど多くはなかったけれど教師に突っかかる場面も何回か見かけることがあった。
私は色々と訳があって高校一年生の三学期から二年生の二学期までは
◯◯しか愛せない、困った嗜好【ひとり下書き再生工場・4】
大学の学食で遅めの昼食をとっていると、友人の藤田がいきなり隣の椅子に座った。突然現れたものだから僕は驚いて箸を持つ手がとまった。
「吉岡、急なんだが今夜は暇か?」
ああ、暇だよと答えると、藤田は神妙な顔をしながら拝むように手を合わせて僕に頭を下げた。頭を下げて僕を拝んでいる藤田の頭のてっぺんを見下ろしていたら、自分が神社の鈴にでもなったような気持ちになった。
「頼む。今夜の合コンに参
空想の世界で遊ぶのが好きです
わたしには妄想癖にも似た癖があって、ありもしない現実やなりたかった自分を想像して時間をつぶすことが多い。
先日も精神科に通院した際に三十分以上待たされたのだが、もしも自分が乃木坂46のメンバーだったらということを空想しているだけで30分間の待ち時間も余裕でクリアしてしまった。
待ち時間が長くなるであろうことを想定して小川洋子さんの「不時着する流星たち」という短篇集をバッグの中に入れていた
ほくろ毛【ひとり下書き再生工場・3】
昨夜の夜遊びが祟ってすっかり寝坊をしてしまい、わたしは慌てて大学まで走った。でも必死になって走ったにも関わらず、二限目が休講になっていたことを友人からすれ違いざまに知らされた。
そのせいですっかり暇になったわたしはサークルの部室に向かった。いまなら吉岡先輩がいるかもしれないという淡い期待を胸に抱きながら小雨降る中を部室に向かった。
部室のドアを開けるとやはり吉岡先輩がいた。しかも幸運なこ
色々な方々とのやり取りが創作の糧になる
最近、二週に渡って連作を書いて発表しました。ゆったんなる謎の女性が経営するインチキ臭い店に引き寄せられていく人たちを描いた物語です。
それはコメ欄でのやり取りがきっかけでした。
ゆらゆらミルコ女史から放たれた「ゆったんの鼻からミルクスタンド」というパワーワードに閃きを得たわたしは即座に一本のしょーもない物語を書き上げました。
とは言っても物語とは呼ぶことも憚られるような代物なのですが
ハバナの路地裏でくゆらせたシガーの煙は彼女の匂いがした【ゆったん】
強い日差しが照り付けるキューバの大地。俺は広大な砂糖キビ畑を現地通訳の女性と一緒に視察して廻った。
今年も順調に収穫できそうだという農家の主人に感謝の言葉を伝えて、俺達は四輪駆動車に揺られながらホテルにもどった。
とりあえず一仕事を終えた。明日はハバナに来てから初めての休日だ。今夜はハバナの夜を存分に楽しもう。
俺は通訳の女性のおすすめの店に行き、アロス・コン・カラマレスというイカ墨
ブエノスアイレスの路地裏は彼女の匂いがした【ゆったん】
野村、よろしく頼んだぞとパンダのような愛嬌がある部長が言った。アルゼンチンは意外と寒いから風邪ひくなよと小西課長が言った。お土産よろしくねと同僚のさいとうさんが滑舌の悪い日本語で言った。
「では行ってきます」
そして僕は機上の人となった。
♢
成田を発ちニューヨークで乗り継いでブエノスアイレスに向かった。11時間以上かけてようやくたどり着いた空港で現地通訳の女性が出迎えてくれた。
サン・ルイス・ポトシの路地裏でたべたタコスは彼女の匂いがした【ゆったん】
さいとうさんよろしく頼んだぞ、とパンダのような愛嬌がある部長が言った。メキシコは治安が悪いから一人で出歩くなよ、と小西課長が言った。お土産よろしくな、と同僚の野村くんが間抜けな声で言った。
「では行ってきます」
そしてわたしは機上の人となった。
♢
メキシコシティで飛行機を乗り換えて北に500km離れた地方都市に向かった。空港には現地通訳の女性が出迎えてくれた。
出張の目的であ
noteを始めたこの一年でわたしは変わろうとしている
最近心がざわついている。
いままで感じたことのない感覚のような気がしている。
もしかしたらこういう感覚を味わったことも過去にはあったのかも知れないけれど、もう忘れてしまって思い出すことが出来ない。
最近になって心がざわつき始めた原因は、たぶん(多分としか言えないぼんやりとしたもの)創作大賞に関する記事や呟きを目にしているからじゃないかと思っている。
♢
わたしは自己肯定心が低い
宿題やりたくないと言われたら【ひとり下書き再生工場・2】
ある日の朝、アパートのポストにA4サイズの求人チラシが入っていた。普段なら見もせずに丸めてくずかごに捨ててしまうのだが、派遣仕事の契約期間が終わって次の仕事を探していたわたしはその求人チラシを捨てずに部屋に持ち帰った。
素人が作ったような、イラストも無く明朝体の文字しか書かれていない素っ気ないチラシだった。そのチラシから漂う雰囲気は、ネットなどでよく見かける未解決事件の怪文書にも似ていて、眺
取るに足らない話を面白くする
取るに足らない話を面白くするという話をみうらじゅんさんがYouTubeで言っておられた。その動画はこちらのゆらゆらミルコ女史の記事に貼ってあります。
面白いし一見ふざけてるだけのようにみえるのですが、結構深いというか、核になる部分を突いた金言がとび出したりしますので、二十分を無駄にしても構わないという意気込みのある方は是非!
たとえば絵画でも、モネのあの素晴らしい作品群なんて、こんなこと
ぜんぶ、更年期のせいだ【ひとり下書き再生工場・1】
リビングのエアコンが壊れたので修理業者を呼んだ。いかにもいまどきな茶髪の若者が修理に来てくれた。
彼が修理する様子を覗きに行って、彼が手際よく部品を交換するのをしばらく眺めた。彼の作業の邪魔をするのも悪いと承知しながらも、声を掛けたたいという気持ちが抑えきれなくなった。
「きみはいくつだい?」
「自分っすか?27っす」
27歳か。若いなあ。気力も体力もノリノリじゃないか。オレも2
自分が27番目のスキをゲットするチャレンジ、なんとさいとう史上例のない勢いの伸びを見せ、今朝起きたらすでに27を超えていました!
栄光の27番目をさらったのは探求さん(佐藤健友)様です。おめでとうございます✨
この度スキをくださった皆様に心から厚く御礼申し上げます🙇
謝謝!
ミルコさんの個性的な思索や言葉を哲学ならぬ「ミル学」と名付けさせていただきました。ミルコさん公認です。ミルコさんありがとうございました。