庄子錬|編集者

株式会社エニーソウル代表取締役。編集者、企業コンテンツアドバイザー。手がけた本は200…

庄子錬|編集者

株式会社エニーソウル代表取締役。編集者、企業コンテンツアドバイザー。手がけた本は200冊、10万部以上のベストセラー多数担当。編プロ→出版社2社→PwC→起業。NewsPicksトピックスで連載中。 【HP】https://www.anysoul.co.jp

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「読みづらい文章を書く人」が無意識に使っている言葉とは?

こんにちは! 先日、ある経営者からこんな相談を受けました。 こういうケース、よくあると思います。 全社宛ての連絡では、重要度が高いことを共有するもの。わかりにくい文章だと、誤解や混乱を招いたり、個別対応が求められたり……書き手・読み手ともに余計なストレスになります。 そうした状況を避けるために、書き手が身につけておくべきこと。 それが、大事なことだけを短く書く技術=「要約の技術」です。 今回は「要約の技術」のなかでも、もっとも基本となる「余計な言葉を削ること」にフォ

    • 「文章わかりやすいね」と言われる人が実践する2つの習慣

      こんにちは! 前回、「うまい文章」をこう定義しました。 ================================= うまい文章=「わかりやすさ」×「モチベーション」×「独自性」 ================================= 今回は、1つめの要素である「わかりやすさ」を高める習慣を解説します。 「わかりやすさ」は、「知識(=わかりやすく書く方法を知っているかどうか)」で解決できる部分が大きいのですが、いくらたくさんのノウハウを知っていても使

      • 「うまい文章」を構成する3つの要素とは?

        こんにちは! 先日、ある企業のライティング研修が終わったあと、受講生からこんな質問をもらいました。 「結局、文章ってどうしたらうまくなるんでしょうか?」 本質的かつ答えるのが難しい質問――。頭のなかであれこれ考えたのですが、いい切り口が思いつかず、「やっぱり、本をたくさん読んで、たくさん書くことなんじゃないでしょうか」という毒にも薬にもならない返事をしてしまいました。 せっかく質問してくれたのに、なんてつまらない回答をしてしまったのだろう……と後悔しても後の祭り。

        • 部下のダメダメ文章、どう指摘する? 編集者が教える「フィードバック」のコツ

          こんにちは! こんな経験はありませんか? 今回は、編集者として数々の著者に文章フィードバックしてきたぼくが、相手に嫌な印象を与えず、かつすぐ改善につながる「文章フィードバックのコツ」を3つ紹介します。 「部下のダメダメ文章」に悩む上司たち まずは、調査結果をいくつか紹介しながら、「上司と部下間の文章のやりとり」の現状を見ていきましょう(参照:2022 年「企業における上司・部下間の文章のやり取りに関する意識調査」) 上司に対して「部下の作成した文章にストレスを感じたこ

        • 固定された記事

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          日程を「抑える」「押さえる」、どっちが正解? 間違える人多数の「ややこしい日本語」20選

          こんにちは! 入社、転職、異動……4月から新たな環境で働き始める人も多いと思いますが、「文章の第一印象」はとても大切です。 「わっ、できそうな人だな!」と思われるのか、「大丈夫かなこの人……」と思われるのかは態度やふるまいはもちろん、文章によっても大きく左右されます。 初対面での会話が苦手な人でも、正しい日本語で文章を書ければ、良い印象を与えることは可能です。 今回は、社会人なら知っておきたい「正しい日本語20選」を紹介します。間違えて覚えているものがないか、チェック

          日程を「抑える」「押さえる」、どっちが正解? 間違える人多数の「ややこしい日本語」20選

          「書くのが遅い」を解決するたった1つの方法

          こんにちは! みなさん、こんな悩みはありませんか? 同じ文章を何度も書き直して、なかなか前に進まない 提案資料の文章を書くのに時間がかかる メールやチャットはいいけど、1,000字を超える文章は書くのが苦手 「もっと速く書けるようになりたい」と思っている人はたくさんいます。でも、ふだんの仕事のなかで文章術を学ぶ機会はなく、「個人のセンスや努力任せ」になりがち。結果、書くことに苦手意識をもつようになる……。 なんてもったいない! 今回は、「スラスラ書けるようになる

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          1,000人の取材から身につけた「使えるメモ」のとりかた

          こんにちは! 会議、商談、セミナー、研修、勉強会、タスク整理……仕事をしていると、メモをとるシーンは幾度となくあります。 ぼくは過去に一人だけ、「いっさいメモを取らない(=必要な情報はすべて記憶できる)」という人に会ったことがあるのですが、そんな人はごくひと握り。大多数の人にとってメモは欠かせない存在だと思います。 とはいえ、「要点を絞ってメモするのが苦手」「せっかくメモをとってもとりっぱなしで、活用できていない」「メモをとるのに時間がかかって、必要なポイントを書ききれ

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          「一番最初」や「まだ未定」はNG! 知らずに使いがちな「二重表現」30選

          こんにちは! つい先日、チームメンバーからこんなチャットが届きました。 一読して「ん……?」と思いました。意味はわかるけれど、日本語としておかしい。 みなさんはどこが間違っているかわかりますか? そう。「一番最初」も「事前予約」も二重表現なんです。 「一番」と「最」は意味が重複しています(「2番目に最初」や「10番目に最初」といいませんよね)。事前予約も同じ。「事後予約」という日本語がないように、予約は事前にするものです。 会話ならスルーしがちですが、そのまま文章

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          忙しい相手もすぐ読んでくれる! 誰でも「好印象な文章」を書くコツ

          こんにちは! 突然ですが、質問です。 「読みやすい文章」って、どんな文章だと思いますか? ぼくは、これまでの編集経験からこう定義しています。 「見た目がいい文章」 メール、チャット、資料……言いたいことを漏れなく伝えるには、一瞬で意味が理解できる、相手にストレスをかけない文章を書くスキルが必要です。 そこでポイントとなるのが「文章の見た目」です。 「見た目のいい文章」は、パッと見ただけでも内容がなんとなくわかり、相手に負担をかけません。結果として、意思疎通のズレが

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          悪気がなくても嫌われる「相手をイラッとさせる文章」の特徴3選

          こんにちは! メール、チャット、日報、プレゼン資料……。みなさん、ふだんの仕事で浴びるようにテキストを読んでいると思います。そのなかで、「おいおい、これはないだろ」「なんだ、こいつ!」という文章に遭遇することってありますよね。 でも、いちいち怒っていたらキリがありません。「失敗」から学んだほうが建設的です。 今回は、「見えないところで嫌われている人」にならないための文章術を解説します。 相手をイラッとさせる文章の「なにが・なぜ悪いのか」がわかれば、反面教師にできますし

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          「誤字脱字ゼロの人」が意識しているポイントとは?

          こんにちは! 出版の編集者にとって、寿命が縮む瞬間があります。 「誤植(印刷物における文字・記号などの誤り)」が見つかったときです。 ゾクッと心臓が縮まる気配がして、頭が真っ白になったあと、ものすごい勢いで不安と後悔が込み上げてくる。なんでこんな間違いしたのか、著者になんて言おうか、お詫び・訂正のお知らせをすべきか、回収が必要なレベルか、会社からなんて言われるか……あああああ、なんでもっとしっかりチェックしておかなかったんだ! ぼくは編集者にあるまじき不注意な人間でして

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          メールやチャットで「一瞬で伝わる文章」を書く3つのコツ

          こんにちは! 前回の記事では、「要約の技術」の第1回として「削るべき余計な言葉」を解説しました。 https://note.com/shoji_anysoul/n/na5e63ebec32a 今回は「要約の技術」の第2回。「整理する」に焦点を当てます。 余計な言葉を削ったあとに(削りながら)整理すると、短くても伝わる文章になります。 「文章が長くなりがちな人」は、ぜひ参考にしてください。 1. 「主語と述語の位置」を近づける主語と述語のあいだに多くの情報が挟まれて

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          「音楽が好きな人は、文章もうまい」は本当か?

          こんにちは! 先日、パット・メセニーとロン・カーターの来日公演に行ってきました。 ぼくは17歳でギターを習い始めたのをきっかけに、ブルーズとジャズを熱心に聴くようになりました。多感な時期をともに過ごした音楽(ミュージシャン)はその後の人生にも影響を与えるといわれますが、まさにパット・メセニーはその一人。 5年ぶりの来日公演だったわけですが、今回はとくに86歳(!)のロン・カーターのソロが印象的で、まるで塗り重ねれば重ねるほど澄んでいく秘密の絵の具を使っているような演奏で

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          名著に学ぶ「目標達成できる人」の習慣・思考とは?

          こんにちは! 年が明けて約1カ月。みなさんは、年末年始に掲げた「2024年の目標」をまだ覚えていますか。目標を決めたはいいものの、すでに忘れていた人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。 ガンジーが「目的を見つけよ。 手段は後からついてくる」と言っているように目標設定は大切ではありますが、やはり行動につなげることも必要です。 そこで今回は、年間200冊のビジネス書を読む編集者が、「目標達成できる人の習慣・思考」を、おすすめビジネス書をもとに紹介します。 やり抜く人に

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          プロ編集者に聞いた「語彙が豊富な人」の習慣トップ5

          こんにちは! 前回の記事で、「語彙力で大切なのは、語彙を増やすことよりも、言葉を適切に使う力だ」と書きました。 とはいえ、語彙を豊富にすることで、次のようなメリットがあるのも事実です。 表現が豊かになる 伝わりやすくなる 説得力が上がる 思考が深まる 知的に見える そこで今回は、文才豊かな編集者やライターに聞いた「語彙を増やすために実践している習慣トップ5」をランキング形式で紹介します。 第5位  ベンチマークを決める 「この人、文章がうまいな」「この人みた

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          「語彙力」って本当に必要? 伝えるのがうまい人と下手な人の違い

          こんにちは! 突然ですが、質問です。 みなさんは文章を書くとき、「語彙力不足」を感じる場面はありますか? 5、6年くらい前、「大人の語彙力」というテーマの本が流行りました。 Web記事だと、いまも結構出ているようです。語彙力の鍛え方。アプリも出ているんですね。 でも、語彙力は本当に必要なのでしょうか。そもそも語彙力って、なんなのでしょう。 今回は「語彙を増やすよりも大切なこと」について考えてみます。 「語彙力」とは? まずは語彙力の定義を確認しましょう。 前者の「

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