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名著に学ぶ「目標達成できる人」の習慣・思考とは?

こんにちは!

年が明けて約1カ月。みなさんは、年末年始に掲げた「2024年の目標」をまだ覚えていますか。目標を決めたはいいものの、すでに忘れていた人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

ガンジーが「目的を見つけよ。 手段は後からついてくる」と言っているように目標設定は大切ではありますが、やはり行動につなげることも必要です。

そこで今回は、年間200冊のビジネス書を読む編集者が、「目標達成できる人の習慣・思考」を、おすすめビジネス書をもとに紹介します。

やり抜く人には「9つの習慣」がある

『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

1冊目は『やり抜く人の9つの習慣』です。

著者は、コロンビア大学でモチベーション理論の第一人者。「心理学的に正しい目標達成の方法」がコンパクトに収められています。

目標達成のための行動をやり抜ける人は、どんな習慣を身につけているのか。

この疑問に対し、本書では以下の9つの特徴を挙げています。

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1. 目標に具体性を与える
ダイエットなら「やせる」ではなく「1カ月以内に2キロやせる」というように、数値や期間で区切って具体化させる。

2. 目標達成への行動計画をつくる
目標達成に向けて行動するために、「いつ」「何を」やるかを決めておく。

3. 目標までの距離を意識する
目標がどれくらい遠くにあるか確認する。具体的には、フィードバックを受けるか、自分自身で進捗状況をチェックする。ただし、初心者はあまり頻繁にチェックすべきではない(混乱を招き、上達の妨げになってしまうから)。

4. 現実的楽観主義者になる
目標は達成できると信じる。しかし「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない。

5. 「成長すること」に投資する
「今、なにができるか」ではなく「これから、なにができるようになりたいか」を考え、そのために行動する。

6. 「やり抜く力」を持つ
うまくいかないとき、コントロールできないこと(才能や能力不足)が原因と考えるのではなく、コントロールできること(努力・戦略・計画)が原因だと考える。すると、「成功は自分のがんばり次第」と信じることができ、粘り強く取り組める。

7. 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
「意志力」は後天的に育てられる。これまでやったことのない、気の進まないことをあえてやってみることで「意志力」が鍛えられる。

8. 自分を追い込まない
どんな目標であっても、できるだけ簡単な方法を見つける。複数の大きな目標に、同時に挑戦することは避ける。

9. 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
「◯◯しない」という目標を「◯◯する」という目標に変える。
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この本のおすすめポイントは、なんといってもコンパクトさ。一般的なビジネス書よりも一回り小さいですし、120ページと短いので、手軽に読めて重要なポイントを素早くキャッチできます。トイレや枕元に置いて何度も読み返したいですね。

世界一流のエンジニアは、こう考える

『世界一流エンジニアの思考法』(文藝春秋)

2冊目は『世界一流エンジニアの思考法』です。

著者は、米マイクロソフトの現役ソフトウェアエンジニアで、本人曰く「ガチの三流エンジニア」だそう。そんな著者が超巨大クラウドの開発の最前線で、世界一流のチームメンバーたちから何を学んだのか。

タイトルには「思考法」とありますが、情報整理・記憶術、コミュニケーション、チームビルディング、生活習慣術など幅広く取り上げられています。

本書のなかで、とくに印象的なのが「Be Lazy(怠惰であれ)」というマインドセット。「より少ない時間で価値を最大化するという考え方」です。

以下、Be Lazyにおいて、とくに目標達成するうえで参考になりそうな考え方を3つ取り上げます(一部アレンジしています)。

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・20%に注力する
日本人は「あれもこれも」やらないといけないと思いがちだが、実際には「20%の仕事が80%の価値を生む」のだから、20%をしっかりやればいい。海外の一流メンバーは、20%を終えて80%の価値を出したら、残りの80%をやらずに、次の80%の価値を生む20%の新しいタスクに取り組んでいる。

・リスクや間違いを快く受け入れる
成功しようがしまいが、まずはやってみて、早くフィードバックを得て、早く間違いを修正していく。このような「Fail Fastの精神」を持つべきだ。検討ばかりして、さっさと「やらない」ことのほうがリスクである。

・「楽に達成できる」計画にして、都度変更する
「これぐらいの日数でできる」というところから、プラス数日(数十日)して余裕のあるスケジュールで目標を設定する。そのうえで都度変更していく。「計画の変更」は悪ではない。現実を見て計画が変わっていくのはむしろ「善」である。
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この本は個人的に、2023年に読んだビジネススキル本のなかで、一番読み応えがありました。

エピソードが豊富で一流のエンジニアたちが働いている姿がありありと浮かんできましたし、生産性を上げるノウハウも経験に基づいていて説得力があります。最終章の「AI時代をどう生き残るのか?」は、現役エンジニアが生成AIや今後の働き方についてどう考えているのかを知ることができて参考になりました。

専門用語も多いのですが、こういう機会でないと出会えないものばかりでしたし(少なくともぼくのような非エンジニアにとっては)、むしろ「ビジネス書」という形式を通じて自然と学べるという意味でも、お得感というか、読後の満足度はとても高かったです。

40〜50代の成功者が共感する「ゼロで死ね」という考え方

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社)

3冊目は『DIE WITH ZERO』です。
直訳は「ゼロで死ね」。意訳すると「金を使い切ってから死のうぜ」でしょうか。

貯金ばかりしている人たちに対して、人生が豊かになる「お金の使い方」を紹介している一冊です。

今年1年の目標で「300万円貯金する」「金融資産を2,000万円にする」という感じで、お金に関する目標を立てた人は多いのではないでしょうか。「新NISAにチャレンジする」と心に決めた人もいるかもしれません。

でも、お金を貯める一方でいいのでしょうか。貯金や投資をしつつも、「使う」ことを考えることもまた大切なのではないか――。

これが本書を取り上げた理由です。
以下、とくに印象的なメッセージです。

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・人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ
・大切なのは、自分がなにをすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ
・金の価値は加齢とともに低下する
・節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。人生は経験の合計だからだ。
・親が財産を分け与えるのは、子どもが26〜35歳のときが最善
・若い頃に健康に投資した人ほど得をする
・資産を減らすポイントは45〜60歳
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ちなみに、ここ数年仕事で出会った40、50代の、いわゆる経済的に成功した経営者に「最近読んだビジネス書でおすすめは?」と聞いて、もっとも多かったのがこの本です。やはりというべきか、「稼ぎ方」よりも「使い方」を意識されているようでした。

いかがでしたか。
好評であれば、今回のような「テーマ+3冊紹介」を続けていきたいと思います。

では、また次回の記事でお会いしましょう。

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