鳥居真道

1987年生まれ。トリプルファイヤーのギタリストで、バンドの多くの楽曲で作曲を手がける…

鳥居真道

1987年生まれ。トリプルファイヤーのギタリストで、バンドの多くの楽曲で作曲を手がける。他アーティストのレコーディング・ライブへの参加および楽曲提供、音楽関係の文筆業、選曲家としての活動も行っている。http://notoriious.starfree.jp/

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    少なくとも月に4本は更新しています。音楽、映画、ドラマ、本の感想、バンド活動のこと、身の回りのこと、考えたことなど。

最近の記事

トリプルファイヤーの新譜を野に放て

トリプルファイヤーの新作『EXTRA』が7月31日にリリースされる。ようやくここまでたどり着いた。前作『FIRE』からすでに7年近く経過している。バンド活動に従事していながらも、30代に突入してからの7年を何もリリースしないまま過ごしたのだと考えると、お腹にずしんと来るものがある。気がつけばもうアラフォーだ。 決してお休みをいただいていたわけではない。ご存知の通りライブは頻繁に行っていた。曲作りもしていたし練習もしていた。なかには、長らくリリースがなかったにもかかわらず、よ

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    • バンドの人格

      トリプルファイヤーの新作リリースを控えているため、トリプルファイヤーがバンドとして人々にどういう印象を与えているか、人々からどう見られているか、自分たちとしては人々からどう見られたいと考えているのか、といったことをどうしても意識せざるを得ない。 しかし、意識したところで100%ハンドリングできるものではない。バンド側は、見せるという意味では主体であると同時に、人から見られる客体でもある。この「見せる/見られる」という関係のせめぎあいからバンドのイメージは浮かび上がってくるも

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      • ギターをたくさん弾いた日

        前回、前々回とトリプルファイヤーに関する真面目な記事を続けて書いた。なぜああいう記事を書いたのかと尋ねられたら、書きたかったから書いたのだと答えるしかない。真面目かと突っ込まれたら、誠に残念ながら真面目ですと真面目に答えるつもりだ。 根がセレブリティの人物は、どれだけ人々から視線を注がれようと溢れることのない巨大な器を携えており、その主体性はぐらつくことがないように見える。自分が客体であることに慣れているといった印象を受ける。その他にも、器の底が抜けていて注がれた視線は体の

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        • トリプルファイヤーにまつわるイメージについて

          トリプルファイヤーと聞いて多くの人がイメージするのは、日本語の響き、リズム、イントネーションとポストパンクっぽいサウンドの組み合わせのようだ。 私がトリプルファイヤーに誘われたのが2010年のことだ。それから5年ほどはポストパンク的な音楽に取り組んでいたと言って差し支えないだろう。当時の私がドイツのパレ・シャンブルグ、ベルギーのハネムーン・キラーズ、日本のアーント・サリーといったバンドに感化されていたのは紛れもない事実だ。 知り合いがシャレで思いついた「高田馬場のジョイ・

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          トリプルファイヤーの音楽について

          音楽関係のイベントで出会った初対面の人に自分がトリプルファイヤーというバンドの一員だと明かすと「あ、タモリ倶楽部の」という反応をいただくことがたまにある。あ、タモリ倶楽部の。何も間違っちゃいない。この上なくアキュレイトなディスクリプションである。 たしかにトリプルファイヤーはタモリ倶楽部でお馴染みのバンドだ。しかし、タモリ倶楽部がトリプルファイヤーの本質かと問われたら、それは違いますと答えたくなってしまうのが当事者としての正直な心境である。では、トリプルファイヤーの本質とは

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          残高照会怖すぎて無理、とルイス・コールは言った

          久しぶりに殺人の夢を見た。とはいえ、この手の夢で決定的瞬間を演じたことは一度もない。どうも誰かを手に掛けてしまったらしいと事後的に事態を飲み込むパターンばかりだ。相手も誰なのかはっきりしない。今回の夢は、殺人がまだ露見しておらず、周囲の人に悟られぬように平静を装うという内容だった。 こうした夢から目覚めるたびに深い安堵を覚える。「取り返しのつかないことをしてしまった」という後悔と「一体どんな罰が待ち受けているのか」という心配から一挙に解放されるからだ。後悔と心配は我々人間の

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          ヒザ打つな!

          少し前に千葉雅也『センスの哲学』を読んだ。千葉雅也の制作論が好きなので楽しみにしていた一冊だ。当方は常々ハイセンスな奴でありたいと願って生きてきた。だから当然センスについての理解も深めたいと思っている。他方で、センスが良いってそれほど大層なものではなくて単に空気を読むのに長けているだけじゃねぇの、と乱暴に結論付けたくなる誘惑にもかられていた。そもそもセンスって何。 読み進めるとリズムについての言及が続くのでびっくりした。憚りながら、俺がいつも言ってる内容そのままのことが書い

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          新しいアルバムのお披露目会

          5/23水曜日。代官山の晴れたら空に豆まいてにてトリプルファイヤー新譜完成試聴会を開催した。お集まりいただいた方にはお礼申し上げます。どうもありがとうございました。 アルバムが完成したら試聴会を開こうという話は早い段階で出ていたと記憶している。2022年の年末、新宿のシネマートに『ケイコ 目を澄ませて』を観に行ったら、たまたま監督の舞台挨拶とティーチインのある回だった。退出するのも忍びないので、残って観覧したところ、これが思いのほか良い経験になったので、試聴会を開催するのな

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          うんうんなるほどそっかへえ

          山手線の車両内部に設置されたディスプレイに映る広告を見ていると、定期的に次のようなものが確認できる。ある映像に対して、芸能人が「うーん?なんだろう?」「ふむふむ」「それでそれで」「そうか!なるほど!」「いいね!」「今回も勉強になったなあ!」といった反応を表情やジェスチャーで示すというものだ。このようにノンバーバルなリアクションを取っている理由は、車内で音声が流せないからだ。 現在は謎解きクリエイターの松丸亮吾がこの手の広告に出演している。過去には、河北麻友子、足立梨花が出演

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          肉を削ぐ

          ダイエットに着手してそろそろ3週間ばかりが経つ。我が家の体重計は、ここ数年電池が入れられておらず、この間、自分の体重を把握しないまま過ごしてしまっていた。先日、久しぶりに銭湯へ行く機会があり、そこで体重計に乗ってみたところ、81.8kgと表示されたものだから、大変なショックを受けた。念の為にもう一度計測してみたがどうも間違いではなかったようだ。 ロビーのソファーに座り、スマホを取り出してBMIを計算すると26.1という数値が出た。日本肥満学会の基準では肥満(1度)に該当する

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          不向き不向き氷の世界

          今月はいまだかつてない量の原稿を書いたような気がする。一時は物理的に不可能ではないかと危ぶまれたものの、家で一人静かに仕事をするのがあまりにも快適なものだから、筆も滑らかに進み、なんとかなった。原稿執筆という仕事があれやこれやと煩わしい日常からの逃避として機能していたように思う。 ソリチュードは最高だ。孤独に過ごすことの心地よさは、ほかほかのご飯、ふかふかのお布団、ぽかぽかのお風呂に比肩するといってよい。一人で過ごしていても、ロンリネスやアイソレーションに襲われることなく、

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          遺恨

          君は根に持つタイプだよね、という指摘を受けた。根に持つタイプ。漢字をひらけば、ねにもつタイプ。岸本佐知子のエッセイだ。むろん「岸本佐知子さんみたいでなんだか素敵だね」と言いたかったわけではなかろう。どちらかといえば、その執念深い性格に攻撃性が伴ったとき、ある種の面倒くささを感じないこともない、と告げられた格好である。しかし「鳥ちゃんは記憶力がいいよね。すごいよね」と褒めてくれたのだと解釈し直して記憶の墓場に打ちやっておいた。 たしかに執念深い性格だという自覚はある。誰かの不

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          人間関係

          目が覚めた瞬間から何かの歌が耳にこびりついて離れなくなる現象をイヤーワームと呼ぶ。この間、ひたすら大滝詠一を聴いていたので、目覚めの一服をしている最中に、大滝の涼しげな歌声が頭の中をしばしば通り抜けていった。ちなみにここ数日のイヤーワームはもっぱら「銀色のジェット」だった。 ライブのようなイベントがあった翌日、そこで会った人たちの声が耳にこびりいて離れないというイヤーワームの亜種のような現象が起こる。他人の声が頭の中でずっと響いているから、ほとんど幻聴が聴こえているような状

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          マッドネスだより

          やはり疲れている。疲れないわけがない。なぜなら春だから。むろん夏は夏で疲れる。屋外は暑く、屋内は冷房が効きすぎていて寒いからだ。冷たい飲み物を飲んだりアイスを食べたりするから腹も下しやすい。腹の調子が悪ければ当然胆力も湧かない。日の出が早いのも夜型生活者にはつらい。夏に比べるとたしかに秋は過ごしやすい。けれども、過ごしやすいからこそ活動的になり、疲労を招きやすいといえる。スポーツに芸術に読書に食欲に欲張りすぎてしまうのだ。冬は寒いから当然疲れる。冬は生きているだけでカロリーの

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          春はだめだろ

          春が来た。すごい。生ぬるい。強風でビルが揺れる。傘が折れる。寒暖差がビットコイン並み。体調が優れず気持ちが悪い。頭が痛い。腹が痛い。洟が出る。くしゃみが出る。吐き気がする。声と身振りが大きい人で往来が埋め尽くされている。空気が殺伐としていて、今にも罵り合い、殴り合いが起きそうな雰囲気がストリートに充満している。ピンクで暖かくて新しくてハッピーといった印象を抱かせる春だが、実際は人心を荒廃させるディープな季節だと思う。何かしらのトラブルにはよくよく注意したい。 生きていると稀

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          東京で過ごした時間>地元で過ごした時間説

          スニーカーを新調した。asicsのGEL-SONOMA 15-50(Oyster Grey/Clay Grey)をメルカリで買った。しかしなぜこれを買おうと思ったのだろうか。もはや記憶にない。そのようなギリギリの日常を生きている。おそらくInstagramを眺めていたときに、どこかのセレクトショップの広告として表示されて気になったのだと思われる。 軽くて履き心地が良いので買って正解だった。この手のゴツゴツしたデザインのスニーカーを履くのは久しぶりのことだ。他人様の目からどう

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