記事一覧
地形の面白さを知って欲しいからnoteを始めました。
1. はじめまして、新之介です。 新之介はブログのハンドルネームで、2007年から使っています。本名は新開優介。ブログ「十三のいま昔を歩こう」では、古地図や古写真、国土地理院の旧版地図などを使いながら古い町並みを記録。京街道や西国街道などの古い町並みなどもアーカイブとして残してきました。
2012年に中沢新一さんの著書「アースダイバー」に触発されて、ひとりでアースダイビングを始めます。中沢さんと
9.京都盆地と奈良盆地は湖だったのか?
京都の古い資料を見ていると京都盆地はかつて湖だったといいう文言をよく目にします。奈良盆地に関しても、以前の関西高低差大学の講義終了後の質疑応答で、「奈良盆地には、万葉集が詠まれた時代に湖があったのですか?」という質問があり、「湖と呼べる規模のものがあったかは懐疑的だが、今度調べてみますね」とお答えし、私・新之介の宿題になっていました。地形のなりたちを遡っていくと京都や奈良にも海水が侵入した時期があ
もっとみる8.京都の節分に現れる鬼は何者か?京都盆地の風水についても簡単に解説。
京都の節分では、都にはびこる鬼どもが、鬼門にあたる吉田山の吉田神社に集まり、そこを追われて都の南東にあたる八坂神社に現れ、そこも追われて南西の壬生寺に現れ、最後に北西の北野天満宮に現れると鬼はそこで封じこまれてしまうという話があります。それら節分ゆかりの4社寺を参詣する習慣が「節分四方参り」。そもそも節分の日は立春の前日にあたり、古くから旧年の終りの日とされて、この日行われる「追儺」「鬼やらい」の
もっとみる7.灘の男酒をつくりだす宮水の謎
西宮市の今津郷・西宮郷、神戸市の魚崎郷・御影郷・西郷の地域は灘五郷と呼ばれ、日本最大の清酒酒造地帯で日本酒生産量の1/4のシェアを占めているといいます。灘の酒は「男酒」「灘の生一本」と呼ばれ淡麗な風味と後味の切れの良さが特徴。それにはとても狭いエリアでしか汲み上げることができない「宮水」が関係しています。その宮水についてできるだけわかりやすくその謎に迫りたいと思います。
灘五郷の酒蔵の井戸がここ
ChatGPTに『京ことば』についてコラムを書いてもらったが直すところがなかったのでそのままアップします。
【ChatGPT コラム①】 京ことば
『京ことば』という言葉は、京都の街角で耳にすると、その温かさや独特の雰囲気を感じずにはいられません。この方言は、京都の人々によって大切に受け継がれ、日常のコミュニケーションから親しみやすさやおもてなしの心を表現しています。
「いけず」という言葉は、その短い言葉背後に、相手への気遣いや謙虚な心が宿っています。否定的な意味合いを持ちつつも、京都の人々は
京都の嵐山・保津峡・高雄の紅葉がピークに
2023年は寒くなるのが遅すぎましたが、それが幸いしてかすべての落葉樹が一斉に色づき始めたようです。
今年の紅葉は例年より遅いといわれていましたが、実際に11月11日に嵐山の山頂まで登ったときも葉っぱが緑色のままの落葉樹が多かったのです。ところが、急に冷え込みだしたことでそれらが一斉に色づいています。紅葉を見に行ったのが11月26日(日)。小倉山から渡月橋へ。そして高雄に向かいました。今回はきれ
6.大文字山から京都を見下ろす。ホルンフェルスと桜石を求めて。
京都盆地の3大地質であるチャート、花崗岩、そしてホルンフェルス。これらが理解できれば、京都の達人に近づきますよ。きっと。
比叡山と大文字山の間は花崗岩地帯で、長年の風化侵食作用で窪んだ形をしています。その両側は、約9800万年前にマグマが貫入したことで熱変性作用を受けてホルンフェルスという硬い岩石になった場所。ホルンフェルスは浸食作用に耐えて比叡山と大文字山となって残っているのです。ちなみに、約
京都の紅葉、ちょっと遅いかも。嵐山の上から京都を見てきました。
2023.11.11(土)に嵐山に登ってきました。
例年なら京都の紅葉は11月中旬から後半がいいのですが、今年は少し遅いような気がします。この日は紅葉が目的ではないですが嵐山を登ってきました。普段は小難しい記事を書いていますが、軽いのりで嵐山の中からのレポートです。紅葉に行かれる時の参考にしてください。
嵐山に登る時はここが登山道の入り口になります。法輪寺の山門から渡月橋とは反対側へ歩いて5分
5.京都盆地の地下に潜む水盆・巨大スリバチダムを妄想する。
だし文化の決め手、京都の地下水を理解する。
出汁《だし》が決め手の京料理や豆腐づくり、茶道、酒造りなど京都の食文化に欠かせないものが「水」。京都盆地の地下には琵琶湖に匹敵するほどの豊富な水が蓄えられているといいます。しかし、どのような状態で蓄えられているのかを理解するには地層を知る必要があるかもしれません。今回は普段は見えない京都盆地の地層のお話です。
まずは帯水層について
京都盆地の地層
4.京都盆地のバッドランド・花崗岩と白川砂のなりたちを理解する。
枯山水は白い砂が京都にあったから生まれたの?を地質視点で妄想してみる。
京都盆地の地形を理解する上で最も重要な岩石は花崗岩ではないでしょうか。その花崗岩があるのは京都盆地でも限られたエリア。比叡山と大文字山の間です。今回は花崗岩と京都の枯山水に欠かせない白川砂のお話です。
上の写真は、左の山が比叡山で右の山が大文字山。その間のゆるやかに孤を描いて凹んでいる場所が今回の主役です。
地質を
3.京都盆地のチャートがわかれば基盤岩が理解できる。
大陸から切り離されて大移動してきた付加体が京都盆地の基盤。
金閣寺を見ている場所は衣笠山《きぬがさやま》。硬いチャートという岩石でできた衣笠山に登った時に撮りました。京都盆地の北部を見渡すとチャートで形成された山々がいたるところに点在しています。京都盆地北側の景観をつくっている地質とチャートについてお話ししたいと思います。
上の地形図で位置関係を見ていただきたいのですが、平安京を造営した時
2.京都盆地の複合扇状地を理解すると地下水が豊富な理由がわかります。
京都盆地は太古は湖の底だったの?
『京都盆地は、太古は湖の底だった。やがて湖底が隆起し現在の京都盆地ができた。かつてあった巨椋池《おぐらいけ》は太古の京都の姿を伝えるもので、神泉苑《しんせんえん》もそのひとつである。』というようなことが古い京都の本には書かれていたりします。しかし地学の論文や専門書などで京都盆地の地層をみるとそのようなことがなかったことは明らかなのですが、その詳しい話はまた今度
1.京都盆地は断層運動と複合扇状地、チャートと花崗岩の4つでほぼ理解できる。
京都盆地は地球表面のシワのようなもの。フィリピン海プレートが南海トラフに沈み込むエネルギーの流れを妄想する。
京都には京都盆地を一望できる場所がいくつもあります。タモリさんならその風景を見ながら盆地がどのようにできていったのかの妄想を膨らませていくことでしょう。このnoteでは、そんな妄想を膨らますためのプチ知識をわかりやすく解説していきたいと思っています。まずは断層運動から。
京都盆地は三