マガジンのカバー画像

京都芸術大学 連続公開講座

13
京都芸術大学公開講座にて、学んだことを記録しています🐌
運営しているクリエイター

記事一覧

第十三回『歌舞伎』

第十三回『歌舞伎』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第十三回 「歌舞伎」

第十三回は「歌舞伎」、講師はこの公開講座の企画人、進行役の田口章子先生でした。この日は、副題に「視点が変わればみかたが変わる」とありました。田口先生は、歌舞伎の一場面で演じられる、切腹や子殺し、身売り、首実験(武士が戦で打ち取った首を仕えている将軍に見せ、打ち取った首の位に応じて褒美の判断してもらうこと)などが、近代以降、その悲惨

もっとみる
第十一回 『能』

第十一回 『能』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第十一回 「能」

第十一回は「能」、講師は同大学で能楽の研究をされている天野文雄先生でした。講義の副題は、”能に「草木の精」がシテ(仕手、為手、主役のこと)として登場するのはなぜか”とあり、天野先生は仏教の「草木国土悉皆成仏」の思想がその背景にあるとして解説されました。

能の始まりは、遠く奈良時代の散楽、とされていますが、これは、世阿弥の言うように「

もっとみる
第九回 『天孫降臨神話』

第九回 『天孫降臨神話』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第九回 「海外の視点から見る天孫降臨神話」

講師は第一回と同じく、学習院大学名誉教授の諏訪春雄先生でした。

古事記、風土記、日本書紀のいずれも読んだことのない私は「神話」についてほとんど無知です。そのせいで、神話というものが自分の暮らしとかけ離れすぎていると感じました。ストーリーとして楽しむためには、私はあまりに何も知らないし、学説を聞くにしても疑い

もっとみる
第八回 『上方舞』

第八回 『上方舞』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第八回 「上方舞」

上方舞の講師は山村流の宗家、山村友五郎さんでした。
山村流は上方舞の流派の一つで、上方舞の中では最も古い流派です。ほかに、上方舞の流派では、井上流、楳茂都流、吉村流などがあります。

上方舞の大きな特徴の一つとして、「お座敷での舞」という前提があります。静かな、しっとりした舞が多く、なるべく埃がたたないように、たたみ一畳でも舞えるよ

もっとみる
第七回 『現代美術』

第七回 『現代美術』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第七回 『現代美術』

今回の講師は森美術館の館長、キュレーターの片岡真美さんでした。
キュレーターとは、美術館や博物館の資料や作品を収集したり管理したりする職業です。

片岡さんは、現代美術の作品を展示する際、その作者の生まれた国や、その作品についての解説を付けることが多いそうで、その際、世界の地理や情勢についても勉強されていらっしゃるそうです。

もっとみる
第六回 『落語』

第六回 『落語』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第六回 「落語」

第六回、「落語」。講師の桂吉坊さんは落語が始まる時と同様、お囃子と共に舞台に登場し、高座にあがられました。

この日、落語の演目が演じられることはありませんでした。が、吉坊さんが高座でお話をされる様子は落語そのもので、会場には始終笑いが絶えず、たのしい講義でした。
落語が仏教のお説教に影響を受けているということや、落語を聞くお客さんの

もっとみる
第五回 『アイヌ芸能』

第五回 『アイヌ芸能』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第五回 「アイヌ芸能」

アイヌやインディアンのような民族は大自然への「祈り」や「知恵」を大切にしています。この世の道理や自然の法則に逆らわない生き方に魅力を感じていた私は、この日の授業をとても楽しみにしていました。

講師の秋辺日出男さん(デボさん)は阿寒湖アイヌコタン(コタンとはアイヌのことばで村の謂い)でお生まれになったアイヌ民族の方です。頑強な体

もっとみる
第四回 『鼓』

第四回 『鼓』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第四回 「鼓」

第四回は「鼓」の講義。講師の大倉源次郎さんからお話を伺うまで、鼓という楽器について、私はよく知りませんでした。
日本の芸能、例えば、能や歌舞伎でよく目にする鼓。
「お囃子」とよばれるように、鼓はいつも舞台を囃す、引き立てるという役目を担っているため、私たちは、つい、舞台の真ん中で舞っている人に目が行きがちです。が、鼓のお話を聞き、音を聴

もっとみる
第三回 『短歌』

第三回 『短歌』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第三回 「短歌」

公開講座の第三回目「短歌」の講義。講師は歌人、馬場あき子さんでした。

講義が始まる前に配布された資料は、馬場さんが鉛筆でお書きになったものをコピーされた資料でした。サラサラと鉛筆の音が聞こえて来そうな端正な文字は、楽しみにしていた講義への期待感をますます膨らませました。

馬場さんは1928年に東京でお生まれになり、十代後半に短歌の

もっとみる
第二回 『琵琶』

第二回 『琵琶』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座

第二回 「琵琶」

「みなさん、難しいことは自分で調べてくださいね」

京都芸術大学一般公開講座2023、第二回は「琵琶」。筑前琵琶奏者、奥村旭翠さんが講師でした。冒頭の言葉は、琵琶についての知識を聞き出そうとする司会の先生に対して、そして私たちに対して奥村さんがおっしゃった言葉です。このさっぱりした言葉は少し面白くも感じられましたが、本当にその通りだと

もっとみる
第一回 『世界の暦と正月』 

第一回 『世界の暦と正月』 

昨年度に引き続き今年度も、週に一度、京都芸術大学で行われる一般公開講座「日本芸能史」に通うことになりました。

昨年は、講義で学んだことや感じたことを文にまとめることは少なかったのですが、今年は感想を少しずつでも書きとめていきたいと思っています。

講義だけでなく、京都の散策も楽しみのひとつになりそうです。

❀ ❀ ❀

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座 

第一回 「世界の暦と正月」

もっとみる

京都芸術大学の一般公開講座、伝統芸能史 前期が修了🎐
浄瑠璃、雅楽、日本舞踊、陶芸、能。
一流の方々の実演を交えての講義は、毎週価値のある時間でした。特に、思いがけぬ予定変更で、佐伯啓思先生による死生観の授業を受けることができてとても嬉しかったです。
写真は金福寺の縁側の団扇。

雅楽

雅楽

京都芸術大学公開講座2022 

日本芸能史 第4回  
講師 東儀秀樹さん

今回は雅楽師の東儀秀樹さんが講師だった。
東儀さんのことは、高校時代に仏教の授業で少し聞いたことがあるくらいで、詳しくは存じ上げていなかった。
今回の講義で雅楽を通して、東儀さんの人生哲学を垣間見、東儀さんの雅楽の世界観に惹きつけられてしまった。講義の翌日、図書館で東儀さんの著書『雅楽 僕の好奇心』を借りた。この本の中

もっとみる