結局、母の死に対峙して泪ひとつ零していない己の冷徹さに戦慄する。 恐らく永の別れをしている自覚がなく、じゃあ、またなという、傾いた心情が根っこにあるんだろう。別れという心情を持っていなければ、只一人、泣かぬ者が場にいても不思議はなく、こういう異端を心から残念だと己を責める也けり。
中村うさぎさんが「自虐で人を笑わせることができるのは、自己肯定があるから」というようなことを仰っていて。なるほどーと思った後に、笑われて傷つかないまでが前向きな肯定のセットかなと思い直した。