Jack

バンコク在住人事コンサルタント。Asian Identity 社CEO。ネスレ、リンク…

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バンコク在住人事コンサルタント。Asian Identity 社CEO。ネスレ、リンク&モチベーション、グロービスを経て2014年にタイで起業。アジア×人事×経営。YouTubeチャンネル「リーダー道場」運営。著書『リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる』

最近の記事

会社を辞めて10年経って思うこと

10年前の6月30日に会社を辞めて、タイでのチャレンジをスタートしました。7月になるといつもその時のことを思い出します。 会社を辞めて「何者でもない人」になる不安と、「給料ゼロの生活」が始まる恐怖を抱えながら、LCCに乗ってタイに降り立ったのを今も覚えています。 あれから10年。 今日も自分はLCCで日本に向かっています。 当時、「家族に貧乏だけはさせない」「子供の将来をちゃんと考える」という妻との約束を胸に刻んでスタートしました。 その後なんとか貧乏はしてないし、

    • AIにリーダーシップは発揮できるのか?

      「AIにリーダーシップは発揮できるのか?」 この質問に、皆さんはどう答えますか? 10年前なら「さすがに無理でしょ」と答える人のほうが多かったと思いますが、最近は「結構いけるんじゃないか」と答える人もいるでしょう。 私も、今の時点では「かなりの部分いけるだろう」と思っています。 AIがCEOを務める会社 実際、AIに経営を任せる会社は増えているようです。 2023年に米Mobeon社がAIにCEOを起用したことが大きなニュースになりました。 新たに就任したCEOは「

      • エヌビディアCEO、ジェンソン・ファンのピッチはダメダメだったという話

        いま、世界で最も注目の企業といえばどこでしょうか?? 多くの人が、「NVIDIA」と答えるんじゃないでしょうか。 生成AIに必須のGPUの世界シェア98%を誇る注目企業です。時価総額は2兆ドルを超え、アップル・マイクロソフトに次ぐ世界3位に急伸したことは大きなニュースになりました。10年前に同社の株価を買っておけば200倍になっていたということです(遠い目)。 創業者でありCEOの台湾系アメリカ人、Jensen Huang(ジェンセン・フアン)は「革ジャンCEO」として

        • 職場の「モンスター社員」はなぜ生まれるのか?

          タイの多くの会社で研修などを担当させていただいていますが、必ず「周囲とうまく仕事ができず、問題ばかり起こす人がいて困っています。どうしたらよいでしょうか?」という質問が出ます。 これは、国を問わず共通して同じ傾向です。 こうした社員は時に攻撃的になるあまり、誰も近寄れないモンスターのようになっていることもあります。 今日は、多くの職場の悩みとなっているこの「モンスター社員との接し方」について取り上げてみます。 ■モンスター社員の特徴 まず、モンスター社員とは一般的に

        会社を辞めて10年経って思うこと

        • AIにリーダーシップは発揮できるのか?

        • エヌビディアCEO、ジェンソン・ファンのピッチはダメダメだったという話

        • 職場の「モンスター社員」はなぜ生まれるのか?

          数字は大事だけど、数字を作って満足しているようではいけない

          最近思うこと。 毎年ヒーコラ言いながら必死で数字を作っていると、数字を伸ばすことに満足してしまい、ふと気づくと「自分は何のために経営してるのか」を忘れてしまいそうになる。 数字を作るのは義務であり、また立派なこと。 だけどその先に実現したい理念や、社会に叫びたいメッセージがないと、わざわざ経営してる意味ってなんだったんだっけ、となりかねない。 一方で、「社会を変えるストーリー」を格好よく叫んでみたところで、カネを稼いでないとなんら説得力はない。また、ストーリーを叫び

          数字は大事だけど、数字を作って満足しているようではいけない

          誰かを諦めそうになったとき、どうしたらよいのか

          人間関係に悩む全ての人は「果たして人間は変わるのか?」という問いに直面する。 私なりの答えは 「大きくは変わらない。でも、少しずつなら変わる。」というものだ。 企業であれば、問題がある人をそのまま放置しておくわけにもいかない。経営にダメージがあるようなポジションであれば、思い切った配置転換も必要だろうし、場合によっては会社を去ってもらうことも避けて通れないかもしれない。 でも、多くの人は、"少しずつ"変わっている。 そこに気付けずに「この人はまったく変わらない」と決

          誰かを諦めそうになったとき、どうしたらよいのか

          訪日外国人が300万人を超える一方、出国日本人の数が「4割減」ととんでもないことになっている

          4/29(月)の時点で「1ドル160円突破」というニュースが飛び込んできまして、為替の動きから目が離せなくなってきました。 こうも円安が続くと海外旅行はどんどん足が遠のくだろうなぁ、、と思って数字を見てみましたが、やはり「日本から海外へ渡航する人の数」(出国日本人)の数は激減しています。 JNTOの「訪日外客数・出国日本人数」という統計を見てみます。 まず訪日外国人は3月に月間「300万人」を超えました。かつて「年間2千万人」を目指していた頃が遠い昔に感じられるような数

          訪日外国人が300万人を超える一方、出国日本人の数が「4割減」ととんでもないことになっている

          日本はなぜ「二重国籍」を認めないのか?

          「二重国籍」の問題を取り扱ったアベプラの番組。海外に住むものとして関心の高いトピックでとても興味深く見ました。 「世界の75%の国々は二重国籍を認めているが、日本は認めていない。」「しかし、実態としては容認しているダブスタ状態」というのが日本の現状です。国籍は22歳の際に選択義務がありますが、選択したかどうかの把握を日本政府がしていないためです。確かに「パスポート2枚持ち」の人は結構いますので、実質的には容認状態だと思います。 コロナの際にこの問題の大事さと難しさを痛感し

          日本はなぜ「二重国籍」を認めないのか?

          岸田首相が晩餐会で見せた「自虐スピーチ」はなぜ効果的だったのか

          日本人が海外で行うスピーチを見るのが好きですが、今回の岸田首相の晩餐会でのスピーチはとても評判が良いものでした。 おそらく優秀なスピーチライターがついているのでしょう。晩餐会という場にあわせてジョークをいくつも盛り込んでいました。特に、何度も入っていた「自虐ユーモア」が私はとても印象に残りました。 自分を下げる前に誰かを上げる 地位の高い人物がユーモラスに自分を茶化すことは親近感を増す効果があります。が、それを狙ってやるのはなかなか難しいものです。 岸田氏が用いたユーモ

          岸田首相が晩餐会で見せた「自虐スピーチ」はなぜ効果的だったのか

          「子供は手をかければかけるほどダメになる」~岡田監督流の子育て論

          これは全親に見てもらいたい動画だなと思いました。 サッカー監督を経て、教育業界に身を転じた岡田監督は、口を出しすぎる親が子供をダメにしていると言う。 一方、先生は「途中のセーフティーネット」としてかかわるべきだとして、教えすぎない指導方法を語る。 最後に、我慢できずつい口を出してしまう親へのメッセージとして「子供を大人として認めてあげる」ことの大事さを説く。 「愛情があるあまり、口を出してしまう」というのは多くの親にとって耳の痛い話かもしれない。中学生から高校生くらい

          「子供は手をかければかけるほどダメになる」~岡田監督流の子育て論

          残るか、帰るか。~タイ起業10年記⑯

          バンコクのロックダウン生活が始まって間もなく、4月初旬のことだった。 義母急逝の連絡。 家の中には動揺が走った。 通常なら、もちろん飛んで帰るところだ。 だが、今は世界中の飛行機がほとんど欠航している状態。 しかも、いちど日本に戻ったらタイに戻れる保証はない。 帰るか、残るか。どうする? さんざん悩んだ挙句、片道切符で日本に帰ることにした。 お義母さんを見送りたい。その一心での決断だった。 調べたら、インチョン経由の大韓航空がかろうじて飛んでいることがわかったので速攻

          残るか、帰るか。~タイ起業10年記⑯

          「流れ星を捕まえるように」文章を書く~1か月間のブログ生活を終えて

          2月の1日~29日の1か月間、ブログを書くと決めて今日が最終日。 15人の仲間の皆さんと励ましあいながら、なんとか完走することができた。(皆さんの記事は #1か月間ブログ書くぞ のタグから読むことができます。) 途中から始めた「タイ起業10年記」はまだ続いているので、執筆はもう少し続けていくが、「毎日必ずポストする」というのは今日で少し緩めることにしたい。(しんどすぎるので笑) 1か月文章を書いてみて思うこと。それは、 「毎日書く中で、いろいろなシンクロニシティ(偶然

          「流れ星を捕まえるように」文章を書く~1か月間のブログ生活を終えて

          そして「バンコク封鎖日記」が始まった~タイ起業10年記⑮

          2020年のコロナ騒動は、僕らタイにいる日本人にもかなりの影響があった。 日本よりも厳しいロックダウンのせいで、生活は不自由になった。タイ全土に非常事態宣言が出て、移動も不自由になった。子供たちの学校も投稿停止になり、リモート授業に切り替わった。 駐在員は日本に帰れない・家族に会えない日々が続き、現地採用の方の少なくない人数は日本に帰った。そして僕ら中小起業家も、撤退・縮小などを含めた経営判断を求められた。 これは大変なことになる。 そう思った僕は、とにかくこの混乱の

          そして「バンコク封鎖日記」が始まった~タイ起業10年記⑮

          「1800万円のサイン」で手が震えた日~タイ起業10年記⑭

          最悪の状態の組織から脱するための「勇気」。 それが僕には必要だった。 そんな時、強制的に勇気を出さなくてはいけない出来事があった。 それは「オフィスの移転」だ。 先日書いたように、パートナーとのすれ違いもあって、共同で使っていたオフィスから出ることを決めた。2018年の後半ことだった。 もちろん、強制的に出たのではなく、自分の意志で出たのだ。 何かを変えたい。 環境を変えることで新しいスタートを切れるのではないかと期待した。 どうせ出るなら、みすぼらしいオフィスにはし

          「1800万円のサイン」で手が震えた日~タイ起業10年記⑭

          「会社をつぶそう」と思った日~タイ起業10年記⑬

          この10年間、幸いにして倒産の危機というのはなかった。 お陰様でお客さんからの依頼は途切れることが無かった。 労働集約的ゆえにメチャクチャ儲かるビジネスではないが、少しずつ組織を大きくしながら、日々より良い仕事をしていくことに充実感を感じてきた。 ただ一度だけ、本気で「もう経営をやめたほうがいいんじゃないか」と弱気になったことがある。 それは、組織の信頼関係が崩れてしまった時だ。 弊社の企業理念の中に、「Show by Examle(範を示す)」という言葉がある。人事

          「会社をつぶそう」と思った日~タイ起業10年記⑬

          「感謝と貢献」。タイのスーパースター、ガンちゃんから学んだこと~タイ起業10年記⑫

          私がこの10年間でお世話になった恩人を二人挙げろ、と言われたら間違いなく前回書いた師匠の鶴田先生と、ガンちゃんを選ぶだろう。 ガンちゃんはタイにいる人であれば知らない人はいない有名人だ。 流暢な日本語を駆使し、通訳や司会を務めて多くの人を魅了している。 起業する際に、ガンちゃんは僕の会社の経営パートナーになってくれた。 タイ人無くしては経営ができないタイという国において、これ以上の強力な味方はいなかった。 起業してまもなく、僕は師匠の鶴田先生のセミナーに、彼を誘った。

          「感謝と貢献」。タイのスーパースター、ガンちゃんから学んだこと~タイ起業10年記⑫