べにこ/刺繍屋の頭の中と日常

活字中毒。ずっと本や言葉に支えられてきた。今まで心の澱を掬ってくれた言葉への感謝がやま…

べにこ/刺繍屋の頭の中と日常

活字中毒。ずっと本や言葉に支えられてきた。今まで心の澱を掬ってくれた言葉への感謝がやまない。わかりやすいもの共感されやすいものからは距離を置いてわかりにくいもの、分かち合えないもののことを考えたい。 刺繍をしています。Instagram→@ke_hare_embroidery

マガジン

最近の記事

甥っ子。

ひと月前に甥っ子がくれた朝顔の種から、無事3つの芽が出て順調に育っている。晴れた日に鉢替えをして、夏休みの帰省の時に彼に見せよう。 去年の夏休みに育てていた朝顔の種を、伯母の私に渡したはいいものの、大切なものだったらしい。その後も彼の母親を通して「大切に保管しているのか。」「よーこ(私の名前)はちゃんと種を植えるつもりなのか。」とチェックが入った。 小学二年生の甥っ子は、私が愛犬を喪った年に生まれた。私にとって、初めての血縁の子供。彼は小さいころから気難しくて、繊細で、打た

    • 愛するということ。

      ずっと雨の一日。予定がなくなったので、一日家に居ようと思ったけれど、買おうと思っていた本と、猫へのご馳走だけ買いに行く。猫、ご馳走に目をむいて喜ぶ。声高らかにご馳走の欲しさを訴える。残りをストックした場所から離れない。日に日にご飯のグレードをあげてしまう私は猫の下僕。猫にはどこまでも服従。 友人から聞いた話から、今日は愛するということと執着のことをずっと考えている。「愛」について語ろうとするとき、そわそわする。言葉で表現したら薄っぺらくなる気がする。けど、今年のはじめに読ん

      • 簡単に理解しないで。

        6月30日(日) 夜 一ケ月ぶりくらいに実家に帰った。父母と何か特別話すというわけではないけどだらだら過ごす。私は自分のことをあまり家族に話さないけど、ただ家族と一緒に過ごす。今日もそんな一日だった。 今日は、「相手のことはずっとわからない」を反対側から見た話。私は、相手のことがそう簡単にわからないと思っているから、自分のこともそう簡単に他者が理解できるとは思っていない。分かってたまるもんか。 ものごとが単純化されて分かりやすくされることに、どうしても抵抗感がある。例え

        • 私の犬の挽歌。

          6月29日(土)  雨上がりの朝、だらだらと起き始めて出かける。 今日はワークショップでお世話になる書店、心音Booksさんで開催された猫歌人 仁尾智さんのトークイベントへ行きました。先日購入した仁尾さんのご著書「また猫と 猫の挽歌集」や短歌についてのお話でした。 また猫と 猫の挽歌集|書く|書籍|雷鳥社 Raichosha 猫に限らず、喪失の経験はその人の暮らしを一変させると思っている。何度も書いたり言ったりしているけれど、私は8年前に喪った愛犬のことを何かにつけて

        マガジン

        • 雑記たまに日記
          30本
        • 読書録
          0本

        記事

          砂鉄さん。

          6月28日(金) 夜 今日はずっと雨。私はけっこう気圧の影響を受けるらしい。最近雨の日は必ずと言っていいほど午後に寝落ちしてしまう。今日も猫に「何でそんなにかわいい感じに仕上がっているのか。」と質問しながら横にいたら知らぬ間に寝ていた。少し前から猫のしっぽの格好良さに気づいて常々「かっこいいねぇー」と褒めちぎっていたのだけれど、今日は鼻の可愛さに気づいた。コーラルピンクの鼻。下のほうだけちょっとこげ茶でさわり心地がムニムニ。触ってもあまり嫌がらなかったのでここぞとばかりに触

          都知事選が気になる。

          6月27日(木) 夜 暑くなってきて猫の開きがよく見られる季節。こんなにリラクシーに開いてくれているのがいとおしい。信頼を寄せられることは相手が人でも動物でも幸せ。 今日は、ちょっと自分が焦りから行動していたことに気づいた。一個一個もっとやれることあるなという感じがする。直観的にかんじることは拾っていきたいな。 都知事選がとても気になっている。気になることが多すぎるんだけど、無知なりに思うのは、今の選挙の仕組みでは日本の未来が見えないということ。東京都に住んでいる人たち

          今の暮らしのこと。

          6月26日(水) 夜 夜中猫のお遊びに付き合っていて、細切れの眠りの朝、起きるのが7時台になってしまった。 今日は外で働く日。たまに友人のお店を手伝っている。 で、今から私の家に友人が来て、そうめんパーティー。 たくさんそうめんをもらったらしい。私は食べることが好きだけど、ものすごく高級なものを食べたいとか、どこどこのレストランに行きたいとかがない。誰と食べるかとか、食べるときの幸福度を重要視している気がする。 一人なら、簡単にできるおいしいものを作る。最近は暑くてキ

          自分にきびしくして、いいことなんてない。

          6月25日(火) 夜 今日は体が重たくて、それに抗えなくて半日くらい横向きだった。猫もずっと寝ていて、ついつられてしまう。私は自分にあまい。 自分にきびしかった時がある。セラピストをしていた十数年前のこと。とても気を張る仕事だった。自分の技術がそのまま評価になる。それがとても楽しくもあり、プレッシャーにもなった。 会社に属していると、仕事の頑張り方はとてもわかりやすかった。当時、誰よりも動いて誰よりも結果を出して、上司にも部下にも尊敬される人がいた。頑張り方のロールモデ

          自分にきびしくして、いいことなんてない。

          誰が不惑の40て言ったの。

          6月24日(月) 夜 今日は手をそろえて寝ていた猫。梅雨入りして、湿度が増しているから猫のにおいもとても良い感じだ。 今週で6月も終わり。半年かけて、暮らしの土台が定まってきたように思う。お金のことだけを考えれば、もっと動いて収入を得ることにフォーカスしただろうけれど、退職後、兎に角考えていたのが「焦ってもそれに引っ張られないこと」だ。たまに浮上する焦る気持ちに対して、「何のためにフリーになったの?目先じゃなくて長期的に考えて。」と自分に言ってきた。そのおかげでできた土台

          誰が不惑の40て言ったの。

          相手のことはずっとわからない。

          6月23日(日) 朝から雨だった。雨は嫌いじゃない。雨だから、家にじっとしていても、出かけたくてうずうずすることもない。猫もずっと寝っぱなしを決め込んでいる。 誰かのことを全部理解できたと思ったことがない。誰かに対して「私があなたの一番の理解者」と思ったこともない。そうありたいと思うことはあってもなれるとは思えない。 批評家の若松英輔さんが「どんなに大切な人であっても頭の中までは入っていくことはできない。」とおっしゃっていた。その通りだと思う。 人はずっと一人だ。誰かと

          相手のことはずっとわからない。

          自分がコントロールし得ない範疇のことは考えない。

          6月22日(土) 夜 山羊座 満月 書き出しが猫のことばかりになる。よく猫の後頭部のにおいを嗅いでいます。癖になる。動物のにおい、たまらない。実家で飼っていた柴犬の肉球のにおいもよく嗅いでいた。トウモロコシのにおいがした。 後頭部にしても肉球にしても、こちらを許してくれていないと叶わない場所なので、動物が私を受け入れてくれているという現実が、においと共にさらに幸せな気持ちにさせてくれる。 言葉を大切に大事にしているのだけれど、自分の心境、状況に応じてもらいにいく人が変わる

          自分がコントロールし得ない範疇のことは考えない。

          ピン止めされる言葉。

          6月21日(金)夏至 夜 猫がかわいくて仕方ない。今日は家の周りを散歩しました。猫はこの草ぼーぼースポットが気に入っていて、よくゴロゴロ転がったり、私から隠れているふりをしたり、サラダバーとして草を食したりしています。何していてもかわいい。 心が震えるというと、何かの歌詞みたいではずかしいのだけれど、本当に振動していると感じることがたまにあります。量子力学的にみても私たちは量子の集まりなので振動しているらしくて、だから言葉が響いて震えるっていうのは確かだと思っている。

          暮らしと労働の境目。

          6月20日(木) 夜 猫、いつもこうして私の三つ折りのマットレスの上で昼寝をしているのですが、昨日敷いている布を洗濯したら、「おい、何か違う。」と表情で抗議してきたので私のタオルケットを敷いて差し上げたらすやすやと寝ています。別に香り付きの洗剤使ってないんだけどな。何が気に入らないのかわからないけど、意思表示してくれるのは嬉しくもあります。 今日も一日があっという間にすぎた。というか、一週間あっという間。もう木曜日。 朝、野菜を買いに行く。近所でたまにある朝市で野菜を買

          寛容であることと、意思表示をすること(婚姻関係にある相手の呼び名について)。

          6月19日(水) 夜 この、猫のおててないないかわいくて好き。 今日は、友人と話したある話をきっかけに書いてみようと思います。 これから書く内容は、今、それを使っている人を糾弾する目的は一切ありません。全員が同じ思考になる世の中ほど危ないものはないと思ってもいます。誰かを排除したり否定する目的も全くありません。ただ、自分の持っている違和感や疑問について、同じように感じている人が周りにもいること、他者に対して寛容でいることと、自分の意思を表示することは両立できると思ってい

          寛容であることと、意思表示をすること(婚姻関係にある相手の呼び名について)。

          辞めてからの私のこと②。

          6月18日(火) 昼 猫の手足かわいい。手足は茶系なのに、尻尾はグレーがかっているところもたまらない。 仕事辞めてから半年、昨日は5月までのことを書いた。 この6月は、数日前に始まったような感覚がしていて、折り返していることにまた焦るけど、手帳を見返すと色々していた。 ・6月 ワークショップの募集を始める。SNSの力を感じる。SNS苦手と言いつつ、まだやれそうなことあるなと思う。ワークショップでお世話になる場所の本棚オーナーにもなった。仕事につながるかもしれないだけでは

          辞めてからの私のこと②。

          辞めてからの私のこと。

          6月17日(月) 夜 雨がよく降るようになってきた。もうすぐ梅雨入りだろう。最近は毎朝6時、遅くても7時には起きて活動を始めている。夜は日付が変わる前には寝るようにしていて、この規則正しいリズムが嬉しい。 去年まで10年間、大手コーヒーチェーンで働いていた。 その前は4年ほどセラピストの仕事。 その前にも3つくらい仕事をしている。 めちゃくちゃ転職している。社員だったりアルバイトだったり雇用形態もその時々だったけど、一貫しているのは時間が不規則なシフト制だったこと。セラピス