松本拓郎

1993年生まれ。NHK朝ドラの脚本家を目指し、執筆に励む毎日。会社員で英語教育事業に…

松本拓郎

1993年生まれ。NHK朝ドラの脚本家を目指し、執筆に励む毎日。会社員で英語教育事業に携わっております。2019年11月から2024年2月までオーストラリアに住んでいました。Instagram→himejin

マガジン

  • オーストラリア🇦🇺ワーホリ

    2019.11月からのワーホリ記録

  • 朝ドラへのあくなき道

    NHK朝ドラの脚本執筆への道。会社員兼物書きとしての、日々の活動をまとめるマガジンです。

  • 小説コンクールへの挑戦

    2023年1月締切の「集英社オレンジ文庫大賞」に向けての執筆をリアルタイムでおとどけするマガジン。

  • ショートショート

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  • セブ英語学習記

最近の記事

帝王切開前に旦那ができる唯一のこと

先月生まれた第一子は帝王切開であった。 当初の予定では無痛分娩だったが予定日を過ぎてもなかなか出てこず、このまま待っていてはほんのわずかな可能性だが、妻と子供の命が危なくなると医師から報告を受けた。だからその日中の帝王切開がベターだと。 「あとは旦那さんの判断です」 医師は僕に委ねた。 妻は不安そうであったが腹は括っている様子だ。 「切りましょう!」 軽々とそんなこと言っちゃっていいのか、俺に何の権限があるのか、そんなことを考えつつも、同意書にサインをした。 手術前、控え

    • 完成させるやつ

      先日偉い人と飲んでいた時のこと、話題が僕の執筆の話になった。言い訳になるが、最近はもうバタバタで、なかなか書く時間が確保できていない。僕の場合、3時間あれば書けるだろうなという量でも結局10時間くらい必要になるので、時間の確保は命題なのだ。オーストラリアにいた時はとにかく暇だったので割と書けた。 「どんな話を書いてるん?」 「作文の天才少年がいるんですけど、実はそれを書いているのは全て母親で、母親が倒れてしまって自分で舞台の脚本を書かないといけなくなって……」 「よくあるや

      • 負けたあとどうするか

        僕は「書きたい人間」であると同時に「書き方を知りたい人間」でもある。方法論がとにかく好きで「アイデア発想術」や「魅力的なキャラクターの描き方」みたいな本が大好きだ。シナリオや小説創作にまつわる本ばかりを出しているフィルムアート社という出版社があるのだが、そちらから出ている書籍は大体押さえている。 英語も同じだ。そんな時間あるなら勉強しろよと自分でも思うのだが「英語学習法」みたいな本とかYouTubeが大好きだ。最近は子供ができたので、裾野を広げ「学習法」そのものに興味がある

        • 豪国肉工場ヒヤヒヤ日記

          シドニーの肉工場で働いていた、あの頃オーストラリアでの4年間はいろんな仕事をさせてもらった。 ツアーガイド、フルーツ農家、引っ越し屋、治験、ウーバーイーツ、マダムの家のペンキ塗りetc… 総合的に一番安定していたなと思うのは、最後の1年間やっていた肉工場の仕事だ。 工場の朝は早い。朝3時45分に起きて、4時に家を出る。4時半にはもう工場のユニフォームを着て肉のベルトコンベアの前に立っている。 もう一度やれと言われたら絶対に嫌だ。そもそも朝が早いのがかなりのストレスだし、中は

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          タイガース積立投資

          株式投資は2017年ごろから始めた。当時はアベノミクスの真っ只中で日本株が鰻登りに上がっていた。「見せかけの好景気」も相まって、始めた当時は買えばは儲かるという感じでビギナーズラックを手にできた。 しかし程なくしてコロナショックがやってきて、数年間で積み上げてきた利益が一瞬にして吹き飛んだ。しかし、どうやら株式投資はそこでリタイアしてしまわないのが肝心らしい。吐きそうな時こそ買いなのだ。たった7年の投資歴だが、この「吐き気メーター」はどんなに優れたチャート分析よりも正確だと思

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          最初の3ヶ月理論

          今年の6月で31歳になるので、さすがに仕事上のミスは減ってきた。というか新卒で入った会社での僕のやらかしレベルと言ったらもう、暴れ馬レベルであったので前がひどすぎただけのことである。 新卒で入社させてもらったのは大阪市にある布団レンタル事業の会社さんだった。ちょうど僕の頃から新卒を採り始め、会社を大きくしていこうという過渡期にうまく拾ってもらったのだ。 営業職という条件で入社はしたが、実際にやったのは配送などの現場業務で、営業という営業はあまりした記憶がない。他責は嫌いだが

          最初の3ヶ月理論

          イクメンというナルシズム

          昨日、妻を通して義母からこんな新聞記事が送られてきた。 この記事の中では育児や家事に参加する「イクメン男性」二人が取材に応じている。一人は、子供ができたことがきっかけで男性の育児参加の重要性に気づき税理士として育児世帯を応援するようになった男、もう一人は現在進行形で仕事と育児に奮闘する男だ。 吐き気がする。よくもまあ堂々と「自分は世の中のパパの代表です!だからみんなも頑張りましょう」みたいなことができるなと思う。あたかもすごいことをしているかのように。黙ってやっとけばかっ

          イクメンというナルシズム

          最強の読書法

          最強の読書法を編み出した。ここで言う読書とは主に小説やノンフィクション、学術書のことを指すのであって、何の役にも立たない自己啓発本やビジネス書ばかり読む人の「読書」とは一線を画していることは先に忠告しておく。 基本的にああいう類いの自称読書家が得たい情報というのは、本でなくとも代用できる。YouTubeとかXで発信している内容をそのまま活字にしただけの著者ばかりだからだ。本というフォーマットはある種の麻薬作用がある。どこかで聞いたことのあることや内容のない薄っぺらいことも、

          最強の読書法

          勝ちマッスル

          小学校2年生の頃から阪神ファンをやっているものだから、今年ももちろんタイガース贔屓でやらせてもらっている。「去年は高橋手帳だったけど今年はほぼ日手帳で行こう」みたいなノリで「2024年は広島カープでやらせてもらおう」とはならない。案内なしの自動更新である。 基本的に僕は箱推しだ。生え抜き、移籍組、外国人問わず、タイガースのユニフォームを着ている(着たことがある)人間は応援する。 誰か1人選べ!と、過激派タイガースファンからナイフを突きつけられたら、僕は石井大智をピックアップ

          勝ちマッスル

          「あんのこと」を観て、noteを毎日書こうと思った

          今日、テアトル梅田にて「あんのこと」を鑑賞した。 たいへん素晴らしい作品であった。どれくらい素晴らしいかと言うと、エンドロールが流れ切って場内が明るくなった時に「note毎日書かなきゃいけない」と思ったくらいに素晴らしかった。 というわけで本日より2025年6月23日まで、毎日更新いたします。 なぜそう思ったのか、順を追って説明いたします。 今年の2月に帰国し、4年に及んだ「オーストラリア編」が終了してからというもの、日々が慌ただしく、なかなか落ち着かなかった。 一緒に帰

          「あんのこと」を観て、noteを毎日書こうと思った

          体温

          「世の中の体温をあげる」 これは株式会社スープストックトーキョーの企業理念である。この言葉を思い出すだけでグッと熱くなって、僕の体温は上がる。 昨年4月、スープストックは“炎上”した。理由は幼児向け離乳食を無料で提供するから、というものであった。 “着火側”の言い分を簡単にまとめると「大人が1人でゆっくり楽しむ場所なのに」ということらしい。 この件の賛否について僕からの意見はない。あーそうなんだという感じである。ただこの騒動を受け、株式会社スープストックトーキョーが公式に出

          あの人は人生1回目だから

          最近は訳あって、彼女の付き添いで毎週のように病院に行っている。こっちの病院はすごい。医療が発達しているとか、最新鋭の機械があるとか、そういうすごさではなくて、患者に対してとてつもなくドライなのだ。 小説家の西加奈子さんがカナダでガン治療をしていた時に「あ、ガンなんや。まあ頑張って治していこな」と他人事のように(確かに他人事なのだが)扱われたのが衝撃だったと言っていたが、それに近い感覚がオーストラリアにもある。日本のように、作ったような、同情を含んだ顔で見てくる看護師も医者もい

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          ちびっこキャンプで盛大に漏らした話

          今の僕を形成した環境とか出来事は何だろうとたまに考えるが、やはり行き着くのは小学校1年生の夏休みの「ちびっこキャンプ」で盛大にうんこを漏らしたことだ。 人の性格は小学校高学年くらいの時点で決まる、というのは本当だと思う。テレビっ子でジャニーズが好きだった姉が熱心に観ていたドラマを、僕は何の気なしに眺めていることが多かったのだが、その一つ一つがどういうわけか今も胸に残っている。おそらく「ドラマとはこういうものだ」という、初めてもらう教科書のような役割を「ランチの女王」が、「愛

          ちびっこキャンプで盛大に漏らした話

          今日、阪神は優勝する

          今日、阪神が優勝する。何年待っただろうか。最後の優勝、つまり金本が阿部のライナーを捕ってこっそりウイニングボールをポケットに入れたあの日が2005年だから、18年ぶりということになる。当時12歳だった僕は30になってしまった。その間に僕は、実家を出て大学を卒業し会社を辞め、いまはオーストラリアにいる。2003年や2005年当時、阪神の優勝特番で「世界のファン」という特集で、海外から喜びの声をあげる阪神ファンを見て、いろんな人がいるものだなと思ったものだがまさかその一人に自分が

          今日、阪神は優勝する

          無意味なURLを貼る人たち

          僕は寝つきが悪く、うまく入眠できないことは何度かこのnoteに書いてきたが、最近新たな事実が発覚した。僕はどうやら睡眠に繊細なのではなく、数字に繊細なようだ。 安心してください。説明いたします。 僕が眠れない時というのはだいたいが次の日の朝が早い時だ。今やっている仕事は朝4時起きなので、前日の夜は「起きなあかん」というプレッシャーや仕事が始まる憂鬱さなどを抱えながら目を瞑る。眠れない時、考えるのは「うわー、これ寝れんやつやん。いまが23時やから、24時に寝れたとしても4時間

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          そして今日もあきらめて布団に入る

          4月に入ったくらいからだろうか、英語学習にまた力を入れ始めている。僕は「漠然とした努力」ができない人間なので、とりあえずは年内にIELTS6.0を目指して勉強している。6.0というスコアは英検準一級レベルらしいので僕としてはちょうど良い。IELTSは海外の大学へ入学資格を得るために用いられることが多いテストだが、スピーキングやライティングも包括しているので、実践力を鍛えるにはもってこいのテストなのだ。何より、英検やTOEICよりも「IELTSのスコアしか持ってないんすけど、い

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