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最初の3ヶ月理論

今年の6月で31歳になるので、さすがに仕事上のミスは減ってきた。というか新卒で入った会社での僕のやらかしレベルと言ったらもう、暴れ馬レベルであったので前がひどすぎただけのことである。

新卒で入社させてもらったのは大阪市にある布団レンタル事業の会社さんだった。ちょうど僕の頃から新卒を採り始め、会社を大きくしていこうという過渡期にうまく拾ってもらったのだ。
営業職という条件で入社はしたが、実際にやったのは配送などの現場業務で、営業という営業はあまりした記憶がない。他責は嫌いだが、直属の上司のような存在がおらず、誰に何を聞いて何をすればいいのか分からなかった。おそらくだが「新卒の営業職」を採用した前例が今までなく、僕を受け入れる体制が整っていなかったのだと思う。

こうして僕は2016年から2019年秋、23歳から26歳までの貴重な若い時間のほとんどをハイエースの運転に費やすこととなった。
まず、入社して1ヶ月で先輩社員の車を破壊した。社用車を停めようとバックしたところ、運転にまだ不慣れだった僕は隣に停まっていた先輩Kさんの車のフロントにぶち当ててしまったのだ。あのスタートの躓き方は、2016新卒の中でもトップクラスだったのではないか。ドラマ「スーツ」で敏腕弁護士ハーヴィーが言っていた。
「俺がなんで周りから信頼されているか分かるか? 最初の3ヶ月、死ぬ気で働いたからだ」
その言葉と対極の気流に乗ってしまい、大阪ジャングルに迷い込んでしまったのが僕だ。

入社したてで大きなミスをすると、どうなるか。そこから信頼を回復させるのは難しい。時間がかかる。「あいつはやばいことをしでかすやつ」という好奇の目にさらされ、会社で窮屈な思いをすることになる。
もうミスはしたくないとは常日頃から思っていたが、天性のだらしなさによってその決意はいとも簡単に崩されてしまう。以下に挙げるのは僕の代表的なやらかしだ。そのどれもが会社を震撼させたのは言うまでもない。

・太客であった「怖い人たち」の事務所で飼っていた犬を車で轢きそうになる
・葬儀場にて、入ってはいけないと言われていた安置室でご遺体の存在に気づかず作業を完了させる
・葬儀場「昭和町ホール」にて、ご遺族に道を譲らず、その様子見ていた館長がブチギレ。「名刺を出せ」と言われ、会社に電話を入れられる
・修理したてだった会社の外壁をハイエースにて破壊(その時は気づかなかった)。社員総出で犯人探しをした結果、僕であることが判明する
・京都の産婦人科へ行った際、借りていた倉庫の鍵をポケットに入れたまま大阪に帰社。とんぼ返りで京都へ戻り、夜遅くに帰社。責任を感じて「残業代はいらないです」と言おうとした時に「残業代は出さない」と課長に言われる。
・残業代は30分単位であった。「30分を越える前にタイムカードを切らないといけない」という暗黙のルールがあったにも関わらず、19:01などに退勤していたため、白い目で見られる。

これはごく一部である。
当時を振り返って思うのは「立ち止まって振り返る時間」を作るべきだったということだ。前へ前へ、とにかく早く終わらせて早く帰りたいという気持ちだけで当時はやっていた気がする。あと先輩社員に相談報告の電話をするのがとにかく嫌いで、チャットワークの導入を提案すればよかった。良いスタートを切っていればそういうアイデアも出せて、聞いてもらえたかもしれない。

今年から働き始めて、早速躓いてる人は見切りつけて辞めっちゃっていい。名誉挽回は思っている以上に難しい。仕事が出来すぎたら、それはそれでいろんな仕事を振られるようになるのでしんどいけれど、戦力になれているのなら十分幸せな社会人だ。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。