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最強の読書法

最強の読書法を編み出した。ここで言う読書とは主に小説やノンフィクション、学術書のことを指すのであって、何の役にも立たない自己啓発本やビジネス書ばかり読む人の「読書」とは一線を画していることは先に忠告しておく。

基本的にああいう類いの自称読書家が得たい情報というのは、本でなくとも代用できる。YouTubeとかXで発信している内容をそのまま活字にしただけの著者ばかりだからだ。本というフォーマットはある種の麻薬作用がある。どこかで聞いたことのあることや内容のない薄っぺらいことも、本になってしまえば何となくだが、それっぽく見えてしまう。

「あー、松本さんも読書好きなんっすね! 俺もっす」
「そうなんですね。何読まれるんですか」
「最近熱いのは新NISAの本とか、50歳でファイヤーした人の本っすかね」
「それって読書ですか?」
「え? あ、え?」
「何でもないです。おやすみなさい」
「まだ朝ですけど!」

これに似たやり取りを今まで幾度となくしてきた。売れている自己啓発系の本は素晴らしいものも中にはあると思う。ホリエモンの「多動力」とか最近読んだ米国著者の「Die with zero」とか実は結構好きだ。でもああいうのを読んでいたら読書家かというと、それは少し違うのではないか。


千原せいじさんがおすすめしてたから買った

前置きが長くなりましたが、最強の読書法を見つけました。ちなみにここでいう読書とはあくまで小説とか、、、もうええか。

日本に帰国してからというもの、暇さえあれば書店に通っているため読みたい本や読むべき本が増えるばかりだ。それでも余分に買いすぎて、家で寝かしているうちに読みたい熱が冷めるのは避けたい。そこで僕は「3冊並行して読む」という手法を取り入れた。

ただ3冊を並行させるわけではない。その3冊は僕の中でジャンル分けされた3つの道によって選書している。具体的に説明する。

①新刊or単純にいま読みたい型
ほとんどの方にあてはまるのがこの読書法だと思う。そこに強制力や縛りはない。読みたいと思った本を読むというシンプルな選書法がまず一つ。
最近だと「可燃物」や「存在のすべてを」がこの路線にあたる。特に塩田武士さんの「存在のすべてを」はとんでもなく良かったぞ。2年以内に映画化にはなるだろうし、もうすでに水面下で話は進んでいるだろう。YouTubeで塩田さんが、モデルにした場所を歩く動画が見れるのでぜひ併せてチェックして欲しい。誘拐された子どもが躾された状態で2年後に戻ってきて、その間に何があったかを新聞記者が探る話です。

②参考文献リレー型
どんな本にも基本的には末尾に参考文献の記載がある。僕はこの参考文献をリレーして数珠つなぎ的に本を読んでいくルートを開拓した。
ちょうど今月からこの方式を採用したのだが、記念すべき一発目はちくま新書から出ている「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」という本からスタートした。
その本の中で、自分の興味を開拓するためにはまずは自分をよく知ること、だから自問自答を徹底的に繰り返すことだという記述があった。
その中で漫画家の香山哲さん「プロジェクト発酵記」という本が紹介されていたので「レールを外れ」次の本としてそちらを選んだ。これがまたおもしろい。香山さんがいかにして連載企画を考え、描くに至るかを書いたエッセイ漫画だ。漫画に限らず、思考法のヒントがあっておもしろい。
しかしこの参考文献型にはネックがある。それはつなげばつなぐほど本が古くなっていくということだ。最終的には、というか割と早い段階で聖書とかになる可能性が十分に考えられる。なるべく引き延ばすために新しい本をチョイスするようにしている。先述した「人生のレール…」は2024年で、「プロジェクト発酵記」は2022年発行だ。
そしてまた新たな問題が出ている。プロジェクト発酵記がおもしろいのは何度でも言うが、この本、形式としては漫画なので参考文献の記載がない。一切ない。どうしようか。また「人生のレール」に戻るのも一つの手だが、なるべく進みたい。

③職場近くの古本屋調達型
4月から勤めている淀屋橋の会社の近くには渋い古本屋がある。昼休みによくそこへ行くのだが、仕事の空き時間や昼休みに読む用の本はそこから調達しようと決めた。その本屋は本を縦に並べるのでなく、横に倒す平置き型なので、本を選ぶときは粗品さんが競馬で負けたときくらい首を曲げる必要がある。しかし苦労して見つけた本は愛着が沸くし、②と同様に自分の趣味嗜好とは一歩離れたところから選ぶ必要があるため、偶発的なアイデアの拡大が期待できる。ちなみに最近まで読んでいたのは「自転しながら公転する」であったが、これは最近①に移籍したのでまたその書店で調達せねばならない。そう、①⇔③の移籍がこの世界では存在するのだ。

この3つを軸に、僕の読書はこれから進んでいく。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。