小島 雄一郎

電通(コンサル) → IMADEYA(酒屋)。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた…

小島 雄一郎

電通(コンサル) → IMADEYA(酒屋)。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた」。日経COMEMOのオピニオンリーダーをやっていますが、クビになる可能性もあります。パートナー関係を1対1で捉えないポリアモリーについても書いています。

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  • 「誠実なクズ」としてのポリアモリー

    お互い合意の上で複数の人と同時に恋人的な関係を持つ「ポリアモリー」をパワポを使って紐解いています。

  • 「結婚」は手段か?目的か?

    いろんなモヤモヤを「それは手段か?目的か?」で考えます。

  • パワポで考えるセックス

    テクニックでもなく、スピリチュアルでもなく、これまでになかった視点でセックスについて考えるマガジンです。

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「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」と「リレーションシップ・アナーキー」はバンド名じゃないけど、パンクロックな気がする。

ポリアモリーを知ってから色んな価値観がひっくり返された。 でも、ひっくり返った価値観で生活をしてみると「むしろ、こっちが表だったじゃないか」と思うことがよくある。 ロマンティック・ラブ・イデオロギー と リレーションシップ・アナーキー この「2つの言葉」もそれをよく表している。 今日はそんな話。 ポリアモリーとは、お互い合意の上で複数の人と同時に恋人的な関係を築く恋愛スタイル。対義語はモノアモリー(恋人は一人という価値観)。過去のシリーズはこちら。 ◾️現代価値観への

    • 転職先の上司と、転職元の上司で「私の引き渡し会」をやった話。

      「会わせたい人がいるんです」 電通の上司にそう伝えたのは、およそ半年前のこと。 その3ヶ月後に、私は退社した。 「会わせたい人」とは転職先の上司。つまり私の今の上司にあたる人だ。 まるで両家が初めて顔を合わせる結納のような当時のやりとりのことを、少しだけ書いてみようと思う。 今日はそんな話。 ◾️転職先を転職元に紹介するか転職する際、転職先の上司と今の上司を会わせることは一般的だろうか。 事例を調べたが中々出てこないので、AIに聞いてみた。 どうやら私の行動は

      • 経営者になって、小説を読むようになった。その理由を紐解いてみる。

        電通を辞めて3ヶ月が経過した。 酒屋の経営と個人事業主。 2足の草鞋で仕事をしている。 電通から継続する仕事は減らしたが、それでも図にするとこんな感じ。 仕事の総量は圧倒的に増えている。 これが成立しているのは「従業員」ではなくなったから。2足の草鞋の両方が「経営者」だからだ。(規模は違うが) 経営者に休みはない。 正確に言えば「決められた時間」がない。もちろん、22時以降も働ける。 働く時間も休む時間も、自分で決めるのが経営者。 自由と責任がセットになって、2

        • 「笑いに変える力」はもういらない。自虐ネタはおもしろくない方がいい。

          「日本の笑い」が変わりはじめた気がする。 松本人志さん休業の影響は大きい。 「最後は笑いに変えるから」 というのは、2004年に松本さんが書いた「チキンライス」という歌詞の一説。「あれだけ貧乏だったんだ」と振り返る彼自身の逆境を「笑い」という形で昇華させた美学が表現されている歌だ。 ネガティブな体験を、笑いに変える力。 それは強さな気もするし、称えられるべき姿勢かもしれない。 でもそれが「笑い」に変わっていた日本は、少し歪んでいた気もする。 今日はそんな話。

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        記事

          ロジハラについて、ロジカルに考えてみた。

          今から34年前の1989年。 日本の流行語大賞に「セクハラ」という言葉がノミネートされた。 それから10年後の2000年前後、「パワハラ」という和製英語が誕生。 今では「モラハラ」や「アルハラ」、「カスハラ」などの言葉も一般的になった。 多様なハラスメントが誕生し続ける昨今だが、今日は「ロジックハラスメント(通称:ロジハラ)」について考えてみる。 と言うのも、ロジハラについては私が加害者側の当事者だからだ。 前回の日経COMEMOで書いた内容は反響が大きかった。

          ロジハラについて、ロジカルに考えてみた。

          ロジハラで休職させてしまった後輩が訪ねてきた話。

          17年間勤めた電通で、私がトレーナーを担った新入社員は1人だけだ。 何度か打診はあったが、すべて断ってきた。 理由はその1人にある。 その1人を仮に「A君」として話を進める。 私がA君のトレーナーになったのは10年以上前のこと。当時の私は6年目で、A君は新入社員。慶應義塾大学出身で、ピカピカした経歴の男の子だった。 同じ部署に配属された彼の面倒を、私が1年間みることになった。 しかしA君は1年を待たずに休職することになる。 要因の1つは、私の指導だった。 今日はそ

          ロジハラで休職させてしまった後輩が訪ねてきた話。

          マジョリティは、マイノリティをナチュラルに搾取しているかもしれない。という少し怖い話。

          あなたはポリアモリーという言葉を知っているだろうか? 「複数恋愛」や「複数愛」と訳されることが多く、 ・お互いに合意の上で ・複数の人と ・同時に ・性愛関係を築く ・ライフスタイル のことだ。 最近はテレビや雑誌で特集されることも増えてきた。 私自身も兼ねてから、日経COMEMOのキーオピニオンリーダーとしてポリアモリーについて発信してきた。 当然、批判されることも多い 批判のパターンもいくつかあるが、特に私のような男性の立場からポリアモリーを発信すると「それ

          マジョリティは、マイノリティをナチュラルに搾取しているかもしれない。という少し怖い話。

          「結婚している」からと言って「1対1の恋愛を望んでいる」とは限らない。パワポで考える関係様式と、関係指向の話。

          「性的指向」という言葉を耳にすることが増えた。 これまでは男性は女性が好きなもので、女性は男性が好きなもので、それがスタンダードで、それが当たり前とされていた。 しかし「ダイバーシティ」という言葉が世間に定着して以来、それは当たり前ではなく、人それぞれ違うことが当たり前になった。 性的指向(Sexual Orientation)とは、どの性別の人に性的に惹かれるか(または惹かれないか)という指向のことを表す。 ちなみに「指向」とはその人が持つ「考え方の方向性」のことで

          「結婚している」からと言って「1対1の恋愛を望んでいる」とは限らない。パワポで考える関係様式と、関係指向の話。

          「多様な働き方」を進めているのに、働き方改革で残業が「一律禁止」になるモヤモヤについて。

          11月末で、つまり今日で、17年間勤めた電通を退社する。 その日にこんなテーマで日経COMEMOを書くのはどうなんだろう、と思いながら締切日でもあるので筆を取った(noteを立ち上げた)。 明日からは社外取締役とフリーランスになるので、雇用されるキャリアは一旦これで終わり。 誰も管理してくれない、誰も守ってくれないキャリアに変わる。 逆の言い方をすれば、誰にも管理されないし、むしろ誰かを守る側のキャリアに変わる。 始業終業の報告をする義務がなくなり、残業申請する義務が

          「多様な働き方」を進めているのに、働き方改革で残業が「一律禁止」になるモヤモヤについて。

          婚活に合コンはもういらないけど、結婚後に合コン経験は役に立つと思う。

          結婚のきっかけとして「マッチングアプリ」が1位に躍り出た。 とある調査によると、結婚相手と出会ったきっかけのランキングは以下の通り。 同調査によると、2016年に結婚した夫婦では「マッチングアプリがきっかけだった」との回答は0%だったようで、この数年で劇的な変化だ。 マッチングアプリのことを「出会い系サイト」と呼ぶ人はもう見かけない。 では反対に、この数年間で減っていった結婚のきっかけ。 それが「合コン」であることは想像に容易い。 事実、検索ワードのボリュームで比較

          婚活に合コンはもういらないけど、結婚後に合コン経験は役に立つと思う。

          自宅の1階に酒屋を誘致したら、電通を辞めることになった。

          今日、40歳になった。 そして1ヶ月後、17年間勤めた電通を退社することになった。 きっかけは3年前、自宅を建てる際に 「独身で3階建ては持て余すから、1階はテナントとして貸し出そう。でもせっかくだから、自分から入ってもらいたいお店にアプローチしよう」 と、「ある会社」に企画書を送ったことだ。 企画書の送付先は「株式会社 いまでや」 当時、首都圏で4店舗の酒屋を運営していた会社だ。 縁もゆかりもない会社だったが、運良く構想は実現した。 企画書送付から1年後、自宅の1

          自宅の1階に酒屋を誘致したら、電通を辞めることになった。

          広告は時代と共に生きづらくなったと、図書館で気がついた話。

          何年ぶりだろう。 図書館に行った。 たまたま時間ができて、寄っただけだったけど、それにしては多くのことを考えさせられた。 考えたのは、広告のこと。 自分の生業でもある、広告のこと。 しかも雑誌広告のことだ。 前回のnoteでも書いた通り、雑誌広告はかつて4マス(4大マスメディア)と呼ばれていた。 それが今では、復権するラジオ広告にも溝を空けられ、Z世代の中でも注目率最下位の広告メディアとなった。 そんな雑誌広告の意義に、なぜか図書館で気がついた。 今日はそんな

          広告は時代と共に生きづらくなったと、図書館で気がついた話。

          耳から入ってくる情報をやさしいと思った。ラジオとパワポの話。

          僕はハガキ職人をやっていた。 勉強するのが嫌で、でも机に向かっていないと怒られるから。 机に向かって、耳はイヤフォンで塞いで、ラジオを聴きながら、ハガキを書いていた。 20年以上前のことだ。 10年後、僕はパワポ職人になっていた。 PCに向かって、仕事をしているフリをして、パワポで遊んでいた。 くだらないことをパワポでまとめてはTwitterで発信していた。 それがきっかけになって、もう3年も日経COMEMOでキーオピニオンリーダーをやっているのだから、人生はなか

          耳から入ってくる情報をやさしいと思った。ラジオとパワポの話。

          目安箱はやめて、チップ箱を置こう。

          「2024年問題」が深刻になってきた。 2024年4月からトラック運転手の労働時間が規制され、人手不足に陥る配送業界。 政府はついに「消費者が物流コストを意識するように」との意図で、通販やEC業界に「送料無料」の表示を見直すように求めはじめた。 確かに送料は無料ではない。 ヤマト運輸や佐川急便は、無料で物を運んでくれない。 当たり前だ。 ただ世の中には「送料無料」が存在する。 なぜか。 大抵の構造はこういうこと。 送料は無料ではなく、売主が購入者の代わりに負担

          目安箱はやめて、チップ箱を置こう。

          恋も家庭も捨てたら女性は偉くなれるのか。パワポで考えてみた。

          モヤっとする会話が聞こえてきた。 オフィス街の昼下がり。 カフェでお茶をする男女。 2人とも、30代半ばに見えた。 モヤっとしたのは、女性の発言。 ・もう恋人も子供も要らない。マンションも買った。 ・だから私はこの会社で偉くなるって決めたの。 ・上は女性管理職を求めているし、この流れに乗る。 ・偉くなって、権力を持って、やりたいようにやるわ。 という内容だった。 どうだろう。 同じようにモヤっとした人はいるだろうか。 「たくましい女性だなぁ」 などと、適当に聞

          恋も家庭も捨てたら女性は偉くなれるのか。パワポで考えてみた。

          うちのステンレスキッチンから考える、失敗を許せない社会について。

          はじめてステンレスのキッチンをつかったのは19歳の時だった。 大学時代のアルバイト先。横浜駅の近くにある六国世喜(むこくせき)というアジア料理店のキッチン(今はもうない)。 いかにも「業務用」という雰囲気で、自分がプロの料理人になったかのような勘違いを起こさせてくれるキッチンだった。 あれから20年。 そんな原体験もあって、3年前に注文住宅を建てる時は、まずステンレスのキッチンを見に行った。 当時のおぼろげな記憶を辿りながら、近しいキッチンを探した。 ショールーム

          うちのステンレスキッチンから考える、失敗を許せない社会について。