小島 雄一郎

電通(コンサル) → IMADEYA(酒屋)。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた…

小島 雄一郎

電通(コンサル) → IMADEYA(酒屋)。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた」。日経COMEMOのオピニオンリーダーをやっていますが、クビになる可能性もあります。パートナー関係を1対1で捉えないポリアモリーについても書いています。

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  • 「結婚」は手段か?目的か?

    いろんなモヤモヤを「それは手段か?目的か?」で考えます。

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    お互い合意の上で複数の人と同時に恋人的な関係を持つ「ポリアモリー」をパワポを使って紐解いています。

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  • パワポで考えるセックス

    テクニックでもなく、スピリチュアルでもなく、これまでになかった視点でセックスについて考えるマガジンです。

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「自宅の1階が酒屋だったらいいのに」が実現するまでのパワーポイント。

1年前、とあるお店にこんなパワポ資料を送った。 そして今日、お店がオープンした。 その特異な経緯を、ここに記しておく。 ■待ちではなく、攻めのテナントをそもそも、なぜ自宅の1階をお店にしようと考えたかは以前に書いたが、 こうしたテナント募集は、不動産屋に依頼するのが一般的だ。 募集して、待つ。 申し込みがあったら、どんなお店かを聞いて、入居の判断をする。 この行程が、僕には非効率に思えた。 自分が入ってほしいお店に、自ら出向いた方が早いんじゃないか。効率的じゃ

    • 広告会社における競合プレゼンの勝ち方。

      広告会社にいると避けて通れないのが「競合プレゼン(通称:競合)」というイベント。 競合プレゼンとは文字通り、複数の会社が同じお題で競い合うこと。 似た概念で「入札」もあるが、提案内容で競い合うのが競合で、受注金額で競い合うのが入札と理解するといい。 私は17年間電通という広告会社にいたが、競合プレゼンという行為があまり好きではなく、その理由は以前も日経COMEMOに書いた。 ただいくら「好きではない」と言っても、避けては通れないのが競合プレゼン。17年間で何度も経験し

      • 恋愛したい相手と結婚するのか。結婚したい相手と恋愛するのか。

        こんな話を聞いた。 婚活サービスに登録していた30代の女性。 結婚相手に求める条件がとにかく多かった。 あれは嫌だ。 これが良い。 そんな多岐にわたるチェックポイントのおかげで、紹介できる相手が中々見つからない。 仲介者は、それでも辛抱強く探し続けた。 数年後、ようやく全てのチェックポイントをクリアする男性を見つけて、女性に紹介した。 「こんなに全て当てはまる人いませんよ!」 そんな奇跡みたいなパートナー候補とデートをした女性だったが、結論として結婚には至らなか

        • コンセプトを押し出すと消費期限が早まる。

          電通時代の同僚が本を出した。 テーマは「コンセプト」について。 誰もが知っている言葉だけど、改めて聞かれると説明しにくいコンセプトという概念。それがわかりやすく解説されていた。 私も思う。何をやるにもコンセプトは大事だ。 でも「コンセプトを対外的に押し出す必要があるか」と問われると疑問が残る。それは自分自身の少しだけ苦い経験から来ている。 今日はそんな話。 ◾️飲食店とコンセプト半分業界用語のような「コンセプト」が一般的に使われるようになったのは「コンカフェ」から

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          この17年間で電通の内勤に起こっていたこと(私見)。

          営業職を3年間。その他の職種を14年間。 合計17年間、広告会社の電通で働いて、昨年12月からは酒屋の経営をしている。 そんな転職の経緯は以前も書いたので、今日は17年間の電通生活について書いてみようと思う。 テーマは「内勤」。 電通の内勤とは、外に出て広告主と折衝する営業以外の、社内でデスクワークをする職種のことを指す。パッと思いつくのは「クリエーター」や「プランナー」と呼ばれる界隈の人たちのことだ。 この17年間で、内勤は凄まじく変化した。 私も何度肩書きが変わ

          この17年間で電通の内勤に起こっていたこと(私見)。

          「元家族旅行」が「W家族旅行」に変わった話。共同親権を添えて。

          共同親権が決まった。 我が家にとっては大いに関係のある話題だ。 「我が家」と言っても、8年前に離婚しているので私は1人。小学生の息子の親権は、元配偶者が持っている。 共同親権はDVなど元配偶者から逃げたい場合に問題がある制度だとされているが、幸い我が家は違う。 養育費も面会も、約束通り履行されている。その上、年に数回ほど「元家族旅行」というイベントもある。 先月は3人で台湾に行って来た。息子にとっては初の海外旅行で、とても興奮していた。 そんな「元家族旅行」に、最

          「元家族旅行」が「W家族旅行」に変わった話。共同親権を添えて。

          電話が苦手な理由をプレゼンさせてください。

          大概のことはパワーポイントで解決する。 そんなプロフィールでX(Twitter)をやっている。 その一文には「大概のことはきちんと説明すれば伝わるはずだ」という気持ちを込めている。 そんな私が今、きちんと説明したいのは「電話」について。 端的に言ってしまえば、とても苦手だ。 でもただ「電話が苦手」とだけ伝えてしまうと、ドライなやつとか、現代っ子みたいな扱いをされてしまう。 違う違う、違う、そうじゃない。 Z世代だろうが、おじさんだろうが、苦手なものは苦手だ。

          電話が苦手な理由をプレゼンさせてください。

          「普通に考えたら」って言うのはマジョリティハラスメントだよ、って話。

          「多様性を認めよう」 というセリフが嫌いだ。 別に認めなくていい。ただ「そこにある」という事実だけ認識すればいい。それ以上でも、それ以下でもない。 「認めよう」なんてスタンスは驕りだ。 自分がマジョリティ側にいると認識した上で「マイノリティー側も認めてあげよう」という姿勢が透けて見える。 「お互いに認め合おう」ならわかる。 マジョリティもマイノリティを認め、マイノリティもまたマジョリティを認める。それは両者に必要なスタンスだ。 ただこの世界はどうしても多数派が強

          「普通に考えたら」って言うのはマジョリティハラスメントだよ、って話。

          なぜ大企業の新規事業プログラムはうまくいきにくいのか。パワポで説明します。

          大企業には優秀な社員が多い。 それ故に今の仕事では物足りず、能力を持て余している社員も多い。 この傾向は若手社員ほど顕著だ。 そんな状況だから、大企業で新規事業なんて募集しようものなら大盛況だ。 たくさんの応募が集まる。 たくさんのビジネスプランが集まる。 しかしその多くが、実現することなく消えていく。 やる気ある優秀な社員たちが考えたアイデアなのに。 本当はそんなに優秀じゃなかったんじゃないか。 大企業の優秀さと新規事業は別だ。 そんな指摘が飛んできそうだが、そう

          なぜ大企業の新規事業プログラムはうまくいきにくいのか。パワポで説明します。

          ビジネスセミナーで他人のフレームワークを撮影する行為について考えること。

          スマホで夏の花火を撮影する度に思う。 「見返すことはないだろうな」 でもつい、撮影してしまう。 正確に言えば「一瞬しかない綺麗な光景を撮らなきゃ」という衝動が、発動してしまう。 ただ、綺麗な花火の光景が見たければ、そんな写真素材はどこにでも転がっている。正直、自分で撮影することに意味はない。 そう。スマホで花火の写真を撮ることに意味はない。 この類の「意味のなさ」は何かに似ている。 それがビジネスセミナーにおいて、投影されたフレームワークをスマホで撮影する行為だ

          ビジネスセミナーで他人のフレームワークを撮影する行為について考えること。

          転職先の上司と、転職元の上司で「私の引き渡し会」をやった話。

          「会わせたい人がいるんです」 電通の上司にそう伝えたのは、およそ半年前のこと。 その3ヶ月後に、私は退社した。 「会わせたい人」とは転職先の上司。つまり私の今の上司にあたる人だ。 まるで両家が初めて顔を合わせる結納のような当時のやりとりのことを、少しだけ書いてみようと思う。 今日はそんな話。 ◾️転職先を転職元に紹介するか転職する際、転職先の上司と今の上司を会わせることは一般的だろうか。 事例を調べたが中々出てこないので、AIに聞いてみた。 どうやら私の行動は

          転職先の上司と、転職元の上司で「私の引き渡し会」をやった話。

          経営者になって、小説を読むようになった。その理由を紐解いてみる。

          電通を辞めて3ヶ月が経過した。 酒屋の経営と個人事業主。 2足の草鞋で仕事をしている。 電通から継続する仕事は減らしたが、それでも図にするとこんな感じ。 仕事の総量は圧倒的に増えている。 これが成立しているのは「従業員」ではなくなったから。2足の草鞋の両方が「経営者」だからだ。(規模は違うが) 経営者に休みはない。 正確に言えば「決められた時間」がない。もちろん、22時以降も働ける。 働く時間も休む時間も、自分で決めるのが経営者。 自由と責任がセットになって、2

          経営者になって、小説を読むようになった。その理由を紐解いてみる。

          「笑いに変える力」はもういらない。自虐ネタはおもしろくない方がいい。

          「日本の笑い」が変わりはじめた気がする。 松本人志さん休業の影響は大きい。 「最後は笑いに変えるから」 というのは、2004年に松本さんが書いた「チキンライス」という歌詞の一説。「あれだけ貧乏だったんだ」と振り返る彼自身の逆境を「笑い」という形で昇華させた美学が表現されている歌だ。 ネガティブな体験を、笑いに変える力。 それは強さな気もするし、称えられるべき姿勢かもしれない。 でもそれが「笑い」に変わっていた日本は、少し歪んでいた気もする。 今日はそんな話。

          「笑いに変える力」はもういらない。自虐ネタはおもしろくない方がいい。

          ロジハラについて、ロジカルに考えてみた。

          今から34年前の1989年。 日本の流行語大賞に「セクハラ」という言葉がノミネートされた。 それから10年後の2000年前後、「パワハラ」という和製英語が誕生。 今では「モラハラ」や「アルハラ」、「カスハラ」などの言葉も一般的になった。 多様なハラスメントが誕生し続ける昨今だが、今日は「ロジックハラスメント(通称:ロジハラ)」について考えてみる。 と言うのも、ロジハラについては私が加害者側の当事者だからだ。 前回の日経COMEMOで書いた内容は反響が大きかった。

          ロジハラについて、ロジカルに考えてみた。

          ロジハラで休職させてしまった後輩が訪ねてきた話。

          17年間勤めた電通で、私がトレーナーを担った新入社員は1人だけだ。 何度か打診はあったが、すべて断ってきた。 理由はその1人にある。 その1人を仮に「A君」として話を進める。 私がA君のトレーナーになったのは10年以上前のこと。当時の私は6年目で、A君は新入社員。慶應義塾大学出身で、ピカピカした経歴の男の子だった。 同じ部署に配属された彼の面倒を、私が1年間みることになった。 しかしA君は1年を待たずに休職することになる。 要因の1つは、私の指導だった。 今日はそ

          ロジハラで休職させてしまった後輩が訪ねてきた話。

          マジョリティは、マイノリティをナチュラルに搾取しているかもしれない。という少し怖い話。

          あなたはポリアモリーという言葉を知っているだろうか? 「複数恋愛」や「複数愛」と訳されることが多く、 ・お互いに合意の上で ・複数の人と ・同時に ・性愛関係を築く ・ライフスタイル のことだ。 最近はテレビや雑誌で特集されることも増えてきた。 私自身も兼ねてから、日経COMEMOのキーオピニオンリーダーとしてポリアモリーについて発信してきた。 当然、批判されることも多い 批判のパターンもいくつかあるが、特に私のような男性の立場からポリアモリーを発信すると「それ

          マジョリティは、マイノリティをナチュラルに搾取しているかもしれない。という少し怖い話。