川内有緒

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名作が生まれる街・城崎温泉発の本と出会う|ホンタビ! 文=川内有緒

作家の川内有緒さんが、本に動かされて旅へ出る連載「ホンタビ!」。登場人物を思うのか、著者について考えるのか、それとも誰かに会ったり、何か食べたり、遊んだり? さて、今月はどこに行こう。本を旅する、本で旅する。  京都を出発した特急「こうのとり」の中で、志賀直哉の小説『城の崎にて』を読んでいた。30年ぶりなので内容はほぼ忘れている。おかげで、最初の段落で、「???」が頭に浮かんだ。  山の手線の電車に跳飛ばされて怪我をした、その後養生に、一人で但馬の城崎温泉へ出掛けた。

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私の目と私じゃない人の目で、絵を見てみたい

「ママ、だっこ」 と手を伸ばす息子。 2歳くらいのとき、ベビーカーに乗せて美術館へ行った。 はじめはもの珍しそうに見ていたが、2,3分後にあきて、抱っこをせがむ。 仕方ないよね、と思いながら抱っこする。 片手でベビーカーを押しながら、進む。 不自由だったけれど、そうしないとどこにも行けなかったから。 どこへでもベビーカーを押し、抱っこ紐を持ち、出かけた。 動物好きだったので、動物の絵を見せるようにした。 「馬さんだねえ」「にゃあにゃあだねえ」というと、しばし見つめるか

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「わたしの偏見とどう向き合っていく?」川内有緒さん×木ノ戸昌幸さん『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』刊行記念トーク【開催レポート】

こんにちは! SPBS広報の丸です。今回は10月にオンラインで開催したトークイベントのレポートをお届けします。 2021年9月、ノンフィクション作家・川内有緒さんの著書『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が刊行されました。本書には、川内さんが全盲の美術鑑賞者である白鳥建二さんや友人たちとともに、日本全国のさまざまなアート作品を鑑賞する様子がつづられています。白鳥さんと交流を重ねていくうちに、自分の中にさまざまな先入観や偏見があることに気付く川内さん。たとえば、障がいが

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物足りなさが残る本……『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』について

ウェブ媒体の仕事で『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社 以下『目の見えない白鳥さん』)の著者・川内有緒さんにインタビューすることになった。 彼女とは面識がある。 facebook メッセンジャーで取材の可否を尋ねたところ、僕がインタビューするということに懐疑的だったらしい。 「(私の本について)書きたいという発露があるのかどうか、というのをご確認いただくのがお互いのために良いのではないでしょうか」と返信された。 この時点ではまだ著作を読んでいなかったので、一通

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奇跡の湖で古代の地球に触れる(福井県若狭町)|ホンタビ! 文=川内有緒

作家の川内有緒さんが、本に動かされて旅へ出る連載「ホンタビ!」。登場人物を思うのか、著者について考えるのか、それとも誰かに会ったり、何か食べたり、遊んだり? さて、今月はどこに行こう。本を旅する、本で旅する。 [今月の本] 中川 毅著 『時を刻む湖――7万枚の地層に挑んだ科学者たち』 (岩波書店) 万葉歌に詠まれ、国の名勝にも指定されている景勝地の湖底から土の縞模様「年縞」が発見された――。2013年、「世界の標準時計」として認められた福井県若狭町の水月湖。研究者たちが描

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【目の見えない白鳥さんとアートを見にいく】新しい美術鑑賞方法の紹介にとどまらない。自分自身の価値観や偏見などを見つめなおす方法を提案してくれる1冊。

目の見えない人と一緒に、美術館に行って、作品を見る。 目が見えないのに、どうやって見るのか? それが最初の問いだ。 著者は、「どうやって」を知り、目が見える自分自身の鑑賞方法では気がつかなかったことに気がつく。 本書の前半は、アート作品の新しい見方を提案する内容になっていると思う。 ただ、単にそれだけではないという点が、この本のミソだ。 著者は、白鳥さんと一緒に、様々な美術館を巡るうち、そしてコロナ禍により互いに直接会えない期間も経て、思考を深める。 障害

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目の見えない白鳥さんとアートを見にいく~10月に読んだ本

老眼のせいか、だんだん文字を追うのが、おっくうになりつつある今日この頃だが、 この本は面白くて完読出来た。 全盲の美術鑑賞者であり写真家の白鳥さんと複数回に渡って、美術展を訪れる著者の、社会への目線の変化、自身のあり方、障害とは。色々考えさせられたが、描き方が軽快なノンフィクションなので、重いテーマでも楽しく読めた。逆に読み終わる頃には、とても肩の力が抜けた。 わたしたちの日常の行動のすべてが表現という考え方、とても素敵だと思う。 また美術館に行きたくなってしまった。

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建築家のW・M・ヴォーリズが愛し、暮らした街へ(滋賀県近江八幡市)|ホンタビ! 文=川内有緒

作家の川内有緒さんが、本に動かされて旅へ出る――。登場人物を思うのか、著者について考えるのか、それとも誰かに会ったり、何か食べたり、遊んだり? さて、今月はどこに行こう。本を旅する、本で旅する新連載「ホンタビ!」が始まります。 [今月の本] 門井 慶喜著 (KADOKAWA/角川文庫) 『屋根をかける人』 キリスト教布教のために来日し、滋賀県八幡(現近江八幡市)を拠点に精力的な活動を続け、日本各地に西洋建築の傑作を数多く残した建築家・実業家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ

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目の見えない白鳥さんと一緒に楽しむ美術鑑賞プログラム(千葉市美術館/福田美蘭展) に参加した

千葉市美術館 福田美蘭展関連 エデュケーター・ラリープログラム「あらわる★ミカタ案内人」 目の見えない白鳥さんと一緒に楽しむ美術鑑賞プログラム に参加した。 ドキドキしながら白鳥さんをアテンド。 白鳥さんに導かれるように福田美蘭のへんてこな世界を発見していく。 いつでも発言できて、場所や体勢を変えて作品の見方を変えられる自由度。 気づいたら福田美蘭作品の鑑賞に夢中になっていた。 福のり子先生発信による白鳥さん情報から知った白鳥建二さんの存在と、書籍『目の見えない白鳥さんと

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「対談=川内有緒×若松英輔「わからなさを共に生きる」」/川内 有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』

☆mediopos-2524  2021.10.14 ひとつを知ると たくさん知ったと考えるひとと むしろ知らないことが たくさんふえたと考えるひとがいる リテラシーという言葉が 最近ではよく使われるが おそらくそれをどのようにとらえるかも そのふたつの受け取り方に似ているかもしれない そこに書かれてあることが とりあえず表面的な意味で読める そのことだけで満足するひとがいて むしろそこに書かれていないことについて 考えたり調べたりするひとがいる とくにマスメディアで

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