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SUMICO BOOK FAIRで紹介するZINE②

2冊目は、川内有緒(文)&高野美緒子(写真)のZINE『ふとっちょのペンギンと灰色のくま —カリフォルニアへの旅』です。

女4人でカリフォルニアを旅した記録エッセイ。

読むとカリフォルニアを旅したくなります。
旅って始まりと終わり、わくわくと切なさの連続だなあ、とじんわり。
平熱な文章、写真がすごくいいんです。あと、とにかく食べるとか飲むとかもいい。おいしくても、おいしくなくても、おいしい。気の合う仲間で旅すれば、すでに最高においしい。

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』に登場するマイティ(佐藤麻衣子さん)も旅の4人のひとり。
『白鳥さんとアート』とはまた違う、マイティらしさみたいなものが、すごくおもしろい。行動に味があるんですよね。

映画や書籍『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が『ロード・オブ・ザ・リング』だとしたら、こちらは『ホビットの冒険』みたいなポジションでしょうか。時を遡ったアナザーストーリーのようで、『白鳥さんとアート』のファンにはより味わい深い気がするんじゃないかな。
 
コロナで旅に出ていなかったのもあるけれど、あの広いアメリカを小さな車でどこか頼りなくふらふら回るようなこういう旅、わたしもいつかしてみたいなあ。そんな気持ちになりました。

旅人のひとりである有緒さんのお母さまが68歳のとき。わたしも行けるかもって気がしてそれも嬉しくなったり。
 
基本は4人旅なんだけど、メンバーが途中で入れ替わるのもおもしろい。
一足先にマイティが帰国したあと、「お気に入りのお皿が欠けたよう」と表現されてるのが、しみる。
川内有緒さんは比喩が素敵なんだ。いつも。

というわけで、こちらもレアなZINEなので、手に取って眺めてみてください。

SUMICO BOOK FAIR
5/5(金・祝)14時〜
場所:神戸山本通3丁目 海外移住と文化の交流センター
1階 ライブラリーカフェ「sumico」