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思考の記録

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日々流れていく思考の断片
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#日記

ガジュマルと春の曲

ガジュマルと春の曲

2年前の夏、ガジュマルの鉢植えを購入した。重く暗い気持ちになる出来事が遠くで起きてしまった日だった。その重たい印象のまま一日が終わっていくのが嫌で、何か少しでも気分の上がることをしようと思い、用事を済ませた帰りにたまに立ち寄る雑貨屋さんをのぞいた。

店先のテーブルの上に並んだ観葉植物の中に、そのガジュマルはいた。一目見ていいなと思った。幹の形も葉の付き方も、優しいアースカラーの陶器の鉢も、全てが

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秋と日記と振り返り

秋と日記と振り返り

10月も中旬になり、今年も残すところあと3か月を切った。早いなぁと思う一方で、何となくこの時間の経過の速さに慣れてきている感覚もある。そうそう、これくらいで過ぎ去っていくよね、という感じ。

一年の総括をするには少し早いけど、年末に総括をする時間を取るのもなかなか難しいものだなと去年改めて感じた。終わりが見えてくると(実際に何かが終わるわけではないんだけど)なぜか気持ちが焦って、ゆっくりと腰を据え

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言葉の温度

言葉の温度

何だか気持ちが疲れている。そんなに大した疲れではないけれど、明らかに先週以前の自分と比べてどっと疲れている。急に夏の終わりが顔をのぞかせて気温が下がったりしたことも少し関係があるのかもしれない。

ささやかな楽しいこと、嬉しいことは日々あれど、流れてくるひどいニュースやモヤモヤする言葉のあれこれに、着実に心が削られているのもあるだろう。深く考えずにやり過ごそうとしても、心が削られているという事実は

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夜の窓

夜の窓

時刻は深夜3時すぎ。また寝るのが遅くなってしまったなあと思いながら、換気のために開けておいた寝室の窓を閉める。

この部屋から見る夜の町の眺めが好きだ。東京の町の灯りはカラフルで、だけど夜空はしっかり暗くてほんのり怖くて寂しげで、その対比が好きなんだと思う。暗闇の中の人工的な明るさに何だかほっとする。寝ていてもいいし、起きていてもいいんだよと言われてるみたいだ。

辺りはしんとしている。

遠くに

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過去の自分の言葉が未来で放つふしぎな魅力

過去の自分の言葉が未来で放つふしぎな魅力

先日、久しぶりにFacebookを開いて自分の過去の投稿を読み返してみた。楽しかったことや悲しかったことや何となく感じたこと、考えたことをシンプルに綴っていて、友達とのコメントでのやりとりも「今の私ならこうは返さないだろうなぁ」と思う言葉たちが並んでいて、少しの驚きを覚えつつ同時に微笑ましくも感じた。

6年前、7年前、8年前の自分の言葉。(私がFacebookをよく使っていたのはこの3年だけだっ

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『私はロボットではありません』

『私はロボットではありません』

唐突にその言葉がパソコン画面に現れたのは、納期に追われてものすごい勢いで調べ物をしていたときのことだった。

Google Chromeのタブをいくつも開き、キーワードとなる英語を次々と組み合わせて調べていく。文字どおり手を休めることなく動かし続けていたそのとき、それは現れた。

『私はロボットではありません』

通常と異なるトラフィックが検出されました、という文言と共に、ロボットではないこと

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自分という不思議な生きもの

自分という不思議な生きもの

録画しておいた上野千鶴子さんの情熱大陸を見た。今年の4月に東京大学の入学式の式辞で現代社会の性差別問題に触れて大きく話題になった方だ。

ジェンダー関連の話題には日頃から高い関心を持っている(1人の女性として持たざるを得ないとも言える)けれど、今回はそういう観点で何かを書きたくてnoteを開いたわけではない。その番組を見たときに感じたあることが今またふっと脳裏をかすめたので、簡単に書き残しておこう

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自分なりの「クリエイティブ」とコンテスト入賞 #noteでよかったこと

自分なりの「クリエイティブ」とコンテスト入賞 #noteでよかったこと

まえがき ~noteの印象~noteならではの特徴って何だろう、と考えてみた時に、否定的かつ一方的なコメントが付いている記事を見たことがないな、と思った。私の見ている範囲ではほとんどないと思うのだけど、どうだろうか。

他人の投稿のコメント欄に、思いの詰まった素敵な感想を残してくれる人はいても、本文と関係ない独り言みたいな個人の見解をダラダラと述べるような人は圧倒的に少ない気がする。それだけで、n

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#美しい髪 コンテストでグランプリを頂きました

#美しい髪 コンテストでグランプリを頂きました

金メダルを取ったことが、これまでの人生で一度だけあった。

あれは中学2年生のとき、縄跳びの持久跳び大会だった。私は運動が得意なタイプでは決してない。チームワークが求められる球技や、記録の優劣を数字で突きつけられる陸上競技や何かも苦手。体育の授業は好きじゃなかったし、それまで運動会や体育祭などで活躍したことなんて一度もなかった。

だけど、自分のペースでできる縄跳びはそんなに嫌いじゃなかった。とは

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自分の言葉を探している

自分の言葉を探している

最近、考えていないなと、ふと思った。

思考が浅い。

日々何を食べるかと、仕事のスケジュール調整と、いくつかメドをつけた新規の会社に応募しなきゃなあということくらいにしか脳みそを使っていない気がする。しかもノロノロ運転だ。

仕事で使うのとは別の、個人的な思考を司る部分を働かせていない。サボっているのか、休んでいるのか、何なのか。

こういうときは、書くにかぎる。仕事の締め切りに追われているので

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10年後のあなたへ

10年後のあなたへ

今は、2018年の7月14日です。2028年の7月14日、あなたはどこで誰と何をしてますか?

今日は、3連休の1日目。東京は暑いです。日中は32℃くらいまで気温が上がったかな?外には洗濯物を干しに一瞬ベランダに出ただけで、あとは部屋でクーラーを効かせて、仕事をしてました。連続ドラマの翻訳も、もうすぐ折り返し。相変わらず納品当日は徹夜して仕上げてるけど、そろそろ週一での徹夜は体力的にキツいので、徹

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いのちについて

いのちについて

幼稚園にあがる前に、交通事故に遭った。

友達の「危ない!」という切迫した声が聞こえた次の瞬間、映画みたいに世界がブラックアウトした。

車にひかれた瞬間のことは何も覚えていない。感覚も、音も、視界に映る風景も。どんな車が私に向かってきていたのかさえ、見えなかった。

次の記憶は、父の運転する車で病院に向かう車内の後部座席だった。私は母の膝に頭を乗せて横たわり、「痛い、痛い」とうめいていた。泣

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正社員→アルバイトからの契約社員登用→フリーランス3年目。今、思うこと。

正社員→アルバイトからの契約社員登用→フリーランス3年目。今、思うこと。

たまたま現代の日本に生まれ、今もこの世に生きている私は、それだけでかなり幸せ者だ。そしてさらにありがたいことに、一定の範囲内で、膨大な選択肢の中から好きな道を選んでいけるチャンスに幾度となく恵まれてきた。

選択肢があることは、自由の証しだ。

一度きりの人生、常に目の前に広がるいくつもの道の、どれを選んで進もうか。その選択肢の多さに、めまいがすることがこれまでに何度かあった。大学を選ぶ時と、

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自分にとっての「価値」の価値観を大切にする。

自分にとっての「価値」の価値観を大切にする。

有名な人が、とてもいいことを言ったとする。
あなたも、同じようなことを普段から思っていたとする。

有名な人が世界に放った言葉のほうが輝いているように思えても、それは気のせいだ。
あなたは、あなたに届く範囲の人に、あなたの言葉で、まっすぐ伝えていけばいい。

言葉の価値は、発信者の有名/無名に左右されたりしない。
その人自身の経験の中から絞り出された言葉は、等しく尊い。ずっと残る。

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