はるのひ

字幕翻訳家。書くことは自分を知ること、そして過去と今と未来の自分をつなぐこと。思考を整理・記録するためのエッセイを書いたり、忘れたくない日常のワンシーンやある日の思い出を綴ったり。【投稿コンテスト 2018年 #美しい髪 グランプリ 2019年 #こんな社会だったらいいな 入賞】
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愛しい6秒

日常のふとした時に、空を見上げる。 電車の流れる車窓の向こう。 自転車をこぐ、スーパーからの帰り道。 エレベーターから玄関までの数メートル。 洗濯物をとりこむベ…

今の私につながる部屋

初めての1人暮らしが始まった日の朝のことを、昨日のことのように覚えている。 目が覚めると、まだ見慣れない天井と、日に透けた黄色いカーテンが視界に入った。ベッドに…

しょっぱかったバースデーケーキ

あれは何歳の誕生日だったろう。 子供の頃は毎年、誕生日には母がケーキを作ってくれた。生クリームをハンドミキサーでブーンと混ぜて、ふわふわになった白いクリームを丁…

「秘密の質問」の「母親の旧姓は?」という項目に凝縮されているもの

1.「よそはよそ、うちはうち」の感覚がプラスの意味で社会に浸透してほしい 「よそはよそ、うちはうち」 小さいころ、親からこの言葉を言われた人は結構いるんじゃないか…

下界の彼と仲直りした、旅路の夜

「もしもし、今どこ?」 気まずそうな恋人の声。呼び鈴を押しても出ないから、電話をしてきたのだろう。 黒い空に輝く月と白い雲を近くに感じながら、私は努めてシンプル…

『私はロボットではありません』

唐突にその言葉がパソコン画面に現れたのは、納期に追われてものすごい勢いで調べ物をしていたときのことだった。 Google Chromeのタブをいくつも開き、キーワードとなる…