ブルーハワイの色をした君の髪を見た時 頭から夏空を被ったのかと驚いた 風が揺らすたびその髪は自由に広がり 君は夏の空に溶けてゆくようだった 屈託のない笑顔も 夏空…
黄色い花弁が風に揺れる それは髪をなびかせる少女のよう 物憂げに揺れる細い身体 悩ましげに微かに俯くその姿 あれは あの夏に取り残してきた少女性だ 夏の熱にうなさ…
チョコミントとポッピングシャワーのアイス その2つが好きなあなた わたしも同じだったけど あなたのことは好きになれなかった それなのに あなたが離れてゆくことに寂し…
深くもなく 浅くもなく 滲まなければ掠れもしない 眩しくなく 暗くもなく 温かくもなければ凍えもしない ひどく曖昧な境目を揺蕩うように 世界との 誰かとのつながり…
今日、 新たに昇った太陽に向かって君は飛び立った 恐る恐る地面を蹴って飛び立った 昨日から今日、そして明日へと渡る君 小さな羽を 広い空に大きく伸ばして飛び立った …
夜中に出会った野良猫や あなたが勧めてくれたロックバンド 値段の割に美味しくなかったランチや 中身はないけどどうでもよくなかった会話 送れなかったたった一言のLINE…
「また明日ね」 夕暮れに響いた声は 遙か遠く夢の中 5時のチャイムに溶ける足音は あの日への帰り道を教えてくれるだろうか 永遠に果たされることはなく 無邪気に そし…
あの日、春風と競うように走り出した君は 陽射しに混ざり わたしの中で日溜まりになった またねと言ったはずなのに さよならと聞こえた君の声 微笑む顔はどんな酷い言葉…
月灯を頼りに髪を梳かす君 君の輪郭は闇に浮かんでひどく朧気だ そのおくれ毛はいじらしさを持っているし その睫毛は哀しみを乗せている その唇は悩ましさを描いているし…
野良猫のあくびが陽射しに溶ける それをみて口元を緩めた君 僕は野良猫に少し嫉妬する 遠くで白いセスナが空を泳ぐ 君はそれを見て目を細めながら 空よりも遠くを見つめる…
色褪せた夜空に 貼り付けた悲しみ その悲しみも 夜空のように色褪せてゆくのか 色褪せて剥がれる日はくるのか それとも夜空に紛れて残るのか 朝日に燃やされて消えるのか…
秋風ががらがら吹いてます 秋が泣いているのです 昨夜はとても冷えました わたしの心も冷え切って 隙間だらけになりました あなたを想うことさえも おざなりになったから…
この世界に色をつけたのは誰だろう 色鮮やかな世界だから 眩しくてクラクラした 眩しくてクラクラしたから 目を閉じた 目を閉じたから どこへも行けなくて座り込んだ …
陸に打ち上げられた魚のように 息のできる場所を求める 陸に憧れる人魚のように 誰かの優しさに期待する 孤独とは 息苦しいものでしょうか? どうか上手に息ができますよ…
涙のかけらを拾い集めて 夜空に放つ それは夜の闇に引っ掛かり星になって わたしの姿をした星座になった 夜を渡る鳥が 星のひとつを咥えた 鳥はそのまま東の空へと消え…
彼岸花を両の手で やさしく摘んで取り上げる 祈りでも込めるように なにかを贖罪するように 両の手に包みこんだ彼岸花を食む 頬が朱く染まる 身体も朱く染まる 花弁のよ…
結城きき
2024年7月25日 19:57
ブルーハワイの色をした君の髪を見た時頭から夏空を被ったのかと驚いた風が揺らすたびその髪は自由に広がり君は夏の空に溶けてゆくようだった屈託のない笑顔も夏空に浮かぶ太陽のようにいっそう映えた風に舞うたびこすれあう髪の音はいつか君と遊んだ海の波音に似てる気がしたブルーハワイの髪を撫でるといつか君と歩いた砂浜を思い出したあぁいつかこの夏もいつかの夏になってしまうのか君
2024年7月18日 14:07
黄色い花弁が風に揺れるそれは髪をなびかせる少女のよう物憂げに揺れる細い身体悩ましげに微かに俯くその姿あれは あの夏に取り残してきた少女性だ夏の熱にうなされて 陽炎の彼方に淡く輝く幼いままの私を 大人たちは許してくれなかった遠くなる雷鳴が 少女時代に終わりを告げるもう少しこのままでいられるなら夕立に濡れてたたずもうきっとすぐに止んでしまうのだろうけど少女性を纏った向日葵
2024年7月4日 22:00
チョコミントとポッピングシャワーのアイスその2つが好きなあなたわたしも同じだったけどあなたのことは好きになれなかったそれなのにあなたが離れてゆくことに寂しくなった高架橋を過ぎる電車を煩く思うのに過ぎたときの静けさに孤独が染みてくるようにあなたが私に飽きることになぜか勝手に寂しくなったのあなたのことは嫌い多分あなたも私を少し嫌いでしょう?それなのにチョコミントのような
2024年6月26日 21:51
深くもなく 浅くもなく滲まなければ掠れもしない眩しくなく 暗くもなく温かくもなければ凍えもしないひどく曖昧な境目を揺蕩うように世界との 誰かとのつながりを保つあなたとはきっとこれ以上仲良くなれないわわたしはきっとあなたが嫌いだ嫌いな季節が夏という事でしか分かり合えないから
2024年4月1日 19:59
今日、新たに昇った太陽に向かって君は飛び立った恐る恐る地面を蹴って飛び立った昨日から今日、そして明日へと渡る君小さな羽を 広い空に大きく伸ばして飛び立った上手く飛べなくても大丈夫見えない羽はこれからもっと丈夫になるから心細いなら昔の歌を口ずさめばいいさどうか君が空の青さに泣きませんように空の広さに絶望しませんように太陽のまぶしさに目が眩みませんように太陽の熱さに羽を焼
2024年2月23日 19:45
夜中に出会った野良猫やあなたが勧めてくれたロックバンド値段の割に美味しくなかったランチや中身はないけどどうでもよくなかった会話送れなかったたった一言のLINEそんなどうでもいいものを思い出して無性に悲しく愛しくなる傷がちくりと痛むたびわたしはいま生きている最中だと自覚する過ぎ去った想いは万華鏡遠く手の届かぬ場所できらきら移ろうわたしはただそれを見つめる或いは川面を
2024年2月10日 18:09
「また明日ね」夕暮れに響いた声は 遙か遠く夢の中5時のチャイムに溶ける足音はあの日への帰り道を教えてくれるだろうか永遠に果たされることはなく無邪気に そして純粋に残る約束並走したあの頃に 去りゆく影にただ涙で応えよう手を離した昨日も 待ちわびる明日もただ笑顔で見つめよう
2024年1月17日 19:06
あの日、春風と競うように走り出した君は陽射しに混ざり わたしの中で日溜まりになったまたねと言ったはずなのにさよならと聞こえた君の声微笑む顔はどんな酷い言葉よりも悲しかったわたしは季節のように同じ日々を繰り返す今年も冬がきたいずれまた春がくる君の消えた 優しく暖かい春がくるどうか春風に乗って 君の声が聞こえますように君の言葉で春を告げて この寒い季節を終わらせて冬の
2024年1月5日 19:15
月灯を頼りに髪を梳かす君君の輪郭は闇に浮かんでひどく朧気だそのおくれ毛はいじらしさを持っているしその睫毛は哀しみを乗せているその唇は悩ましさを描いているしその指は慈しみを纏っている月灯を頼りに君という存在を解いていく冷たい部屋の片隅に私と君の温もりが灯る明るいほうが君をよく見てやれるのに月灯に浮かぶその姿のなんと悲しく美しいことか
2023年12月23日 19:34
野良猫のあくびが陽射しに溶けるそれをみて口元を緩めた君僕は野良猫に少し嫉妬する遠くで白いセスナが空を泳ぐ君はそれを見て目を細めながら空よりも遠くを見つめるように私がセスナなら 青くて広すぎて迷子になるわと呟いたもうすぐさよならね なんて悲しい言葉も零すからこの日が永遠になれと 胸の内で呪詛をつぶやくきっとふたり綺麗になんて生きられないね綺麗がなにかを 産まれた瞬間に
2023年11月28日 18:55
色褪せた夜空に 貼り付けた悲しみその悲しみも 夜空のように色褪せてゆくのか色褪せて剥がれる日はくるのかそれとも夜空に紛れて残るのか朝日に燃やされて消えるのかなんにせよ 悲しみの跡は残るのだろうならば星よ隠して見えないように 気づかないようにいつかそんな悲しみがあったことすら忘れるほどの時が経つまで
2023年11月13日 17:09
秋風ががらがら吹いてます秋が泣いているのです昨夜はとても冷えましたわたしの心も冷え切って隙間だらけになりましたあなたを想うことさえもおざなりになったからでしょう日々を繋ぐことさえもおざなりになったからでしょう秋風ががらがら吹いてますわたしも泣いているのですが秋風に消されてしまいます消されてしまえば誰の耳にも届かぬようではじめからわたしは泣いてなどいないようでもあり
2023年11月9日 18:17
この世界に色をつけたのは誰だろう色鮮やかな世界だから眩しくてクラクラした眩しくてクラクラしたから目を閉じた目を閉じたからどこへも行けなくて座り込んだ色鮮やかな世界はぐちゃぐちゃに見えた君と出会って世界は真白に塗りつぶされた真白な世界ではどこまで飛べるか分からなくてただ立ちすくんだまま 飛び立つ君を見送った君のように恐れず空へと飛び立てたなら誰かを傷つけず な
2023年11月5日 18:53
陸に打ち上げられた魚のように息のできる場所を求める陸に憧れる人魚のように誰かの優しさに期待する孤独とは息苦しいものでしょうか?どうか上手に息ができますように誰かの優しさは私の冷たさを知らしめるものでしょうか?その事実を怖れませんように息苦しくても空を見上げたら星は輝いて見えるでしょうか?溢れる涙のわけを知ることはできるでしょうか?陸に上がって足が生えたらたと
2023年10月18日 19:51
涙のかけらを拾い集めて 夜空に放つそれは夜の闇に引っ掛かり星になってわたしの姿をした星座になった夜を渡る鳥が 星のひとつを咥えた鳥はそのまま東の空へと消えていくわたしの姿をした星座が零れ落ちるその星座はたちまち涙に戻ったわたしは喜んでその涙に濡れたあの鳥が あの鳥の咥えた一欠片がいつかわたしの希望になるのだ涙に濡れながら 東の空を見るやがて朝日の温もりで この涙も乾く
2023年10月11日 18:54
彼岸花を両の手でやさしく摘んで取り上げる祈りでも込めるようになにかを贖罪するように両の手に包みこんだ彼岸花を食む頬が朱く染まる 身体も朱く染まる花弁のような睫が風に揺れる秋の花よ 秋の風よなぜ悲しみを思い出させるのかいや その悲しみこそ美しいのか