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詩 春を待つ者

あの日、春風と競うように走り出した君は
陽射しに混ざり わたしの中で日溜まりになった

またねと言ったはずなのに
さよならと聞こえた君の声

微笑む顔はどんな酷い言葉よりも悲しかった


わたしは季節のように同じ日々を繰り返す

今年も冬がきた
いずれまた春がくる
君の消えた 優しく暖かい春がくる

どうか春風に乗って 君の声が聞こえますように
君の言葉で春を告げて この寒い季節を終わらせて

冬の風に吹かれながら いつか芽吹く春を待つ


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