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サイエンス×テクノロジー=エンジニアリング

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科学とは「事物の本質を表す体系的な知」であり、技術とは「特定の場面で応用される実践的な知」である。すなわち工学および工業とは「人々にとって有用な構造物や発動機関の設計・組立・運用… もっと読む
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2020年8月の記事一覧

OMO/DXは全てユーザーのためである

OMO/DXは全てユーザーのためである

マーケティング業界の人に限らず、去年後半から今年にかけて耳にすることが増えたOMOやDXという言葉。そもそもどういう意味なのか、を改めて整理すると同時に、見失いがちな視点と本当に重要なことは何なのか再度整理していく。

1.ここ1年の超バズワードとなったOMO/DXOMO:「Online Merges with Offline」の略。元GoogleチャイナのCEOの李開復(リ カイフ)さんが提唱し

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#分解のススメ 「揚げて炙ってわかるコンピュータのしくみ」(秋田純一)はデジタルと物理的な回路の間をつなげてくれる本

#分解のススメ 「揚げて炙ってわかるコンピュータのしくみ」(秋田純一)はデジタルと物理的な回路の間をつなげてくれる本

秋田純一教授 @akita11 の新刊「揚げて炙ってわかるコンピュータの仕組み」、Amazonで発売日1位!早速読んでみた。

コンピュータの根っこがわかる面白さこの本はハードウェア分解・マイコンチップ開封の本でもあるけど、なによりもわかりやすいコンピュータサイエンスの本として書かれている。

第1章はコンピュータが進化し、かつては専用の部屋が必要だったほど大きく高価だったものから、今では部品とし

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読書録:精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ (サイモン・ウィンチェスター) 物語形式で、精密さの進化が社会を変えてきたことを説明する

読書録:精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ (サイモン・ウィンチェスター) 物語形式で、精密さの進化が社会を変えてきたことを説明する

技術書ではなく、精密さがなぜ必要とされ、それが社会をどう変えてきたかをストーリー形式で伝えてくれる面白い本。山形浩生さんにおススメされて読んだ。

たとえば火縄銃が発明されたばかりのヨーロッパでは、工作精度が低いため「互換品」というものが存在せず、引き金や火口といった火縄銃のそれぞれの部品は、現場合わせの一品物として作られていた。
そのころのあらゆる機会がそうで、図面などはあるが、規格品の互換品を

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ターゲット設定は"サイエンス"でコンセプトメイクは"アート"という話

ターゲット設定は"サイエンス"でコンセプトメイクは"アート"という話

こんにちは。やまざきひとみです。

プロデュースの仕事をする上で最初にやることとして多いのが、ターゲットの設定やコンセプトメイクです。

この2つがブレると失敗とまではいかないけれど、後の軌道修正に多大な、本当に甚大なコストを使うことになります。一回決めたことをやり直すのではなくうまーくズラして成功させるのは、関わる人が多いほど骨が折れますし、成功確率も低いです。

要は、実際に市場が存在するのか

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すたれたテクノロジーはロマンスになる

すたれたテクノロジーはロマンスになる

技術革新にのりおくれ、廃れてしまった技術の行く末について。

すたれたテクノロジーにも、いくつか生存戦略があります。

馬も、刀剣も、手紙も、焚き火も、手織りの布も、テクノロジーとしては時代遅れの技術です。それでも、これらの技術は存続し、現在でも(小規模ながら)産業としての規模を維持しています。

第一線をしりぞいたを終えたテクノロジー(あるいはサービス、モノ、ブランド)には、以下の5つの生存戦略

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【デブサミ】組織と個人が内発的動機により継続的に成長するための施策

【デブサミ】組織と個人が内発的動機により継続的に成長するための施策

本記事はデブサミ2020関西(Developpers Summit)でベストスピーカー賞1位を受賞した「組織と個人が内発的動機により継続的に成長するための施策」の発表資料と動画を公開しています。

概要は、1年以上の期間をかけて、生産性倍増+成長し続けるチームに変わることができた施策の紹介です。
発表資料は読んで理解してもらえるように、発表時の状態から改訂しています。

スライドを全画面で表示する

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ハーバード・コンピューターサイエンス学部のすごかった授業3選

ハーバード・コンピューターサイエンス学部のすごかった授業3選

「ハーバードの授業ってどんな感じだったの?」とよく聞かれます。

私が受けた授業は、専攻の「コンピューターサイエンス」、副専攻の「物理」、ただ好きで取っていた「フランス語」、各分野から1コマずつ取る必要がある「教養」の4つに大別され、それぞれ以下のコマ数を受講しました。

それぞれ面白い授業ばかりだったのですが、今回はコンピューターサイエンスに絞って、すごかった授業を3つご紹介します。

1. C

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大人になってシャープペンを分解したら、ますます解き明かしたい謎が増えてしまった話。

大人になってシャープペンを分解したら、ますます解き明かしたい謎が増えてしまった話。

分解。

なんて好奇心を刺激してくれる言葉なんでしょう。

「分解」という文字を目にしただけで
ワクワク、ソワソワしてしまう。
そんな方もたくさんいるのではないでしょうか。

申し遅れました。
こんにちは、シャー研部の宗像といいます。

もうお気づきかと思いますが、
今回のシャー研SCOPEのテーマは、
ズバリ「分解」です。

みなさんはシャープペンの分解、
したことありませんか?

僕は、ありま

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メタバースとは? 開発者の視点から

メタバースとは? 開発者の視点から

ゲーム開発者会議のサマーエディションが行われた。そこでメタバースについての興味深いプレゼンテーションがあった。

"Skill-Building Series: Building the Metaverse through User Generated Content and the Cloud" 発表者の Deepak Chandrasekaran さんは、Roblox社のVP of Produ

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エンジニアリングマネージャーとして持つべき7つのスキル

エンジニアリングマネージャーとして持つべき7つのスキル

はっきり言おうか、僕は今酔っている。
お気に入りのクラフトビールが手に入ってですね。

酔いなくしてこんな狂ったタイトルのブログが書けるだろうか?
いや、書けない。

エンジニアリングマネージャーとしてのスキルに関しては、何万人もの先人が何千時間とかけて、こんなタイトルのもっと価値あるブログを書き殴っている。

はっきり言おう、こんなブログを読む時間があるなら、トムデマルコの著作でも読むべきだ。

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今週のTech News #88 -音を感知すると光るモジュールを並べると拍手の音が飛んでいく様子が目で見える、第1四半期決算チェック:日常の回復は遠い...etc

今週のTech News #88 -音を感知すると光るモジュールを並べると拍手の音が飛んでいく様子が目で見える、第1四半期決算チェック:日常の回復は遠い...etc

Twitterで流れてきた興味深いTweetを取り上げて、解像度をあげて読者に届けていくマガジンです。
データ分析、VR/AR、航空などの情報が多めになります。
ぜひフォローよろしくお願いいたします。

■音を感知すると光るモジュールを並べると、拍手の音が飛んでいく様子が目で見えるNHKでも同じような実験が行われていました。センサーではなく人間で!

■第1四半期決算チェック:日常の回復は遠い

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コルヌトピア/津久井五月

コルヌトピア/津久井五月

2016年に発表されたやくしまるえつこの楽曲「わたしは人類」は、シネココッカスという微生物のDNAに音楽を組み込む形で発表されたことで知られる。

DNAには、遺伝情報の伝達に用いられていない部分があって、その部分に楽曲情報を塩基配列に変換して保存するのだ。遺伝子を情報保存媒体として用いるわけである。

もちろん、遺伝子が自身を複製することでその情報も複製される。
とうぜん、遺伝子をもつ有機体は持

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