#日常
ラベンダー畑の約束【ショートショート】
ラベンダー畑と一緒に見た夢がある。夏の日差しが降り注ぐ、何もない平原。遠くまで続くラベンダー畑が広がっている。
風が吹くとラベンダーの香りが全体を包む。瞬きする度に香りが増してくる。風が吹くと香りが強くなるのだ。
僕たちはそこで約束を交わした。二人だけの秘密の約束。一緒に畑を歩く約束。約束は簡単だけど、心は深い。
彼女が笑うと、全てが明るくなる。その笑顔が、僕の世界を照らす。何かを失った時、
月に聴かせるように。
この世界の生活は
月にとっては一つのおとぎばなしなのです。
昼下がり。
ぱらぱらと頁を捲りながら読んだ本の一節に、はっとする。
その本は、月から見たそれぞれの日常や人生の節々が小さな物語として淡々と語られていた。
そうなんだよなぁ。
月から見たらおとぎばなしにすぎない生活なんだよなぁと、遥かな気持ちになりながら。
だけど
だからこそ
それぞれの物語の中に居るんだよなぁと。
喜劇も悲劇も
【詩】セレクションバイアス
1億円あげる代わりに未来を頂戴?
明日来ないのと1億円どっちがいい?
ちょっと、少なかった?
じゃあ1兆円でどう?
貴方が思う命の価値はお金に変えられない。
だけど、他人の命の価値は値付けされていて、
裁判で、大体このくらいって計算される。
なんでかな?
私が選んだ貴方だから。
そんじょそこらの人とは違う。
恋は盲目。
網膜には光の受容体があるけど、
一か所だけ、神経が集まっ