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「幻想マーケティング」としてのL'Arc-en-Ciel~2024年4月7日さいたまスーパーアリーナLive~
激しくて静かで、ドロドロしてて透き通ってて、大胆で繊細で……いくつもの相反する要素を持つが故に「言葉では何とでも表現できるが、だからこそ、逆にどう表現しても捉えきれないバンド」L’Arc-en-Ciel。
2024年4月7日(日)のさいたまスーパーアリーナ公演(「ARENA TOUR UNDERGROUD」)は、複数回ラルクのライブを観ている私にとっても(今までのライブも素晴らしいのを大前提とし
映画『バビ・ヤール』感想~いつまでも続く「顔」の迫力と権力の軽さ~
セルゲイ・ロズニツァ監督のドキュメンタリー映画は「顔」をキーワードとして語られることが多いと思います。
二時間以上スターリンの葬式映像を編集し流した『国葬』でも、「偉大なる人物」の死に対し、悲しんだり様々な反応をする人民の顔がこれでもかと映し出されます。
今回紹介する戦争の記録映像を練り上げて制作された『バビ・ヤール』においても、「顔」は重要なキーワードとなります。
戦後約50年間にもわたり
詩「キラキラ回線 真っ暗な川へ還る」
暗く果て無き川
明かり灯らぬマンション
一室だけまばゆいテンション
この星の知ってること全て集めて
超高速回線でキラキラを食べて(A)
だけど足ることだけは知れず
窓から広がる闇に怯え
人を救い傷付けを続け(B)
声も出ぬ
底も見えぬ
暗い川よ
電灯をテラテラ
足ることは
お前だけが知っていると
夜更けにケラケラ(サビ)
俺もお前も
人肉団子
丸め込まれすり潰され
海まで行こう
ライブ「BUCK-TICK TOUR 2023 異空 7/22 東京ガーデンシアター」感想
※一部、曲目や演出のネタバレがあります。
(1)ライブ前と後
・(少し予想はしてましたが)客層の幅広さに驚きました。色々な服装や髪
型の人々がいて、若い人から一人で来たおばあちゃんまで、世代も様々で、海外からのファンも目立っていました。「BUCK-TICKのライブ空間は日本でも有数の多様性空間だ!」と思えることはファンとして嬉しく誇らしいことです。
・ライブ内容自体が素晴らしかっただけに、運
軽やかな夢が重たい現実を突き破る~BUCK-TICK『異空』感想~
力が無いからアイディアや奇抜さに逃げるのではない。
有り余った力でアイディアを出し尽くし、限界突破している。
BUCK-TICKはそういうバンドだと、最新アルバム『異空』を聴いて実感した。
美しい浮遊感のあるインストがあり、逃げ場の無い歌詞とヘヴィ目のサウンドがある。
軽快さがある一方、勢いと攻めで押し切る、デジタル混じりのロックがあり、退廃のスローテンポ曲や、珠玉のバラードもある。
歌詞も