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#恋愛
セフレ以上、恋人未満。短編小説
「もうキミ、要らない。」
そう言われると目が覚めた。
夢か。
息を忘れていたかの様な感覚で冷や汗をかいている。暖房が暑過ぎたのか、それとも…。そう思いながら息を整え、隣に目をやると愛おしい彼が寝ていた。
彼。いや、正式にお付き合いをしているわけでは無い。
単に、彼の一人暮らしの家のベッドで、隣で寝ている関係。
いや、違うな。
セックス?そんなものはやり終えた。私達は"身体の関係"が既にある。
二人乗りの体温が冷めた時には/短編小説
深夜25時。
11月の肌寒い時期に、彼は自転車で私の家まで送ってくれている。
駅周辺にはやはり若者は多く、少し騒がしい。一歩住宅街に入ると、さっきまでとは真逆の静けさで若干怖くなる。
彼の家から私の家までは自転車で15分の距離。
その時間だけは、私のものだ。そう思えた。
二人乗り。
「この時間だから警察は居ないだろうし、夜だし送るよ。後ろ乗って」
そう言われて乗った二人乗り自転車。どこを掴
あの日した約束を貴方は覚えていますか?/短編小説
「テッペン取ったら会いに来る。
それまで待っていて欲しい」
そう言った時の言葉と、雰囲気はかろうじて覚えているが、彼女がどんな表情だったかの記憶は正直ほとんど無い。
*
「佐倉、29歳のお誕生日おめでとう!」
「ありがとう、みんな」
「いやぁ、お前ももう29歳か早いな」
「本当に。ずっと一緒だから実感わかねーわ」
はははっと笑い合う仲間。俺のグループ。
アイドルとして4人でデビューして8年
キミは悪魔/短編小説
僕は君が気にいらない。
どこに居ても声を掛けられ、静かに居たい僕の隣で大声で笑うものだから、周りからは「夫婦」だと言われている。
正直ぜんぜん嬉しくない。
*
「っでさ、ヨシキくんて甘いもの好き?チョコとかクレープとか」
今日も朝っぱらから騒がしい。挨拶も無しに急な質問。そしてなぜ君は、このクラスに居て、なぜ僕の椅子に座っているんだ。ったく。
「・・・べつに」
「え!なにその反応!低血圧過ぎ
年に何回満月が訪れると思う?/短編小説
そろそろ夜ご飯に行こうか、そう話した5分後には車を出す。相変わらず、行動だけは早い私たち。
何が食べたいかなんて決めず、とりあえず繁華街まで行こうと車を出してくれる。
彼の車はミッション車でエンジンの音や振動が重く、私のオートマ車には感じない衝動が慣れれば心地良い。
この衝動も何十回と乗っていたら慣れたものだ。ミッション車を乗りこなす彼をみて、相変わらず横顔は綺麗だなと眺めながら、彼の安心感に包