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みんなのフォトギャラリーから

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フォトギャラリーからイメージした物語を並べてみました。
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#眠れない夜に

金持ちジュリエット【短編】

金持ちジュリエット【短編】

ジュリエットは、大富豪の娘。
傲慢に育った彼女には、だれも正しい意見を伝えることができなくなっていた。
そんな彼女の日記には、お年頃の悩みがつづられていたのである・・・。

『わたし、鯉をしたわ。とうとう素敵な肩と出逢ったの。あれは、うちにGoToが入ってきた日のこと。そのGoToは岡根を撮って逃げた後だったわ。
そのときに対応して下さった刑殺官の肩に人目彫れしてしまったの。征服が似合う素敵なお肩

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金持ちジュリエット【短編】

金持ちジュリエット【短編】

ジュリエットは、大富豪の娘。傲慢に育った彼女には、だれも正しい意見を伝えることができなくなっていた。そんな彼女の日記には、お年頃の悩みがつづられていたのである・・・。

『わたしは、お金持ち。そう、大富豪と呼ばれる家系の礼状として生まれてきたわ。
そして、たくさんの飯使いから「かわいい、かわいい」とちやほやされて育ってきた。
何不自由ない性活。
幼いころからたくさんの習い事をさせられ、好奇な女性と

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違法の冷蔵庫【短編】

違法の冷蔵庫【短編】

「はい、はい。ちょっとたてこんでいまして。納期は少し遅れる見込みです。、、、わかりましたよ。できるだけ、ご期待に添うように手配します。何分、人手不足で。」

男は、電話を切った。

そして、巨大な冷蔵庫を開けた。

「どれだったかな。これは違うな。これも違う。手前の方に置いたかな。いや、違うな。もっと右側だったかな。左だったかな。、、、これは凍らせたばかりのやつだ。」

ここは、悪の秘密結社のアジ

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株式会社リストラ【短編】

株式会社リストラ【短編】

「お前は、もうクビだーー」
今日同僚がまたリストラされた。

今期はもう3人目だ。
会社のみんなは「株式会社リストラ」だと陰口をたたいている。

A社長はワンマンで、頭角を現す社員がいると、怒鳴りつけることが多くなる。

そして、、、、「お前は、もうクビだーー」で終わるのだ。
リストラされたやつらには二度と会うことはない。

かく言うわたしも最近、社長の風当たりが強くなってきた。

もう限界だ、、

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ピンクイルカ電車【短編】

ピンクイルカ電車【短編】

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語

いつもより少し遅い、午後8時27分。
ぼくは会社から帰宅するため、電車に乗った。

この時間の電車は、あまり混まない。

空いている席を見つけて、腰を下ろす。
今日も一日、デスクワークで疲れた。得意先とのやり取りは、帰るまで何度も続いた。課長の対応も二転三転するし、こんなはずではなかったな。電車に貼られたビジネス専門学校の広告を見ながら、そう思った。

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シロクマの世界【短編】

シロクマの世界【短編】

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。

グゥオオオオオーーーーーーー!

シロクマは、星空に吠えていた。

心細さをかき消すように、吠えていた。

シロクマは、満天の星空の下に、独りだった。

空には、あんなにたくさんの星が瞬いているのに。

いや、あんなにたくさんの星が瞬いているからこそ、自分が独りでいることを強く感じ、不安になるのだ。

グゥオオオオオーーーーーーー!

シロクマは、もう

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終わらない1on1

終わらない1on1

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。

「5点取った方の勝ちな」
タクヤは言った。

「負けた方はジュース」
オレも言った。

真夏の1on1。

中学校のバスケットボールコート。

大学の初めての夏休み、地元に帰って来たオレは、いつもタクヤと一緒だった。

バイト代は、実家への切符代に消えていた。タクヤも同じだった。

甲子園も見飽きたし、体力の有り余ってるオレたちは、近くの公園でキャッチ

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リセットボタン【短編】

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。

オレは、この世で一番ツいてない男なんだ。

もう、こんな人生はいやだ。やり直したいことがありすぎる。

そう思って、メロカリを見ていたら、すごいものを見つけた。

「人生やり直し機」

すぐに購入した。

価格は39万。

高い買い物だが、これで人生をやり直せるなら。

このボタンを押せば、人生をリセットできる。

今日は、勤め先をクビになった。

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北風と太陽【短編】

北風と太陽【短編】

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。

太陽に負けた北風は、リベンジの時をじっと待っていました。

すると、向こうから一人の旅人が歩いてきます。

「あの旅人の服を、全て脱がせた方を勝ちとしよう」

北風は、太陽にもう一度勝負を申し込みました。

「服を全て?」

「そう、全て」北風が念を押しました。

前回勝った太陽は先攻、負けた北風は後攻です。

まず、太陽の番です。太陽は以前と同様に、

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世界を切り取れ【短編】

世界を切り取れ【短編】

森は緑であふれていた。

芝生に寝転がり、空を見上げる。

快晴。

青空が広がっている。

この青空は、どこまで広がっているのだろう。

無限に広がる空と、自分。

自分がちっぽけな存在のように感じる。

頭の上を、一羽の鳥が横切った。

まるで空を2分割するかのように。

もう一度、空をよく見る。

鳥が横切った軌道をイメージする。

空が2分割される。

もう一度、空をよく見る。

空は、緑

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鵜の孤独【短編】

鵜の孤独【短編】

みんなのフォトギャラリーから生まれた物語。

グルルルル、グルルルル。

これは、ワタシの泣き声です。

グルルルル、グルルルル。

鶯や郭公のように、上手になくことができません。

不格好な泣き声で、すみません。

、、、紹介が遅れましたワタシは「鵜」というものです。

なぜ、泣いているかというと、探しているのです。

だれか知りませんか。

空を見上げても、雲しか見えません。

涼やかな風の中

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お前 気に入らない!【短編】

お前 気に入らない!【短編】

みんなのギャラリーから生まれた物語。

ラマは、お尻にぶつかってきたものを睨んだ。

「いてーじゃねーか、お前!」

「何だと!お前がぼーっと突っ立てたから、ぶつかるんだろ!」
ぶつかったラマは、ぼーっと突っ立ってたラマを、睨み返した。

「お前がぶつかってきたんだろ」
突っ立ってたラマは言った。

「お前が突っ立ってたんだろ」
ぶつかってきたラマが言った。

「何だあ、こいつ、馬みたいなツラしや

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そんなにスピード出して、どこに行く?【短編】

そんなにスピード出して、どこに行く?【短編】

みんなのギャラリーから生まれた物語。何か感じてもらえれば、、、。

うわっ、あぶない!

こんなところでスピード出して。

ヒトが飛び出したら、どうすんだ?

山道なんだから、ちょっとはスピードゆるめろ。

この先は急カーブがあんだから、事故っても知らねーぞ。

だから、あぶないって!

今の車は、80キロは出てんじゃねーか。ここは法定速度50キロだぞ。

警察は取り締まらねーのかよ、まったく。

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ハリネズミはキノコに出会った

ハリネズミはキノコに出会った

散歩に出かけたハリネズミは、いつもの散歩道で見たことがないものを見つけた。

「こんにちは」
ハリネズミは、その見知らぬものに挨拶をした。
ハリネズミは、小さい頃から、お母さんに
「出会った人にはきちんとご挨拶なさい」
と教えられて、育ったのだ。

しかし、見知らぬものは挨拶を返さない。

「こんにちは」
ハリネズミは、もう一度挨拶をした。もしかしたら挨拶の声が聞こえなかったかも。そう考えたのだ。

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