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エッセイ

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#哲学

”普遍志向”の西洋、”物語志向”の中国

”普遍志向”の西洋、”物語志向”の中国

中国と西洋の考えが相容れないのは、その思考の底板が何か?ということに由来するのではないか。

中国の場合、孔子や四書五経など中国哲学と言われるものがほどんど物語である。つまり、人や世界の存在をベースにその中で筋立てされた物語である。

物語の良さは、「理解しやすい」ということに尽きる。

一方で、悪いところは、多数の人々に間で共通了解を作りづらいというのがある。(なぜその物語が正しいの?と言われた

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仕事における「構想」と「実行」の統一 #人新世の「資本論」

仕事における「構想」と「実行」の統一 #人新世の「資本論」

斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』 からの引用。

**引用開始

アメリカのマルクス主義者ハリー・ブレイヴァマンの言葉を借りれば、社会全体が資本に包摂された結果、「構想」と「実行」の統一が解体されてしまったのである。

どういうことか、簡単に説明しておこう。本来、人間の労働においては、「構想」と「実行」が統一されている。例えば、職人は頭のなかで椅子を作ろうと構想し、それをノミやカンナを使って実

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あなたの生のゲーム設計はどうなっているか

あなたの生のゲーム設計はどうなっているか

テレビゲームやスマホゲームなどのいわゆるゲームが、物足りなさがあるものの面白い。その理由は、そのルールが明確だからだ。

ゴールがラスボスを倒すことで、そこまでの道筋が単純すぎないが、一定程度見渡せているから、経験値をためて前進していく。どんなゲームも基本はこういう構図だ。

人生を楽しんでいる人の多くは人生をゲーム化している。ゲームにおける報酬や経験値を貯める方法をリアルの世界で一定の明確な形で

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内心にひそむ確信を語れば、それは普遍に通ずる by エマソン

内心にひそむ確信を語れば、それは普遍に通ずる by エマソン

これはアメリカの哲学者エマソンが『自己信頼』というエッセイで述べたものである。

私は今後の世の中でこの考え方が重要になってくると思う。

もう、顕在化された課題という視点では、どんどんビジネスや団体が立ち上がりその解決を図る。

今は世界中の誰もが主役になれる時代だ。

その心は?というと、

誰もが自分の抱えている課題を深く考察し、それを社会に共有することで、主役になれる、

ということ。

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Clubhouseのビッグデータは何に役立つか〜シンボルデータとクオリアデータ〜

Clubhouseのビッグデータは何に役立つか〜シンボルデータとクオリアデータ〜

Google、facebook、Twitter、InstagramなどのSNSは我々の個人情報を貯めて、あらゆる人間の人間モデルを作ろうとしている。つまり、地球上の各個人について彼らを深く理解し、その言動をシュミレーションしようとしている。

なぜ、そんなことをするか?

それは、そのモデルを利用して各人の言動を操作しようとしているからだ。ビジネス利用でいえば、広告がメインとなる。行動原理がわかっ

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材料はありふれているが「筋立て」は創造性を発揮できる

材料はありふれているが「筋立て」は創造性を発揮できる

以前、私はこのブログで、ビジネスで創造性のあることは限られているという話をした。
なぜならビジネスとは、誰かに使われる商品やサービスを作る必要があり、また、提供すrには人材を集めなくてはならないが、そのどちらにも一定の共感をしてもらなわければいけないからだ。共感されるということは、あまりにぶっとんでいてはいけない。当たり前すぎても、ぶっとぎすぎてもいけない、ちょうどいい適度な創造性を発揮しなければ

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「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」への決定的な答え〜AIに「存在」という語をどのように学ばせることができるか〜

「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」への決定的な答え〜AIに「存在」という語をどのように学ばせることができるか〜

私はこの問いに興味をもって哲学をやったといっても過言ではない。

先日、これについての議論を聞く機会があったが、どれも正直全く前に進まないような答えばかりであった。(何かしらの領域では意義あることだったと思うが、この問いへの回答としてはダメだった)

まず、考え方のルールを決めなくてはならない。

私は、これを哲学の現象学のアプローチで考えれば完全解決とは言わないまでも、かなり視界がクリアになると

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アドバイスを受け入れるか否かはその人の魅力次第だという話

アドバイスを受け入れるか否かはその人の魅力次第だという話

われわれは普段から、他者の意見や主張、アドバイスなどを耳にする。

ときには、To Meで助言やアドバイスをもらうこともある。

私、こういうときに思ってしまうのは、「このアドバイス受け入れたら、この人みたいになるのか」ということ。

なぜなら、その人はそのアドバイスのように行動するのが良いという価値観で生きてきて、今がある。その視座で行動しつづけていく先にはその人の状態がある、ということなのだ。

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「フェアに自分の責任でリスクをとりたい」というのが「起業」の本質であり、「人間の欲望」の本質

「フェアに自分の責任でリスクをとりたい」というのが「起業」の本質であり、「人間の欲望」の本質

以下、GOの三浦さんという方のNewspicksの佐々木さんが起業した理由についてのツイートだ。

三浦さんは「フェアに自分の責任で大きなリスクをとりたい」というのを「起業の本質」だと言っているが、私もまさにそう思う。

会社勤めはいいこともあるし、悪いこともある。ただ、一番もやもやするのは、責任の範囲が曖昧なことだ。いい仕事をしたのにリターンが少ない、という理由もあるだろう。

しかし、それより

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「ビジョンがあること」と「信頼を得て集団をまとめること」

「ビジョンがあること」と「信頼を得て集団をまとめること」

人の話をよく聞いて、相手を立てながらコミュニケーションをしていけば信頼を得ることができる。

日本の組織で出世したり、抜擢される人はそういう人が多いだろう。

ガースーこと菅首相もそうなのではないか。

でも、そうして権力を持てる地位についたとしても、その人自身に思想がなければ、その地位は宝の持ち腐れである。

やりたいことがあってこその地位だ。

その地位に副次的にくっついている権力や金を目的に

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それでも「真実」を求める理由は「システムはどのみち回らなくなるから」

それでも「真実」を求める理由は「システムはどのみち回らなくなるから」

真実はなぜ重要か?自分たちの主観的な世界が楽しければそれでよくないのか?

自分が見ている世界を全てだと思って、その中で自由に楽しく生きていればいい。そう考える人は多いだろう。

つまり、その自分たちの(狭い)世界の「外」(真実)なんかどうでもいい、という態度。

本当のことがわかっても、だからどうなんだ!っていっちゃうやつ。真実なんてどうでもよくて自分たちが自分たちの見ている世界がよければそれで

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スタバの店員さん並に人に喜んでもらうことが人生の全て

スタバの店員さん並に人に喜んでもらうことが人生の全て

私はかなり実存主義者である。

実存主義って何かといえばいろいろな定義があるが、

一言でいうと、

自分の主観を最優先に考える

といえる。

社会だったり、GDPだったり、他者だったりを主語にして物事を考えない、ということ。

自分がハッピーならそれでいい、という発想。

ただ、それは自己中のわがままであることを意味しない。

家族や大切な人が幸せだったり、世界が平和だったりすることが条件で自

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ハイデガーとフワちゃん

ハイデガーとフワちゃん

ハイデガーがアリストテレスを取り戻したように、フワちゃんも篠原ともえを取り戻したのか。

勝手に評価してんじゃねえ!承認してんじゃねえ!〜ある同性愛者のカミングアウト

勝手に評価してんじゃねえ!承認してんじゃねえ!〜ある同性愛者のカミングアウト

以前、ある哲学者の方がカミングアウトについて興味深いことを述べていた。

同性愛者の人にとって、

カミングアウトをしたときの「聞き手の適切なリアクション」について。

「え〜、そうなんだ!でも全然いいと思う」

みたいなリアクションは絶対NGらしい。

なぜか?

一見、

認めてあげているのだから良さそうだが。

しかし、この「全然いいと思う」のように

勝手に評価しているのがNGらしい。

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