- 運営しているクリエイター
#小説
小説 ファッキン・ナイス・ワーク #5
古本屋界隈などでは、その作家の本をほしがるやつには気をつけろ、といわれるらしい。読者に妙なのが多いらしく、何かしら問題が起こりがちだという。盗むのなんかは当たり前だし、買ったのにカネを払わない、というようなよくわからないこともあるそうだ。
作家の名を澁澤龍彦という。
澁澤の本を探してきてくれ、と頼んできた老人からは特段変な雰囲気は感じなかった。そもそも客観的にいわくを話してきたのが彼なのだ。
〘お題de神話〙かつてない山だ
「人は何故山に登るのか──そこに、山があ
るからだ」
「どうした、突然」
「どっかの登山家の言葉だっけ?」
「ふぅむ。イギリスのジョージ・マロリーだな。哲学的に捉えれば、『山は人生に似ているから、その山の頂上を目指して一生懸命登ればばいい』的なやつだったはず」
「まだ誰も成功してなかったエベレスト登頂を目指しての言葉とも言われてたよね」
「そう言えばさ。山の神様って女神様が多いよね。日
【掌編】薔薇と5と永遠と
僕は今日も一人、キャンバスに向かって絵筆を走らせている。町はずれのおんぼろなアトリエには、むんとした絵の具のにおいが立ちこめている。僕の目の前には薔薇が一輪挿しに入って置かれていて、僕はそれを描いているのだ。
薔薇を描くことは容易ではない。幾層にもなった花弁の複雑さはもとより、棘のある茎としなやかな花柄、5枚のがく。この奇跡的な均整を絵の具で描き出すのは骨の折れることだった。
それでも、僕は薔
〘お題リレーde神話〙Blue Ever Garden
note神話部の創部2周年記念企画『お題リレー』参加作品です。
文字通り、前の方からトスされたバトンを使って創作するので、つなげたバトンがどんな風に変化して行くのかがキモです❢
つたないことこの上ありませんが、匍匐前進の体ご容赦のほど、なにとぞー!w(私は鈍足)
✭
↓ 前走(矢口部長)の素晴らしい快走はコチラ ↓
受け取ったバトン
『庭』
⿴⿻⿸✯⿴⿻
小説 『サミダレ町スケッチ』
サミダレ町スケッチ
1 ある若い住人
頬のあたりに虫が這った。少なくともそんな気がした。払いのけようと右手をやり、片目を開けたらもう夜は明けていた。そのまま起きることにする。
うっすらと光の差す路地裏で、周りの連中は汚れた毛布にくるまってまだ寝ていた。手や足や頭を踏みつけないようにして路地を抜ける。
どんよりと曇った空が見えた。太陽の光は雲の向こうから届いていた。
この日の仕事は
あとがき ショモツイクサ(書物戦)
俺の座右の銘に「読んでもらうのではない、読んでいただくのだ」というのがあります。ある作家からの受け売りだけれども、重要な心構えのような気がするので、頭の中に銘を刻みました。
この東九龍の長いお話を読んでいただき、ありがとうございますとお礼申し上げます。おもしろかったでしょうか。
宝探し、見るなの禁忌、冥界下り、行きて帰りし物語、そのくらいかな、いろいろと神話や物語構造のモチーフを、雑に、
小説(ラノベ風)『イーストエンド・ガーディアン』
目次(BGM)
1 魔法を信じ続けるかい?/中村一義
2 麒麟児の世界/未映子
3 I Think I Can/the Pillows
4 メギツネ/BABYMETAL
5 常勝街道/雅
6 僕たちの距離感/夢中夢
7 Gypsy Girl/Sword of the Far East
8 魔法少女幸福論/トーマ
9 その時なにが起こったの?/キノコホテル
10 豚の皿/Gra