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#小説
1996 ひなかご 11(最終)
「僕は一生、君に会うことはないと思っていた。君の婚約者に会うまでは」
「クロードが?」
クロードがなぜジォンの居場所を知っているのだろう。カミーユはふと息を詰めた。クロードは弁護士だ。戦後の裁判の記録を見て、クロードはジォンを捜しだしたのだろう。カミーユは肩をふるわせた。何のために。
「君にとって僕は特別な存在であるようだと、彼は言っていた。彼が僕のアパルトマンへ電話をかけてきたとき、ちょ
あとがき「No.I」
どうもAKAです。
No.Iを読んで下さりありがとうございますm(*_ _)m
あとがきを書くのが初めてでなにを書いたらいいか悩みましたが、短編ということもありこの話を思いついたきっかけなどを書いていこうかなって思いましたので、書きます。
この話を思いついたきっかけは、twitterのタイムラインで流れてきた絵からですね。絵と題名を見た時に、こんな感じの設定のストーリーがあればいいなと思って書き
小説「光の物語」第54話 〜出奔 2〜
「おい、驚くなよ」
マティアスはディアルの執務室に入るなりそう切り出した。
「何事だ?」
「ベーレンス伯爵だ。彼はどうやら妻子を見捨てることにしたらしい。領地の司教に婚姻無効を申し立てたそうだ」
「なんだって・・・?」
ディアルは呆気に取られた
マティアスの部下からの報告によると、年明け早々に王城から領地に戻ったベーレンス伯爵は婚姻無効のための調査を開始した。
そして、夫人と自身が遠い血縁関係で
800文字日記/20220412tue/041テーマ「悪夢、悪寒、処方」006
悪夢で目覚める。自分が産んだばかりの仔犬をムシャムシャと食べる母犬の夢だった。汗びっしょりで着替える。背筋に悪寒がはしる。風邪のぶり返しだ。腹に猫がのる。まだ6時だ。机の上のメモをみる。「人生は一度きり」。自分の筆跡だ。昨日、すごい発案だとはしり書きをしたのだろうが書いた記憶はない。体は砂袋のように重い。椅子に座ったままうごけず。机につっぷしたまま寝る。寒気で目覚める。
窓から初夏の陽気が注ぐが