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夕遊の映画座

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2022年10月の記事一覧

人生の喜怒哀楽が全てある、生きる力がみなぎる。映画『RRR』インド、2021年

人生の喜怒哀楽が全てある、生きる力がみなぎる。映画『RRR』インド、2021年

映画の舞台は1920年代のインド。日本でいえば大正時代。インドを植民地にしているイギリス人の政府高官夫人が、とある部落で、絵の上手な女の子マッリを暴力的に奪っていきます。眼の前で母親を殴打するとか、反政府活動家の血が見たいとか、この映画のイギリス人高官たちは徹底的に悪者で すごいです。

この物語は、実在の独立運動のリーダーだったコムラム・ビームとアッルーリ・シータラーマ・ラージュを主人公にしたフ

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おもしろすぎてとまらない。『辮髪のシャーロック・ホームズ』トレヴァー・モリス(船山むつみ訳)

おもしろすぎてとまらない。『辮髪のシャーロック・ホームズ』トレヴァー・モリス(船山むつみ訳)

発売前から評判が良くて、すごく気になっていた推理小説をようやく読むことができました。少し前から、BBCのドラマ『シャーロック』あたりから、映画がいくつもつくられたり、シャーロック・ホームズのブームみたいな感じになっているような。みなさん、シャーロック・ホームズ大好きですね。私もです。小学生の頃、子供向けの翻訳本を夢中になって読みました。

堀啓子さんの本にも、明治時代の日本人が英語で書かれたミステ

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シェフと料理と人生の物語。映画『マーサの幸せレシピ』ドイツ・オーストリア・イタリア・スイス、2001年

シェフと料理と人生の物語。映画『マーサの幸せレシピ』ドイツ・オーストリア・イタリア・スイス、2001年

映画の舞台はドイツのハンブルクのレストラン。主人公は腕のいいシェフのマーサですが、彼女は精神的なストレスを抱えていました。料理に絶対の自信があるのに、理解のあるいいお客ばかりではないからです。レストランのオーナーは彼女を信頼してくれていますが、客に対してはマーサに譲歩をうながします。でも、マーサは料理に関して絶対に譲らず、お客とケンカもしばしば。

マーサは親しい友人もいなければ、パートナーもいな

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マフィア的イタリアンレストラン。映画『ディナーラッシュ』アメリカ、2001年。

マフィア的イタリアンレストラン。映画『ディナーラッシュ』アメリカ、2001年。

映画の始まりのシーン、なんだか既視感あるなと思ったら『レオン』の仕事を請け負うお店の雰囲気にそっくりでした。そして、いきなりマフィア的抗争(というか殺人)。舞台はイタリアンレストランで、イタリア系のおじさまたちはレストラン経営だけじゃなくて、賭博の胴元も兼業していた模様。

とりあえず、『レオン』と違って女性や子供が巻き込まれない映画なのがよかったですが、腕のいい副シェフが賭博癖で、借金をたくさん

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不思議なメンバーのおかしなレストラン。映画『ソウル・キッチン』ドイツ、2009年

不思議なメンバーのおかしなレストラン。映画『ソウル・キッチン』ドイツ、2009年

体調がしんどいときには、楽しい映画を見るのがいいです。だいたい食べ物系を選べばハズレは少ないです。というわけで、本当に適当になんの予備知識もなく見始めました。あとで知りましたが、私の大好きなアン・リー監督大絶賛の映画だとか。すごい偶然です。

舞台はドイツのハンブルク。大衆レストランでいかにもイマイチそうな食事を作っている主人公ジノス。どうもギリシャ系っぽいし、登場人物たちもトルコとかアラブとか移

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