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#小説
昔々のある日、そのNさんのお葬式があったのだが、黒い服を着た男の人が何百人も来ていた。すごい葬式だと思った。葬式饅頭を、もらいに来ていた子供の私はとても中に入れなかった。2月7日、
昔々のある日の話です。祖母の家を毎日訪ねる90歳のNさんという、背が低く腰が曲がったおばあちゃんがいました。
彼女は子供の頃の私には普通のおばあちゃんのように思われましたが、一度話を始めると止まらないという特徴がありました。
そして、小さな家で一人で生活していて、娘さんは滅多に訪ねてこないという寂しい人生を送られていたことが知られていました。
そんなNさんが、突然亡くなった日が訪れました。葬
鶯の巣 第12話 茜④
差し込む朝日が目にしみる。仕事が休みだというのに、心も身体も重い。もう朝なんだ。私は日の光を避けるために、布団を被った。ベッドから出る気になれないのは、外の空気が冷たいからだけじゃない。
英雄くんが昨日、男の家に泊まって、帰って来なかったからだ。前から恋人の影は感じていたけれども、まさか水野さんだったなんて盲点だった。
私も何回か会ったことはあるが、優しい雰囲気の良い人だ。子どもがいるから、