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#小説

雨と君と…果てなき想い

雨と君と…果てなき想い

どうして君なんだろう?
 

他に沢山男はいるし 好いてくれる人もいるのに

何で君に心が動くんだろうね

ようやく 君から君への想いから逃れられたと思っていたのに

また君の元へ戻ろうとしてしまうなんて

未来の見えない関係は嫌だから

一緒にいても何も生まれない関係は辛いから離れたはずなのに

雨が君を呼んで 雨音が君への慕情を煽るんだ

まだ好きなんでしょ?って‥

君といるのが苦しいから

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創刊号試し読みー「バス、その車窓」影山空

創刊号試し読みー「バス、その車窓」影山空

1月14日文学フリマ京都で販売します「第九会議室 創刊号」の、掲載作品の試し読みコーナーです。

影山空 著者紹介(本文抜粋)

「バス、その車窓」本文抜粋

耳

6月、街は雫の落ちる音に満たされていた。
成瀬は拘置所に事情聴取のために訪れていた。2日後のメイの誕生日のプレゼントを考えながら、彼は看守に一礼を交わした。
「どうぞ。」重厚な扉が開く。黒板に爪を立てた時の音にも似た、この世の中で彼が一番嫌いな音だった。一人の男が入ってきた。身長は170cm程で、特徴が特にないのが特徴、といったところだろうか。まるで昨日すれ違った気がするような、そんな風貌だ。

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雨の中を歩く。[超短編小説]

雨の中を歩く。[超短編小説]

雨が降っている。
バケツをひっくり返したような、という表現があるけれど、まさしくそれだ。
昔から雨は嫌いだった。どんよりジメジメしていて、気分は暗くなるし、おまけに頭痛もする。僕にとっては最悪なことばかりだ。
雨が好きな人なんているのだろうか、なんてそんな極端なことを思いつつ、僕は傘を差して雨の中を歩き始めた。
………ああ、そういえば、昔付き合っていた彼女は、雨が好きだと言っていたっけ。
「海の水

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The board that connects the ocean and me(By Mitsuji Chinen)

The board that connects the ocean and me(By Mitsuji Chinen)

I am beginning to lose faith in my son.

 My son is eight years old, in the second grade. He is still at an age when parents need to protect him at all costs, but sometimes I cannot understand what m

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昔々のある日、そのNさんのお葬式があったのだが、黒い服を着た男の人が何百人も来ていた。すごい葬式だと思った。葬式饅頭を、もらいに来ていた子供の私はとても中に入れなかった。2月7日、

昔々のある日、そのNさんのお葬式があったのだが、黒い服を着た男の人が何百人も来ていた。すごい葬式だと思った。葬式饅頭を、もらいに来ていた子供の私はとても中に入れなかった。2月7日、

昔々のある日の話です。祖母の家を毎日訪ねる90歳のNさんという、背が低く腰が曲がったおばあちゃんがいました。

彼女は子供の頃の私には普通のおばあちゃんのように思われましたが、一度話を始めると止まらないという特徴がありました。

そして、小さな家で一人で生活していて、娘さんは滅多に訪ねてこないという寂しい人生を送られていたことが知られていました。

そんなNさんが、突然亡くなった日が訪れました。葬

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小さな小さな

小さな小さな

 数年前の話である。

 駅に向かう私の前を歩く女性がいた。彼女はベビーカーを押しながらゆっくりと歩いている。
 私も特に急ぐわけでもなく、彼女を抜かすために歩く速度をあげるのも面倒なので、だらだらと後をついていった。

 季節は春だったように思う。雨上がりの澄んだ空気と、ぬるい風が気持ちよかったことを覚えている。

 濡れて黒々と光る地面も美しい。アスファルトに押し花でもされたかのようにはりつい

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不思議な一日 第1057話・12.21

不思議な一日 第1057話・12.21

「今日も楽しく幸せに過ごせた」と、内心喜んでいる。ちょうど1日が終わりベッドに入った瞬間だ。今だからこんなことが言えるのかもしれない。これが数時間前ならとてもそんな状況ではなかった。それは大きなミスをしたかもしれない恐れていたからだ。

 異変は朝から起こった。朝目が覚めたときに何か気持ちの上で違和感があった。あったが致命的な何かではなかったので、首をかしげながらも気にせずに起きあがる。そのままい

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問答歌 考察26    人生訓

問答歌 考察26 人生訓

摩訶不思議な人の世の、不思議、不思議、摩訶不思議、

人の世の中不思議界、全くもって不思議なもの、

こんな人の世、鑑みりゃ、頼りになるのは諺か、様々諺に頼ってみて、

色々様々座右の銘、無数に数々あるものの、

格言様々多種多様、名言、格言、人生訓、

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短編小説:どしゃ降りとシュークリーム(上)

短編小説:どしゃ降りとシュークリーム(上)

 最悪だ。どしゃ降りだ。

 今朝、天気予報で「午後から大雨」というのはチェックした。わざわざ玄関の目立つところに傘を置いておいた。
 それなのに、家を出るときは晴れていたし、電車に遅れそうであわてて家を出たものだから、忘れてしまった。

 いつもこうだ。僕はいつも、何かをミスする。

 職場に着くまでは雨も降らず、今日は外回りの仕事もなかったから大丈夫だった。
 夕方から少しずつ降り始めた雨が弱

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鶯の巣 第12話 茜④

鶯の巣 第12話 茜④

 差し込む朝日が目にしみる。仕事が休みだというのに、心も身体も重い。もう朝なんだ。私は日の光を避けるために、布団を被った。ベッドから出る気になれないのは、外の空気が冷たいからだけじゃない。
 英雄くんが昨日、男の家に泊まって、帰って来なかったからだ。前から恋人の影は感じていたけれども、まさか水野さんだったなんて盲点だった。
 私も何回か会ったことはあるが、優しい雰囲気の良い人だ。子どもがいるから、

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ハチガツノナミダ

ハチガツノナミダ

梅雨が明けたにもかかわらず、天気は連日雨ばかり予報している。八月はカラカラになった天候が相応しいのに、なぜこうもうまくいかないのだろうか。

夜、眠れなかったときに連絡をする都合のいい相手がいる。彼は私が好きだけれど、私に好きの感情はない。自分が都合のいい関係だと理解しているのに、いつでも連絡に応じる姿勢には愛を感じる。そんな彼に申し訳なさを微塵も感じずに、いつも私は彼を急に呼び出す。

適当に居

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海と僕をつなぐ板        

海と僕をつなぐ板        

 私は息子のことを信じてあげることが出来なくなりつつある。

 息子は八歳、小学二年生だ。まだまだ親が全力で守らなければいけない年齢なのに、息子の言動を理解することができず、他人の目で見てしまうことがある。もちろん、息子を愛していることに変わりはない。二年前に病気で妻を亡くした私にとって息子は生きる希望だ。

 半年ほど前だった。小学校の入学式前に買ってあげた学習机が変だと言い出したのは。

 二

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